怪人二十面相55

・スマホ向けフリック入力タイピングはこちら
※アプリのインストールが必要です。
・PC向けタイピングはこちら
タブレット+BlueToothキーボードのプレイもこちらがオススメです!
Webアプリでプレイ
投稿者投稿者kikiいいね0お気に入り登録
プレイ回数1難易度(4.5) 2549打 長文 長文モード推奨

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示

(でも、ぞくは、なんとなくきがかりで、まどのほうへちかよらないでは)

でも、賊は、なんとなく気がかりで、窓のほうへ近よらないでは

(いられませんでした。)

いられませんでした。

(「ははは・・・・・・、もちろんやねばかりさ。だが、そのやねのむこうに)

「ハハハ……、もちろん屋根ばかりさ。だが、その屋根の向こうに

(みょうなものがいるんだ。ほらね、こちらのほうだよ。」)

みょうなものがいるんだ。ほらね、こちらのほうだよ。」

(あけちはゆびさしながら、)

明智は指さしながら、

(「やねとやねとのあいだから、ちょっとみえているぷらっとふぉーむに、)

「屋根と屋根とのあいだから、ちょっと見えているプラットフォームに、

(くろいものがうずくまっているだろう。こどものようだね。ちいさなぼうえんきょうで、)

黒いものがうずくまっているだろう。子どものようだね。小さな望遠鏡で、

(しきりと、このまどをながめているじゃないか。あのこども、なんだか)

しきりと、この窓をながめているじゃないか。あの子ども、なんだか

(みたようなかおだねえ。」)

見たような顔だねえ。」

(どくしゃしょくんは、それがだれだか、もうとっくにおさっしのこととおもいます。)

読者諸君は、それがだれだか、もうとっくにお察しのことと思います。

(そうです。おさっしのとおりあけちたんていのめいじょしゅこばやししょうねんです。こばやしくんは)

そうです。お察しのとおり明智探偵の名助手小林少年です。小林君は

(れいのななつどうぐのひとつ、まんねんひつがたのぼうえんきょうで、ほてるのまどをのぞきながら、)

例の七つ道具の一つ、万年筆型の望遠鏡で、ホテルの窓をのぞきながら、

(なにかのあいずをまちかまえているようすです。)

何かのあいずを待ちかまえているようすです。

(「あ、こばやしのこぞうだな。じゃ、あいつはいえへかえらなかったのか。」)

「あ、小林の小僧だな。じゃ、あいつは家へ帰らなかったのか。」

(「そうだよ。ぼくがどのへやへはいるか、ほてるのげんかんでといあわせて、)

「そうだよ。ぼくがどの部屋へはいるか、ホテルの玄関で問いあわせて、

(そのへやのまどを、ちゅういしてみはっているようにいいつけているのだよ。」)

その部屋の窓を、注意して見はっているようにいいつけているのだよ。」

(しかし、それがなにをいみするのか、ぞくにはまだのみこめませんでした。)

しかし、それが何を意味するのか、賊にはまだのみこめませんでした。

(「それで、どうしようっていうんだ。」)

「それで、どうしようっていうんだ。」

(にじゅうめんそうは、だんだんふあんになりながら、おそろしいけんまくで、)

二十面相は、だんだん不安になりながら、おそろしいけんまくで、

(あけちにつめよりました。)

明智につめよりました。

など

(「これをごらん。ぼくのてをごらん。きみたちがぼくをどうかすれば、)

「これをごらん。ぼくの手をごらん。きみたちがぼくをどうかすれば、

(このはんかちが、ひらひらとまどのそとへおちていくのだよ。」)

このハンカチが、ヒラヒラと窓の外へ落ちていくのだよ。」

(みると、あけちのみぎのてくびが、すこしひらかれたまどのかぶから、そとへ)

見ると、明智の右の手首が、少しひらかれた窓の下部から、外へ

(でていて、そのゆびさきにまっしろなはんかちがつままれています。)

