怪人二十面相77

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問題文

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(まっかになっておこったけいじぶちょうは、りょうてをふりあげて、いまにも)

まっかになっておこった刑事部長は、両手をふりあげて、今にも

(あけちにつかみかからんばかりのありさまです。)

明智につかみかからんばかりのありさまです。

(「ははは・・・・・・。これがこくほうだってあなたのめはどこについているんです。)

「ハハハ……。これが国宝だってあなたの目はどこについているんです。

(よくみてください。いまぼくがおりとったぶつぞうのきずぐちを、よくしらべて)

よく見てください。今ぼくが折りとった仏像の傷口を、よくしらべて

(ください。」)

ください。」

(あけちのかくしんにみちたくちょうに、けいじぶちょうは、はっとしたように、)

明智の確信にみちた口調に、刑事部長は、ハッとしたように、

(ぶつぞうにちかづいて、そのきずぐちをながめまわしました。)

仏像に近づいて、その傷口をながめまわしました。

(すると、どうでしょう。くびをもがれ、てをおられたあとのきずぐちからは、)

すると、どうでしょう。首をもがれ、手を折られたあとの傷口からは、

(がいけんのくろずんだふるめかしいいろあいとはにてもにつかない、まだなまなましい)

外見の黒ずんだ古めかしい色あいとは似ても似つかない、まだなまなましい

(しろいきぐちが、のぞいていたではありませんか。ならじだいのちょうこくに、)

白い木口が、のぞいていたではありませんか。奈良時代の彫刻に、

(こんなあたらしいざいりょうがつかわれているはずはありません。)

こんな新しい材料が使われているはずはありません。

(「すると、きみは、このぶつぞうがにせものだというのか。」)

「すると、きみは、この仏像がにせものだというのか。」

(「そうですとも、あなたがたに、もうすこしびじゅつがんがありさえすれば、)

「そうですとも、あなた方に、もう少し美術眼がありさえすれば、

(こんなきずぐちをこしらえてみるまでもなく、ひとめでにせものとわかった)

こんな傷口をこしらえてみるまでもなく、ひと目でにせものとわかった

(はずです。あたらしいきでもぞうひんをつくって、そとからとりょうをぬってふるいぶつぞうの)

はずです。新しい木で模造品を作って、外から塗料をぬって古い仏像の

(ようにみせかけたのですよ。もぞうひんせんもんのしょくにんのてにかけさえすれば、)

ように見せかけたのですよ。模造品専門の職人の手にかけさえすれば、

(わけなくできるのです。」)

わけなくできるのです。」

(あけちは、こともなげにせつめいしました。)

明智は、こともなげに説明しました。

(「きたこうじさん、これはいったい、どうしたことでしょう。こくりつはくぶつかんの)

「北小路さん、これはいったい、どうしたことでしょう。国立博物館の

(ちんれつひんが、まっかなにせものだなんて・・・・・・。」)

陳列品が、まっかなにせものだなんて……。」

など

(けいしそうかんがろうかんちょうをなじるようにいいました。)

警視総監が老館長をなじるようにいいました。

(「あきれました。あきれたことです。」)

「あきれました。あきれたことです。」

(あけちにてをとられて、ぼうぜんとたたずんでいたろうはかせが、ろうばい)

明智に手をとられて、ぼうぜんとたたずんでいた老博士が、ろうばい

(しながら、てれかくしのようにこたえました。)

しながら、てれかくしのように答えました。

(そこへ、さわぎをききつけて、さんにんのかんいんがあわただしくはいって)

そこへ、さわぎを聞きつけて、三人の館員があわただしくはいって

(きました。そのなかのひとりは、こだいびじゅつかんていのせんもんかで、そのほうめんの)

きました。その中のひとりは、古代美術鑑定の専門家で、その方面の

(かかりちょうをつとめているひとでしたが、こわれたぶつぞうをひとめみると、)

係長をつとめている人でしたが、こわれた仏像をひと目見ると、

(さすがにたちまちきづいてさけびました。)

さすがにたちまち気づいてさけびました。

(「あっ、これはみんなもぞうひんだ。しかし、へんですね。きのうまでは、)

「アッ、これはみんな模造品だ。しかし、へんですね。きのうまでは、

(たしかにほんものがここにおいてあったのですよ。わたしはきのうの)

たしかにほんものがここにおいてあったのですよ。わたしはきのうの

(ごご、このちんれつだなのなかへはいったのですから、まちがいありません。」)

午後、この陳列棚の中へはいったのですから、まちがいありません。」

(「すると、きのうまでほんものだったのが、きょうとつぜん、にせもの)

「すると、きのうまでほんものだったのが、きょうとつぜん、にせもの

(とかわったというのだね。へんだな、いったい、これはどうしたと)

とかわったというのだね。へんだな、いったい、これはどうしたと

(いうのだ。」)

いうのだ。」

(そうかんがきつねにつままれたようなひょうじょうで、いちどうをみまわしました。)

総監がキツネにつままれたような表情で、一同を見まわしました。

(「まだおわかりになりませんか。つまり、このはくぶつかんのなかは、すっかり)

「まだおわかりになりませんか。つまり、この博物館の中は、すっかり

(からっぽになってしまったということですよ。」)

からっぽになってしまったということですよ。」

(あけちはこういいながら、むこうがわのべつのちんれつだなをゆびさしました。)

明智はこういいながら、向こうがわの別の陳列棚を指さしました。

(「な、なんだって?すると、きみは・・・・・・。」)

「な、なんだって?すると、きみは……。」

(けいじぶちょうは、おもわずとんきょうなこえをたてました。)

刑事部長は、思わずとんきょうな声をたてました。

(さいぜんのかんちょうは、あけちのことばのいみをさとったのか、つかつかと)

さいぜんの館長は、明智のことばの意味をさとったのか、ツカツカと

(そのたなのまえにちかづいて、がらすにかおをくっつけるようにして、なかに)

その棚の前に近づいて、ガラスに顔をくっつけるようにして、中に

(かけならべたくろずんだぶつぞうをぎょうししました。そして、たちまちさけび)

かけならべた黒ずんだ仏像を凝視しました。そして、たちまちさけび

(だすのでした。)

だすのでした。

(「あっ、これも、これも、あれも、かんちょう、かんちょう、このなかのえは、みんな)

「アッ、これも、これも、あれも、館長、館長、この中の絵は、みんな

(にせものです。ひとつのこらずにせものです。」)

にせものです。一つ残らずにせものです。」

(「ほかのたなをしらべてくれたまえ。はやく、はやく。」)

「ほかの棚をしらべてくれたまえ。早く、早く。」

(けいじぶちょうのことばをまつまでもなく、さんにんのかんいんは、くちぐちになにか)

刑事部長のことばを待つまでもなく、三人の館員は、口々に何か

(わめきながら、ちんれつだなから、ちんれつだなへと、)

わめきながら、気ちがいのように陳列棚から、陳列棚へと、

(のぞきまわりました。)

のぞきまわりました。

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