怪人二十面相44

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問題文

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(ろうじんはすこしきまりがわるくなって、むごんのままもとのしせいにもどり、)

老人は少しきまりが悪くなって、無言のままもとの姿勢にもどり、

(またみみをすましましたが、するとさっきとおなじように、あたまのなかが)

また耳をすましましたが、するとさっきと同じように、頭の中が

(すーっとからっぽになって、めのまえにもやがむらがりはじめるのです。)

スーッとからっぽになって、目の前にもやがむらがりはじめるのです。

(そのもやがすこしずつこくなって、やがて、くろくものようにまっくらに)

そのもやが少しずつ濃くなって、やがて、黒雲のようにまっくらに

(なってしまうと、からだがふかいふかいちのそこへでもおちこんでいくような)

なってしまうと、からだが深い深い地の底へでも落ちこんでいくような

(きもちがして、ろうじんは、いつしかうとうととねむってしまいました。)

気持がして、老人は、いつしかウトウトとねむってしまいました。

(どのくらいねむったのか、そのあいだじゅう、まるでじごくへでも)

どのくらいねむったのか、そのあいだじゅう、まるで地獄へでも

(おちたような、おそろしいゆめばかりみつづけながら、ふとめを)

落ちたような、おそろしい夢ばかりみつづけながら、ふと目を

(さましますと、びっくりしたことには、あたりがすっかりあかるく)

さましますと、びっくりしたことには、あたりがすっかり明るく

(なっているのです。)

なっているのです。

(「ああ、わしはねむったんだな。しかし、あんなにきをはりつめて)

「ああ、わしはねむったんだな。しかし、あんなに気をはりつめて

(いたのに、どうしてねたりなんぞしたんだろう。」)

いたのに、どうして寝たりなんぞしたんだろう。」

(さもんろうじんはわれながら、ふしぎでしかたがありませんでした。)

左門老人はわれながら、ふしぎでしかたがありませんでした。

(みると、あけちたんていはゆうべのままのすがたで、まだすやすやと)

見ると、明智探偵はゆうべのままの姿で、まだスヤスヤと

(ねむっています。)

ねむっています。

(「ああ、たすかった。それじゃにじゅうめんそうは、あけちたんていにおそれをなして、)

「ああ、助かった。それじゃ二十面相は、明智探偵におそれをなして、

(とうとうやってこなかったとみえる。ありがたい、ありがたい。」)

とうとうやってこなかったとみえる。ありがたい、ありがたい。」

(ろうじんはほっとむねをなでおろして、しずかにたんていをゆりおこしました。)

老人はホッと胸をなでおろして、しずかに探偵をゆりおこしました。

(「せんせい、おきてください。もうよるがあけましたよ。」)

「先生、起きてください。もう夜が明けましたよ。」

(あけちはすぐめをさまして、)

明智はすぐ目をさまして、

など

(「ああ、よくねむってしまった・・・・・・。ははは・・・・・・。ごらんなさい。)

「ああ、よくねむってしまった……。ハハハ……。ごらんなさい。

(なにごともなかったじゃありませんか。」)

なにごともなかったじゃありませんか。」

(といいながら、おおきなのびをするのでした。)

といいながら、大きなのびをするのでした。

(「みはりばんのけいじさんも、さぞねむいでしょう。もうだいじょうぶ)

「見はり番の刑事さんも、さぞねむいでしょう。もう大じょうぶ

(ですから、ごはんでもさしあげて、ゆっくりやすんでいただこうじゃ)

ですから、ご飯でもさしあげて、ゆっくりやすんでいただこうじゃ

(ありませんか。」)

ありませんか。」

(「そうですね。では、このとをあけてください。」)

「そうですね。では、この戸をあけてください。」

(ろうじんは、いわれるままに、かいちゅうからかぎをとりだして、しまりを)

老人は、いわれるままに、懐中からかぎをとりだして、締まりを

(はずし、がらがらといたどをひらきました。)

はずし、ガラガラと板戸をひらきました。

(ところが、とをひらいて、へやのなかをひとめみたかとおもうと、ろうじんの)

ところが、戸をひらいて、部屋の中を一目見たかと思うと、老人の

(くちから「ぎゃーっ。」という、まるでしめころされたような、)

口から「ギャーッ。」という、まるでしめころされたような、

(さけびごえがほとばしったのです。)

さけび声がほとばしったのです。

(「どうしたんです。どうしたんです。」)

「どうしたんです。どうしたんです。」

(あけちもあどろいてたちあがり、へやのなかをのぞきました。)

明智もあどろいて立ちあがり、部屋の中をのぞきました。

(「あ、あれ、あれ・・・・・・。」)

「あ、あれ、あれ……。」

(ろうじんはくちをきくちからもなく、みょうなかたことをいいながら、ふるえるてで、)

老人は口をきく力もなく、みょうな片言をいいながら、ふるえる手で、

(しつないをゆびさしています。)

室内を指さしています。

(みると、ああ、ろうじんのおどろきもけっしてむりではなかったのです。)

見ると、ああ、老人のおどろきもけっしてむりではなかったのです。

(へやのなかのふるめいがは、かべにかけてあったのも、はこにおさめてたなに)

部屋の中の古名画は、壁にかけてあったのも、箱におさめて棚に

(つんであったのも、ひとつのこらず、まるでかきけすようになくなって)

つんであったのも、一つのこらず、まるでかき消すようになくなって

(いるではありませんか。)

いるではありませんか。

(ばんにんのけいじは、たたみのうえにうちのめされたようにたおれて、なんという)

番人の刑事は、畳の上に打ちのめされたようにたおれて、なんという

(ざまでしょう。ぐうぐうたかいびきをかいているのです。)

ざまでしょう。グウグウ高いびきをかいているのです。

(「せ、せんせい、ぬ、ぬ、ぬすまれました。ああ、わしは、わしは・・・・・・。」)

「せ、先生、ぬ、ぬ、ぬすまれました。ああ、わしは、わしは……。」

(さもんろうじんは、いっしゅんかんにじゅうねんもとしをとったような、すさまじい)

左門老人は、一しゅんかんに十年も年をとったような、すさまじい

(かおになって、あけちのむなぐらをとらんばかりです。)

顔になって、明智の胸ぐらをとらんばかりです。

(あくまのちえ)

悪魔の知恵

(ああ、またしてもありえないことがおこったのです。にじゅうめんそうという)

ああ、またしてもありえないことがおこったのです。二十面相という

(やつは、にんげんではなくて、えたいのしれないおばけです。まったく)

やつは、人間ではなくて、えたいのしれないお化けです。まったく

(ふかのうなことを、こんなやすやすとやってのけるのですからね。)

不可能なことを、こんなやすやすとやってのけるのですからね。

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