怪人二十面相52

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問題文

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(「ははは・・・・・・、きみはすこしこうふんしすぎているようですね。ぼくには、)

「ハハハ……、きみは少し興奮しすぎているようですね。ぼくには、

(こんなことは、いっこうにめずらしくもありませんよ。だが、)

こんなことは、いっこうにめずらしくもありませんよ。だが、

(にじゅうめんそうくん、きみにはすこしおきのどくですね。ぼくがかえってきたので、)

二十面相君、きみには少しお気のどくですね。ぼくが帰ってきたので、

(せっかくきみのだいけいかくもむだになってしまったのだから。ぼくがかえって)

せっかくきみの大計画もむだになってしまったのだから。ぼくが帰って

(きたからには、はくぶつかんのびじゅつひんにはいっしもそめさせませんよ。また、)

きたからには、博物館の美術品には一指もそめさせませんよ。また、

(いずのくさかべけのたからものも、きみのしょゆうひんにしておきませんよ。いいですか、)

伊豆の日下部家の宝物も、きみの所有品にしておきませんよ。いいですか、

(これだけははっきりやくそくしておきます。」)

これだけははっきり約束しておきます。」

(そんなふうにいうものの、あけちもなかなかたのしそうでした。ふかく)

そんなふうにいうものの、明智もなかなか楽しそうでした。深く

(すいこんだ、たばこのけむりを、ふーっとあいてのめんぜんにふきつけて、)

すいこんだ、たばこの煙を、フーッと相手の面前に吹きつけて、

(にこにこわらっています。)

にこにこ笑っています。

(「それじゃ、ぼくもやくそくしましょう。」)

「それじゃ、ぼくも約束しましょう。」

(にじゅうめんそうもまけてはいませんでした。)

二十面相も負けてはいませんでした。

(「はくぶつかんのしょぞうひんは、よこくのひには、かならずうばいとっておめにかけます。)

「博物館の所蔵品は、予告の日には、かならずうばいとってお目にかけます。

(それから、くさかべけのたからもの・・・・・・、ははは・・・・・・、あれがかえせるものですか。)

それから、日下部家の宝物……、ハハハ……、あれが返せるものですか。

(なぜって、あけちくん、あのじけんでは、きみもきょうはんしゃだったじゃありませんか。」)

なぜって、明智君、あの事件では、きみも共犯者だったじゃありませんか。」

(「きょうはんしゃ?ああ、なるほどねえ。きみはなかなかしゃれがうまいねえ。)

「共犯者?ああ、なるほどねえ。きみはなかなかしゃれがうまいねえ。

(ははは・・・・・・。」)

ハハハ……。」

(たがいに、あいてをほろぼさないではやまぬ、はげしいてきいにもえた)

たがいに、相手をほろぼさないではやまぬ、はげしい敵意にもえた

(ふたり、だいとうぞくとめいたんていは、まるで、したしいともだちのように)

ふたり、大盗賊と名探偵は、まるで、したしい友だちのように

(だんしょうしております。しかし、ふたりとも、こころのなかは、すんぶんのゆだんも)

談笑しております。しかし、ふたりとも、心の中は、寸分のゆだんも

など

(なくはりきっているのです。)

なくはりきっているのです。

(これほどのだいたんのしわざをするぞくのことですから、そのりめんには、)

これほどの大胆のしわざをする賊のことですから、その裏面には、

(どんなよういができているかわかりません。おそろしいのはぞくのぽけっとの)

どんな用意ができているかわかりません。おそろしいのは賊のぽけっとの

(ぴすとるだけではないのです。)

ピストルだけではないのです。

(さいぜんのひとくせありげなぼーいちょうも、ぞくのてしたでないとは)

さいぜんの一くせありげなボーイ長も、賊の手下でないとは

(かぎりません。そのほかにも、このほてるのなかには、どれほどぞくの)

かぎりません。そのほかにも、このホテルの中には、どれほど賊の

(てしたがまぎれこんでいるか、しれたものではないのです。)

手下がまぎれこんでいるか、知れたものではないのです。

(いまのふたりのたちばはけんどうのたつじんとたつじんとが、しらはをかまえて)

今のふたりの立ち場は剣道の達人と達人とが、白刃をかまえて

(にらみあっているのと、すこしもかわりはありません。きりょくときりょくの)

にらみあっているのと、少しもかわりはありません。気力と気力の

(たたかいです。うのけほどのゆだんが、たちどころにしょうぶをけっして)

たたかいです。うの毛ほどのゆだんが、たちどころに勝負を決して

(しまうのです。)

しまうのです。

(ふたりは、ますますあいきょうよくはなしつづけています。かおはにこやかに)

ふたりは、ますますあいきょうよく話つづけています。顔はにこやかに

(えみくずれています。しかし、にじゅうめんそうのひたいには、このさむいのに、)

笑みくずれています。しかし、二十面相のひたいには、この寒いのに、

(あせのたまがういていました。ふたりとも、そのめだけは、まるでひのように、)

汗の玉がういていました。ふたりとも、その目だけは、まるで火のように、

(らんらんともえかがやいていました。)

らんらんともえかがやいていました。

(とらんくとえれべーたー)

トランクとエレベーター

(めいたんていは、ぷらっとほーむでぞくをとらえようとおもえば、なんのわけも)

名探偵は、プラットホームで賊をとらえようと思えば、なんのわけも

(なかったのです。どうして、このこうきかいをみのがしてしまったのでしょう。)

なかったのです。どうして、この好機会を見のがしてしまったのでしょう。

(どくしゃしょくんは、くやしくおもっているかもしれませんね。)

読者諸君は、くやしく思っているかもしれませんね。

(しかし、これはめいたんていのじしんがどれほどつよいかをかたるものです。)

しかし、これは名探偵の自信がどれほど強いかを語るものです。

(ぞくをみくびっていればこそ、こういうはなれわざができるのです。たんていは)

賊を見くびっていればこそ、こういう放れわざができるのです。探偵は

(はくぶつかんのたからものには、ぞくのいっしをもそめさせないじしんがありました。)

博物館の宝物には、賊の一指をもそめさせない自信がありました。

(れいのびじゅつじょうのたからものも、そのほかのかぞえきれぬとうなんひん、すっかり)

例の美術城の宝物も、そのほかのかぞえきれぬ盗難品、すっかり

(とりかえすしんねんがありました。)

取りかえす信念がありました。

(それには、いま、ぞくをとらえてしまっては、かえってふりなのです。)

それには、今、賊をとらえてしまっては、かえって不利なのです。

(にじゅうめんそうには、おおくのてしたがあります。もし、しゅりょうがとらえられたならば、)

二十面相には、多くの手下があります。もし、首領がとらえられたならば、

(そのぶかのものが、ぬすみためたたからものを、どんなふうにしょぶんしてしまうか、)

その部下のものが、ぬすみためた宝物を、どんなふうに処分してしまうか、

(しれたものではないからです。たいほは、そのたいせつなたからもののかくし)

知れたものではないからです。逮捕は、そのたいせつな宝物のかくし

(ばしょをたしかめてからでもおそくはありません。)

場所をたしかめてからでもおそくはありません。

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