未 本編 -31-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文

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(それからまたじてんくるまにのってぼくらは「とかの」にもどった。)

それからまた自転車に乗って僕らは「とかの」に戻った。

(あいかわらずかぜはつめたいが、そのあいだししょうはぺだるをふみながら)

相変わらず風は冷たいが、その間師匠はペダルを踏みながら

(はなうたなどうたっていた。ずいぶんとよゆうがただよっている。)

鼻歌などうたっていた。随分と余裕が漂っている。

(「よゆうですね」そうきくと、「そうでもないよ」とのへんじ。)

「余裕ですね」そう訊くと、「そうでもないよ」との返事。

(しかし、ひょうじょうはやはりよゆうそうだった、)

しかし、表情はやはり余裕そうだった、

(「ぴーすがあとひとつふたつでうまるってかんじ」)

「ピースがあと一つ二つで埋まるって感じ」

(そんないみふけなことばをはいてにやりとした。じつにいじわるそうなかおだ。)

そんな意味深な言葉を吐いてニヤリとした。実に意地悪そうな顔だ。

(りょかんにかえりつくと、ひろこさんがひまそうにげんかんさきにすわりこんでいた。)

旅館に帰り着くと、広子さんが暇そうに玄関先に座り込んでいた。

(「あ、おかえり~」)

「あ、お帰り〜」

(すわったままてをふっている。きょういちにちきゃくがいないとなるときらくなものだ。)

座ったまま手を振っている。今日一日客がいないとなると気楽なものだ。

(ねんまつのかきいれどきにこれではおーなーはきぐろうがたえないだろうが、)

年末のかき入れどきにこれではオーナーは気苦労が絶えないだろうが、

(じゅうぎょういんとしてはほとんどやすみみたいなもので、)

従業員としてはほとんど休みみたいなもので、

(らっきーとでもおもっているのかもしれない。)

ラッキーとでも思っているのかも知れない。

(とけいをみると、ひるのにじをまわっている。)

時計を見ると、昼の二時を回っている。

(じてんしゃをげんかんまえにとめて、ししょうはぬのぶくろをひろこさんにおしつけた。)

自転車を玄関前に止めて、師匠は布袋を広子さんに押し付けた。

(「おおひろまにおいといて」そうたのむと、ひろこさんは「いいよう」と)

「大広間に置いといて」そう頼むと、広子さんは「いいよう」と

(えっちらおっちら、それをてにさげておおひろまのほうへむかう。)

えっちらおっちら、それを手に提げて大広間の方へ向かう。

(ぼくらはそれをしりめににかいのへやにあがった。)

僕らはそれを尻目に二階の部屋に上がった。

(とちゅう、「ほかのおんせんにはいりにいこう」とししょうがぼくのほうをふりかえりながらいう。)

途中、「他の温泉に入りに行こう」と師匠が僕の方を振り返りながら言う。

(「ほかのって、たなかやですか」)

「他のって、田中屋ですか」

など

(「とりあえずおとなりらしいから、そこかな」)

「とりあえずお隣らしいから、そこかな」

(「かんこうきぶんですか」)

「観光気分ですか」

(じぶんでそういったあと、かんすけさんがちかくにいないかとくびをすくめる。)

自分でそう言った後、勘介さんが近くにいないかと首をすくめる。

(あのひとははらにいちぶつをもってそうだ。)

あの人は腹に一物を持ってそうだ。

(おかみのやとったぼくらうさんくさいれんちゅうにたいし、)

女将のやとった僕ら胡散臭い連中に対し、

(あきらかにてきたいしんをいだいている。あまりふまじめそうなげんどうをしていると、)

明らかに敵対心を抱いている。あまり不真面目そうな言動をしていると、

(いつかどなりつけられそうなきがする。)

いつか怒鳴りつけられそうな気がする。

(「ひとぎきがわるいな。じょうほうしゅうしゅうだよ。こさんのおんせんりょかんはしんざんしゃの「とかの」を)

「人聞きが悪いな。情報収集だよ。古参の温泉旅館は新参者の「とかの」を

(こころよくおもってないはずだからな。そのうらをとりがてら、)

心良く思ってないはずだからな。その裏を取りがてら、

(れいのうわさのことについてききこむとしよう」)