出ていて、その指先にまっ白なハンカチがつままれています。

(「これが、あいずなのさ。すると、あのこどもはえきのじむしつに)

「これが、あいずなのさ。すると、あの子どもは駅の事務室に

(かけこむんだ。それからでんわのべるがなる。そしてけいかんたいがかけつけて、)

かけこむんだ。それから電話のベルが鳴る。そして警官隊がかけつけて、

(ほてるのでいりぐちをかためるまで、そうだね、ごふんもあれば)

ホテルの出入り口をかためるまで、そうだね、五分もあれば

(じゅうぶんだとはおもわないかね。ぼくはごふんやじゅっぷん、きみたちさんにんを)

じゅうぶんだとは思わないかね。ぼくは五分や十分、きみたち三人を

(あいてにていこうするちからはあるつもりだよ。ははは・・・・・・、どうだい、このゆびを)

相手に抵抗する力はあるつもりだよ。ハハハ……、どうだい、この指を

(ぱっとひらこうかね、そうすれば、にじゅうめんそうたいほのすばらしいだいばめんが)

パッとひらこうかね、そうすれば、二十面相逮捕のすばらしい大場面が

(けんぶつできようというものだが。」)

見物できようというものだが。」

(ぞくは、まどのそとにつきだされたあけちのはんかちと、ぷらっとほーむの)

賊は、窓の外につきだされた明智のハンカチと、プラットホームの

(こばやししょうねんのすがたとを、みくらべながら、くやしそうにしばらくかんがえて)

小林少年の姿とを、見くらべながら、くやしそうにしばらく考えて

(いましたが、ややかおいろをやわらげていうのでした。)

いましたが、やや顔色をやわらげていうのでした。

(「で、もしぼくのほうでてをひいて、きみをぶじにかえすばあいには、)

「で、もしぼくのほうで手をひいて、きみをぶじに帰すばあいには、

(そのはんかちはおとさないですますつもりだろうね。つまり、きみの)

そのハンカチは落とさないですますつもりだろうね。つまり、きみの

(じゆうとぼくのじゆうとの、こうかんというわけだからね。」)

自由とぼくの自由との、交換というわけだからね。」

(「むろんだよ。さっきからいうとおり、ぼくのほうにはいまきみをとらえる)

「むろんだよ。さっきからいうとおり、ぼくのほうには今君をとらえる

(かんがえはすこしもないのだ。もしとらわれるつもりなら、なにもこんな)

考えは少しもないのだ。もしとらわれるつもりなら、何もこんな

(まわりくどいはんかちのあいずなんかいりゃしない。こばやしくんに、すぐ)

まわりくどいハンカチのあいずなんかいりゃしない。小林君に、すぐ

(けいさつへうったえさせるよ。そうすれば、いまごろはきみはけいさつのおりの)

警察へうったえさせるよ。そうすれば、いまごろはきみは警察のおりの

(なかにいたはずだぜ。ははは・・・・・・。」)

中にいたはずだぜ。ハハハ……。」

(「だが、きみもふしぎなおとこじゃないか。そうまでして、このおれを)

「だが、きみもふしぎな男じゃないか。そうまでして、このおれを

(にがしたいのか。」)

逃がしたいのか。」

(「うん、いまやすやすととらえるのは、すこしおしいようなきがするのさ。)

「ウン、今やすやすととらえるのは、少しおしいような気がするのさ。

(いずれ、きみをとらえるときには、おおぜいのぶかも、ぬすみためた)

いずれ、きみをとらえるときには、大ぜいの部下も、ぬすみためた

(びじゅつひんのかずかずも、すっかりいちもうにてにいれてしまうつもりだよ。)

美術品の数々も、すっかり一網に手に入れてしまうつもりだよ。

(すこしよくばりすぎているだろうかねえ。ははは・・・・・・。」)

少し欲ばりすぎているだろうかねえ。ハハハ……。」

問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告

kikiのタイピング

オススメの新着タイピング

タイピング練習講座 ローマ字入力表 アプリケーションの使い方 よくある質問

人気ランキング

注目キーワード