美由紀と美雪10

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タグ小説
自作第二弾
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問題文

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(なかはらくんとゆきやはもみあっているうちにじめんにたおれこんだ。)

中原君と幸也はもみ合っているうちに地面に倒れこんだ。

(「なかはらくん!!」)

「中原君!!」

(しばらくたおれこんでうごかないふたり。)

しばらく倒れこんで動かない二人。

(たちあがったのは・・・・・)

立ち上がったのは・・・・・

(ゆきやだった。)

幸也だった。

(「なかはらくん!!」)

「中原君!!」

(なかはらくんはかおをゆがめわきばらをおさえたままうごかない。)

中原君は顔をゆがめわき腹を押さえたまま動かない。

(「ゆきや、なにをしたの?」)

「幸也、何をしたの?」

(わたしがめにしたもの・・・それは・・・。)

私が目にしたもの・・・それは・・・・。

(ゆきやのてににぎられたないふだった。)

幸也の手に握られたナイフだった。

(わたしはなかはらくんのそばにかけよった。)

私は中原君の傍に駆け寄った。

(「だいじょうぶなかはらくん!」)

「大丈夫中原君!」

(わたしはけいたいできゅうきゅうしゃをよぼうとしたとき)

私は携帯で救急車を呼ぼうとしたとき

(「たすけをよぼうなんてさせない、おまえはおれといっしょにくるんだ。」)

「助けを呼ぼうなんてさせない、お前は俺と一緒に来るんだ。」

(ゆきやはわたしをくるまへつれていこうとした。)

幸也は私を車へ連れて行こうとした。

(そのとき、1だいのくるまがはしってくるのがみえた。)

その時、一台の車が走ってくるのが見えた。

(「けいさつだ!!」)

「警察だ!!」

(そのことばにゆきやのちからがいっしゅんよわまった。)

その言葉に幸也の力が一瞬弱まった。

(わたしはゆきやのうでをはらいのけ、なかはらくんのもとへはしりよった)

私は幸也の腕を払いのけ、中原君のもとへ走り寄った

(「なかはらくんしっかりして!!」)

「中原君しっかりして!!」

など

(「きゅうきゅうしゃ!!」)

「救急車!!」

(「み・・・みゆきせんぱい、だいじょぶですか?」)

「み…美由紀先輩、だいじょぶですか?」

(「わたしはだいじょうぶよ、だけどあなたが・・・。」)

「私は大丈夫よ、だけどあなたが・・・・。」

(「よ・・、よか、った・・・。」)

「よ・・、よか、った・・・・。」

(なかはらくんはそういうとがっくとうなだれてうごかなくなった。)

中原君はそう言うとガックとうなだれて動かなくなった。

(「なかはらくん!!なかはらくん!!しっかりして!!)

「中原君!!中原君!!しっかりして!!

(みゆきちゃんのところにかえらなきゃ!!なかはらくん!!!」)

美雪ちゃんの所に帰らなきゃ!!中原君!!!」

(とおくからきゅうきゅうしゃのおとがした。)

遠くから救急車の音がした。

(くるまはけいさつのひとがいどうしてくれるというので、わたしもいっしょにびょういんへ。)

車は警察の人が移動してくれるというので、私も一緒に病院へ。

(びょういんにつくとすぐにしゅじゅつなった。)

病院につくとすぐに手術なった。

(わたしもしんさつをうけたがかるいだぼくですんだ。)

私も診察を受けたが軽い打撲で済んだ。

(しゅじゅつしつのまえにいくと、あきとぶちょうがきていた。)

手術室の前に行くと、亜紀と部長が来ていた。

(そしてみゆきちゃんとおねえさんのすがたがあった。)

そして美雪ちゃんとお姉さんの姿があった。

(「みゆきちゃん・・・、ごめんなさい、ぱぱにけがさせちゃったの。」)

「美雪ちゃん・・・、ごめんなさい、パパにケガさせちゃったの。」

(「おねえちゃん、なかないで。」)

「お姉ちゃん、泣かないで。」

(そういってわたしのあたまをぽんぽんとしてくれる。)

そう言って私の頭をポンポンとしてくれる。

(わたしはたまらなくなった。)

私はたまらなくなった。

(「みゆきさん、たかしはわたしにいつもはなしてくれてました、)

「美由紀さん、隆は私にいつも話してくれてました、

(こんどのかいしゃにはみゆきとおなじなまえのせんぱいがいるって。)

今度の会社には美雪と同じ名前の先輩がいるって。

(きびしくてきがつよいけど、なんかさびしそうなひとだって。)

厳しくて気が強いけど、なんか淋しそうな人だって。

(きのう、みゆきのおむかえをたのみにきたとき、)

昨日、美雪のお迎えを頼みに来た時、

(あなたといっしょになりたいっていってました、だから)

あなたと一緒になりたいって言ってました、だから

(あなたをまもれたことがたかしにとってはいちばんうれしいとおもうんです。)

あなたを守れたことが隆にとっては一番嬉しいと思うんです。

(このこのははおやをまもることができなかったことを、)

この子の母親を守ることが出来なかったことを、

(ずっとくやんでいましたから、そんなにあやまらないでください。」)

ずっと悔やんでいましたから、そんなに謝らないで下さい。」

(「おねえさん・・・。」)

「お姉さん・・・・。」

(みゆきちゃんがわたしのてをにぎってくれた。)

