創世記　第９章

(すなわち、わたしはくものなかに、にじをおく。これがわたしとちとのあいだのけいやくの)

すなわち、わたしは雲の中に、にじを置く。これがわたしと地との間の契約の

(しるしとなる。わたしがくもをちのうえにおこすとき、にじはくものなかにあらわれる。)

しるしとなる。わたしが雲を地の上に起すとき、にじは雲の中に現れる。

(こうして、わたしは、わたしとあなたがた、およびすべてにくなるあらゆるいきものと)

こうして、わたしは、わたしとあなたがた、及びすべて肉なるあらゆる生き物と

(のあいだにたてたけいやくをおもいおこすゆえ、みずはふたたび、すべてにくなるものをほろぼす)

の間に立てた契約を思いおこすゆえ、水はふたたび、すべて肉なる者を滅ぼす

(こうずいとはならない。にじがくものなかにあらわれるときわたしはこれをみて、かみがちじょうにある)

洪水とはならない。にじが雲の中に現れるとき私はこれを見て神が地上にある

(すべてにくなるあらゆるいきものとのあいだにたてたえいえんのけいやくをおもいおこすであろう」。)

全て肉なるあらゆる生き物との間に立てた永遠の契約を思いおこすであろう」。

(そしてかみはのあにいわれた、「これがわたしとちにあるすべてにくなるものとのあいだに、)

そして神はノアに言われた、「これが私と地にある全て肉なるものとの間に、

(わたしがたてたけいやくのしるしである」。)

わたしが立てた契約のしるしである」。

(はこぶねからでたのあのこらはせむ、はむ、やぺてであった。はむはかなんのちちで)

箱舟から出たノアの子らはセム、ハム、ヤペテであった。ハムはカナンの父で

(ある。このさんにんはのあのこらで、ぜんちのたみはかれらからでて、ひろがったのである。)

ある。この三人はノアの子らで、全地の民は彼らから出て、広がったのである。

(さてのあはのうふとなり、ぶどうばたけをつくりはじめたが、)

さてノアは農夫となり、ぶどう畑をつくり始めたが、

(かれはぶどうさけをのんでよい、てんまくのなかではだかになっていた。)

彼はぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になっていた。

(かなんのちちはむはちちのはだかをみて、そとにいるふたりのきょうだいにつげた。)

カナンの父ハムは父の裸を見て、外にいるふたりの兄弟に告げた。

(せむとやぺてとはきものをとって、かたにかけ、うしろむきにあゆみよって、)

セムとヤペテとは着物を取って、肩にかけ、うしろ向きに歩み寄って、

(ちちのはだかをおおい、かおをそむけてちちのはだかをみなかった。)

父の裸をおおい、顔をそむけて父の裸を見なかった。

(やがてのあはよいがさめて、すえのこがかれにしたことをしったとき、)

やがてノアは酔いがさめて、末の子が彼にした事を知ったとき、

(かれはいった、「かなんはのろわれよ。かれはしもべのしもべとなって、)

彼は言った、「カナンはのろわれよ。彼はしもべのしもべとなって、

(そのきょうだいたちにつかえる」。またいった、「せむのかみ、しゅはほむべきかな、)

その兄弟たちに仕える」。また言った、「セムの神、主はほむべきかな、

(かなんはそのしもべとなれ。かみはやぺてをおおいならしめ、せむのてんまくにかれを)

カナンはそのしもべとなれ。神はヤペテを大いならしめ、セムの天幕に彼を

(すまわせられるように。かなんはそのしもべとなれ」。)

住まわせられるように。カナンはそのしもべとなれ」。

(のあはこうずいののち、なおさんびゃくごじゅうねんいきた。)

ノアは洪水の後、なお三百五十年生きた。

(のあのとしはあわせてきゅうひゃくごじゅっさいであった。そしてかれはしんだ。)

ノアの年は合わせて九百五十歳であった。そして彼は死んだ。