例の噂のことについて訊き込むとしよう」

(そうしてきがえをもちだし、げんかんさきにとめていたじてんくるまにのろうとすると、)

そうして着替えを持ち出し、玄関先に止めていた自転車に乗ろうとすると、

(かえでがしきちのもんのところにたっているのにきづいた。)

楓が敷地の門のところに立っているのに気づいた。

(「おでかけ?」)

「お出かけ?」

(「あ、どうも」)

「あ、どうも」

(きのうよりもおとなびたかんじのふくそうをしている。)

昨日よりも大人びた感じの服装をしている。

(「でーとぉ?」)

「デートぉ?」

(ししょうがしなをつくっていやらしくきくと、かえでは「そんなんじゃないですよ」と)

師匠がシナを作っていやらしく訊くと、楓は「そんなんじゃないですよ」と

(てをひろげてさゆうにふる。)

手を広げて左右に振る。

(「かずにぃが、みどりちゃんときのうきょうだいけんかしちゃったらしくて、)

「和にぃが、翠ちゃんと昨日きょうだい喧嘩しちゃったらしくて、

(なかなおりしたいからみどりちゃんのすきなすたんどらんぷを)

仲直りしたいから翠ちゃんの好きなスタンドランプを

(ぷれぜんとしたいんですって」)

プレゼントしたいんですって」

(そのすたんどらんぷをどうえらんでいいかわからないので、)

そのスタンドランプをどう選んでいいか分からないので、

(かいものにつきあってくれといわれたらしい。)

買い物に付き合ってくれと言われたらしい。

(ぼくとししょうはかおをみあわせた。それでか。きっさてんでのかずおのようすをおもいだして、)

僕と師匠は顔を見合わせた。それでか。喫茶店での和雄の様子を思い出して、

(わらってしまいそうになる。)

笑ってしまいそうになる。

(「あ、きた」)

「あ、きた」

(いなかみちにひかえめなはいきおんをひびかせて、かずおのばいくがすがたをあらわす。)

田舎道に控えめな排気音を響かせて、和雄のバイクが姿を現す。

(なんというしゃしゅかしらないが、くろっぽいれーしーなやつで、)

なんという車種か知らないが、黒っぽいレーシーなやつで、

(こうしてはしっているところをみると、なかなかさまになっていてかっこいい。)

こうして走っているところを見ると、なかなか様になっていてカッコいい。

(りょかんのしきちにはいり、ぼくらのまえでばいくはとまった。)

旅館の敷地に入り、僕らの前でバイクは止まった。

(へるめっとをとったかずおはすましたかおで「きのうはどうも」と)

ヘルメットを取った和雄はすました顔で「昨日はどうも」と

(ぼくらにしゃあしゃあとあいさつをすると、ざせきかのしゅうのうすぺーすから)

僕らにしゃあしゃあと挨拶をすると、座席下の収納スペースから

(もうひとつへるめっとをとりだしてかえでにわたした。)

もう一つヘルメットを取り出して楓に渡した。

(「じゃあ、いってきます」)

「じゃあ、行ってきます」

(へるねっとをかぶりながらぼくらにてをふって、かえではばいくのうしろにのりこんだ。)

ヘルネットを被りながら僕らに手を振って、楓はバイクの後ろに乗り込んだ。

(かずおはなにかかくにんするようにゆっくりとぼくとししょうにあたまをさげ、)

和雄はなにか確認するようにゆっくりと僕と師匠に頭を下げ、

(それからあくせるをふんでさっそうとはしりさっていった。)

それからアクセルを踏んで颯爽と走り去っていった。

(それをみおくったあとで、ししょうがぼんやりという。「でかいばいくだなあ。)

それを見送った後で、師匠がぼんやりと言う。「でかいバイクだなあ。

(へるめっとがにこしゅうのうできるやつだぞ、あれ」)

ヘルメットが二個収納できるやつだぞ、あれ」

(そんなことより、さっきのやりとりにかずおのひっしさがつたわってきて、)

そんなことより、さっきのやりとりに和雄の必死さが伝わってきて、

(なんだかこっちがはずかしくなってしまった。)

なんだかこっちが恥ずかしくなってしまった。

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