美雪ちゃんが私の手を握ってくれた。

(「また、どうぶつえんにいこうね。」)

「また、動物園に行こうね。」

(そういってわらいかけてくれる。)

そう言って笑いかけてくれる。

(わたしはもうしわけなくてなみだがとまらなかった。)

私は申し訳なくて涙が止まらなかった。

(「みゆき、しゅじゅつおわったよ。」)

「美由紀、手術終わったよ。」

(あきのことばにわたしはたちあがって、しゅじゅつしつのどあがひらいて)

亜紀の言葉に私は立ち上がって、手術室のドアが開いて

(なかはらくんがべっとによこたわってでてきた。)

中原君がベットに横たわって出てきた。

(「せんせいどうですか?けがのぐあいは?」)

「先生どうですか?ケガの具合は?」

(「だいじょうぶです、いのちにべつじょうはありません。」)

「大丈夫です、命に別状はありません。」

(せんせいのことばをきいてほっとした。)

先生の言葉を聞いてホッとした。

(みゆきちゃんがわたしのてをしっかりとにぎりしめている。)

美雪ちゃんが私の手をしっかりと握りしめている。

(びょうしつにはいったわたしたちは、まだますいのさめないなかはらくんのまわりで)

病室に入った私たちは、まだ麻酔の冷めない中原君の周りで

(あんどのひょうじょうをうかべていた。)

安堵の表情を浮かべていた。

(「あさのくんわたしたちはしつれいするよ。)

「浅野君私たちは失礼するよ。

(いのちにべつじょうがないことをかくにんできてよかった。)

命に別条がないことを確認出来て良かった。

(かれがめをさましたらつたえてくれないか、)

彼が目を覚ましたら伝えてくれないか、

(しごとのことはきにせずちりょうにせんねんして、しゅっしゃしてくれてかまわないと。」)

仕事の事は気にせず治療に専念して、出社してくれて構わないと。」

(「ぶちょう、ありがとうございます。」)

「部長、ありがとうございます。」

(「みゆきあんたもしばらくやすんだほうがいいよ、せいしんてきにまいってるでしょう?)

「美由紀あんたもしばらく休んだ方がいいよ、精神的にまいってるでしょう?

(「そうだな、あさのくんもきゅうかをとるといいだろう。」)

「そうだな、浅野君も休暇を取るといいだろう。」

(「ごめいわくをおかけしました。ありがとうございます。あきありがとう。)

「ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます。亜紀ありがとう。

(ぶちょうとあきはかえっていった。)

部長と亜紀は帰って行った。

(「みゆきさん、わたしたちもそろそろかえるわ。」)

「美由紀さん、私たちもそろそろ帰るわ。」

(「おねえさんもうしわけありませんでした。」)

「お姉さん申し訳ありませんでした。」

(「たかしのことたよんでもいいかしら。」)

「隆の事頼んでもいいかしら。」

(「はい。」)

「はい。」

(「おねえちゃんばいばい。」)

「お姉ちゃんバイバイ。」

(「ばいばいみゆきちゃん。」)

「バイバイ美雪ちゃん。」

(「おねがいします。」)

「お願いします。」

(おねえさんとみゆきちゃんはかえっていった。)

お姉さんと美雪ちゃんは帰って行った。

(びょうしつにはわたしとなかはらくんだけ・・・。)

病室には私と中原君だけ・・・。

(「ごめんなさい・・いたかったでしょ・・・。)

「ごめんなさい・・痛かったでしょ・・・。

(わたしのために、こんなおもいさせて・・。」)

私の為に、こんな思いさせて・・。」

(そのときぴくっとなかはらくんのゆびがうごいた。)

その時ピクッと中原君の指が動いた。

(「なかはらくん!」)

「中原君!」

(わたしはなかはらくんのなまえをよんだ。)

私は中原君の名前を呼んだ。

(うすっすらとめをあけてわたしをみつけたかれは。)

薄っすらと目を開けて私を見つけた彼は。

(「よかった・・・。ぶじだったんだね。あいつは?」)

「良かった・・・。無事だったんだね。あいつは?」

(「なかはらくんがまもってくれたから・・・。ゆきやはけいさつにつかまったわ。」)

「中原君が守ってくれたから・・・。幸也は警察に捕まったわ。」

(「まもれたんだ・・・ぼくは・・・。」)

「守れたんだ・・・・僕は・・・。」

(「そうよ、あなたはまもってくれたの。わたしを。」)

「そうよ、あなたは守ってくれたのよ。」

(「たいせつなひとをまもることができたんだ。」)

「大切な人を守ることが出来たんだ。」

(「ありがとう・・・、さっきまでみんないたのよ)

「ありがとう・・・、さっきまでみんないたのよ

(みゆきちゃんもおねえさんがつれてかえったわ、)

美雪ちゃんもお姉さんが連れて帰ったわ、

(またどうぶつえんにいこうねっていわれたわ。」)

また動物園に行こうねって言われたわ。」

(「たいいんしたらいこう。」)

「退院したら行こう。」

(「ええいきましょう、3にんで。」)

「ええ行きましょう、3人で。」

(「このさきぼくといっしょにいきてくれますか。」)

「この先僕と一緒に生きてくれますか。」

(「みゆきちゃんとあなたといっしょに・・・。」)

「美雪ちゃんとあなたと一緒に・・・。」

(わたしたちはおたがいのてをしっかりとにぎりあった。)

私たちはお互いの手をしっかりと握りあった。

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