怪人二十面相16

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問題文

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(もうじゅぎょうがはじまっているのに、そうじくんのすがたはみえないというへんじです。)

もう授業がはじまっているのに、壮二君の姿は見えないという返事です。

(それをきくと、おとうさまおかあさまのかおいろがかわってしまいました。)

それを聞くと、おとうさまおかあさまの顔色がかわってしまいました。

(ぞくはわなをしかけたのが、そうじくんであることをしったのかもしれません。)

賊はわなをしかけたのが、壮二君であることを知ったのかもしれません。

(そして、あしにうけたきずのふくしゅうをするために、そうじくんだけを)

そして、足にうけた傷のふくしゅうをするために、壮二君だけを

(ゆうかいしたのかもしれません。)

誘かいしたのかもしれません。

(さあ、おおさわぎになりました。なかむらそうさかかりちょうは、ただちにこのことを)

さあ、大さわぎになりました。中村捜査係長は、ただちにこのことを

(けいしちょうにほうこくし、とうきょうぜんとにひじょうせんをはって、はしばけのじどうしゃを)

警視庁に報告し、東京全都に非常線をはって、羽柴家の自動車を

(さがしだす、てはいをとりました。さいわいじどうしゃのかたやばんごうは)

さがしだす、手配をとりました。さいわい自動車の型や番号は

(わかっているのですから、てがかりはじゅうぶんにあるわけです。)

わかっているのですから、手がかりはじゅうぶんにあるわけです。

(そうたろうしは、ほとんどさんじゅっぷんごとに、がっこうとけいしちょうとへでんわをかけて、)

壮太郎氏は、ほとんど三十分ごとに、学校と警視庁とへ電話をかけて、

(そのあとのようすをたずねさせていましたが、いちじかん、にじかん、さんじかん、)

その後のようすをたずねさせていましたが、一時間、二時間、三時間、

(ときはようしゃなくたっていくのに、そうじくんのしょうそくを、いつまでも)

時はようしゃなくたっていくのに、壮二君の消息を、いつまでも

(わかりませんでした。)

わかりませんでした。

(ところが、そのひのおひるすぎになって、ひとりのうすよごれたせびろに)

ところが、その日のお昼すぎになって、ひとりのうすよごれた背広に

(とりうちぼうのせいねんが、はしばけのげんかんにあらわれて、みょうなことを)

鳥打ち帽の青年が、羽柴家の玄関にあらわれて、みょうなことを

(いいだしました。)

いいだしました。

(「あたしは、おたくのうんてんしゅさんにたのまれたんですがね。うんてんしゅさんが、)

「あたしは、おたくの運転手さんにたのまれたんですがね。運転手さんが、

(なんだかとちゅうできゅうにしようができたとかで、たのまれてじどうしゃを)

なんだか途中できゅうに私用ができたとかで、たのまれて自動車を

(はこんできたのですよ。くるまはもんのなかへいれておきましたから、)

運んできたのですよ。車は門の中へ入れておきましたから、

(しらべてうけとってほしいんですがね。」)

しらべて受けとってほしいんですがね。」

など

(ひしょが、そのことをおくへほうこくする。それっというので、しゅじんの)

秘書が、そのことを奥へ報告する。それっというので、主人の

(そうたろうしやしはいにんのこんどうろうじんが、げんかんへかけだして、くるまをしらべてみますと、)

壮太郎氏や支配人の近藤老人が、玄関へかけだして、車をしらべてみますと、

(たしかに、はしばけのじどうしゃにちがいありません。しかし、なかには)

たしかに、羽柴家の自動車にちがいありません。しかし、中には

(だれもいないのです。そうじくんはやっぱりゆうかいされてしまったのです。)

だれもいないのです。壮二君はやっぱり誘かいされてしまったのです。

(「おや、こんなみょうなふうとうがおちていますよ。」)

「おや、こんなみょうな封筒が落ちていますよ。」

(こんどうろうじんが、じどうしゃのくっしょんのうえから、いっつうのふうしょをひろいあげました。)

近藤老人が、自動車のクッションの上から、一通の封書を拾いあげました。

(そのおもてには「はしばそうたろうどのひつしんてん」とおおきくかいてあるばかり、)

その表には「羽柴壮太郎殿必親展」とおおきく書いてあるばかり、

(うらをみても、さしだしにんのなはありません。)

裏を見ても、差出人の名はありません。

(「なんだろう。」)

「なんだろう。」

(と、そうたろうしがふうをひらいて、にわにたったままよんでみますと、)

と、壮太郎氏が封をひらいて、庭に立ったまま読んでみますと、

(そこにはひだりのようなおおそろしいことばがかきつらねてあったのです。)

そこには左のようなおおそろしいことばが書きつらねてあったのです。

(さくやはだいやろっこたしかにちょうだいしました。もちかえって、みれば)

昨夜はダイヤ六個たしかにちょうだいしました。持ちかえって、見れば

(みるほどにみごとなほうせき、かほうとしてたいせつにほぞんします。)

見るほどにみごとな宝石、家宝としてたいせつに保存します。

(しかし、おれいはおれいとして、すこしおうらみがあるのです。なにものかが)

しかし、お礼はお礼として、少しおうらみがあるのです。何者かが

(にわにわなをしかけておいて、ぼくのあしにぜんちとおかかんのきずを)

庭にわなをしかけておいて、ぼくの足に全治十日間の傷を

(おわせたことです。ぼくは、そんがいをばいしょうしてもらうけんりが)

おわせたことです。ぼくは、損害を賠償してもらう権利が

(あります。そのためにごしそくそうじくんをひとじちとしてつれてかえりました。)

あります。そのためにご子息壮二君を人質としてつれてかえりました。

(そうじくんはいま、せったくのつめたいちかしつにとじこめられて、くらやみの)

壮二君は今、拙宅のつめたい地下室にとじこめられて、暗やみの

(なかでしくしくないております。そうじくんこそ、あののろわしいわなを)

中でシクシク泣いております。壮二君こそ、あののろわしいわなを

(しかけたほんにんです。これくらいのむくいはとうぜんではありますまいか。)

しかけた本人です。これくらいのむくいは当然ではありますまいか。

(ところで、そんがいのばいしょうですが、それには、ぼくはごしょぞうのかんのんぞうを)

ところで、損害の賠償ですが、それには、ぼくはご所蔵の観音像を

(ようきゅうします。)

要求します。

(ぼくはきのう、はからずもきけのびじゅつしつをはいけんするこうえいをえたのですが、)

ぼくは昨日、はからずも貴家の美術室を拝見する光栄を得たのですが、

(そのりっぱさにおどろきいりました。なかでもあのかんのんぞうは、かまくらきの)

そのりっぱさにおどろきいりました。中でもあの観音像は、鎌倉期の

(ちょうこく、あんあみのさくとせつめいがきがありましたが、いかにも)

彫刻、安阿弥の作と説明書きがありましたが、いかにも

(こくほうにしたいほどのもの、びじゅつずきのぼくは、ほしくて)

国宝にしたいほどのもの、美術ずきのぼくは、ほしくて

(ほしくてたまりませんでした。そのとき、どうあっても、)

ほしくてたまりませんでした。そのとき、どうあっても、

(このぶつぞうだけはちょうだいしなければならないと、)

この仏像だけはちょうだいしなければならないと、

(かたくけっしんしたのです。)

かたく決心したのです。

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