俺とお前とあなたと私

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プレイ回数604難易度(4.4) 2860打 長文
タグ小説
自作第三弾

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問題文

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(おれのばあい1)

俺の場合1

(おれのなまえはたけうちあおい。27さい)

俺の名前は竹内 葵。27歳

(しょくぎょうはしょうがっこうのきょうし。きょうしせいかつ3ねんめ。)

職業は小学校の教師。教師生活3年目。

(げんざいどくしん、かのじょなし10ねん。)

現在独身、彼女無し10年。

(こう2のふゆやすみくりすますにかのじょとわかれた。)

高2の冬休みクリスマスに彼女と別れた。

(おれにはぜったいにひとにいえないひみつがある。)

俺には絶対に人に言えない秘密がある。

(にわかにはしんじがたいだろうが、)

俄かには信じがたいだろうが、

(おれのなかにはもうひとりそんざいするそれがおまえとよんでるやつ。)

俺の中にはもう一人存在するそれがおまえと呼んでるやつ。

(ものごころついたまだがきだったころ、)

物心ついたまだガキだった頃、

(おれはよくひとりごとをいっていたとははからきいた。)

俺はよく独り言を言っていたと母から聞いた。

(いえにあそびにきたともだちはきみわるがって、あそびにこなくなった。)

家に遊びに来た友達は気味悪がって、遊びに来なくなった。

(おれじしんがそのことにきづいたのは、ちゅうがく2ねんのなつ。)

俺自身がそのことに気づいたのは、中学二年の夏。

(なつやすみのあついひのこと、おれはいえでしゃわーをあびていた。)

夏休みの暑い日の事、俺は家でシャワーを浴びていた。

(「ことしのなつはあついよな~、おまけにくーらーちょうしわるいし)

「今年の夏は暑いよな~、おまけにクーラー調子悪いし

(あ~かのじょほしい~。」)

あ~彼女欲しい~。」

(「おい、おまえ。」)

「おい、お前。」

(「んっ?」)

「んっ?」

(だれかによばれたきがした・・・。)

誰かに呼ばれた気がした・・・。

(まわりをみわたすがだれもいない、もちろんいえのなかにはおれひとり。)

周りを見渡すが誰もいない、もちろん家の中には俺一人。

(いささかきみがわるくなって、りびんぐへいった。)

いささか気味が悪くなって、リビングへ行った。

など

(「さっきたしかにこえがしたような・・・。」)

「さっき確かに声がしたような・・・・。」

(「おい、おまえ!」)

「おい、お前!」

(「だ、だれだ!!かくれるなんてひきょうだぞ!!」)

「だ、誰だ!!隠れるなんて卑怯だぞ!!」

(「おれはおまえだ!!」)

「俺はお前だ!!」

(なにいってるんだこいつは?)

何言ってるんだこいつは?

(こえがどこからきこえるのかたしかめようとみみをすました。)

声がどこから聞こえるのか確かめようと耳を澄ました。

(「おい、なにかしゃべれ!!」)

「おい、何か喋れ!!」

(「おまえ、そんなにかのじょがほしいか?」)

「お前、そんなに彼女が欲しいか?」

(こえはしたのほうからした。)

声は下の方からした。

(おれのしたにあるのはゆかだけ。)

俺の下にあるのは床だけ。

(「おまえゆかしたにいるのか?」)

「お前床下にいるのか?」

(「だからいってるだろ、おれはおまえなんだよ、)

「だから言ってるだろ、俺はお前なんだよ、

(おまえのからだのなかにいるんだ。」)

お前の体の中にいるんだ。」

(おれのからだのあたって・・・・・・。)

俺の体の中って・・・・・・。

(おれはぱにっくになっていた。)

俺はパニックになっていた。

(これはゆめなのか?おれはあたまがおかしくなったのか?)

これは夢なのか?俺は頭がおかしくなったのか?

(おれのからだのなかにおれいがいのなにかがいるのか?)

俺の体の中に俺以外の何かがいるのか?

(おれはにじゅうじんかくなのか?)

俺は二重人格なのか?

(あれこれかんがえてみるもののこたえなんてでてくるわけじゃない)

あれこれ考えてみるものの答え何て出てくるわけじゃない

(そうだ!!こういうときはねるにかぎる!!!)

そうだ!!こういう時は寝るに限る!!!

(きっとねぐるしいよるがつづいているせいで、ねぶそくぎみのおれは)

きっと寝苦しい夜が続いているせいで、寝不足気味の俺は

(しこうかいろがしっかりきのうしていないのだろう。)

思考回路がしっかり機能していないのだろう。

(そうかんがえるにいたったおれはりびんぐのそふぁーによこになった。)

そう考えるに至った俺はリビングのソファーに横になった。

(どのくらいのじかんがたっただろうか。)

どのくらいの時間が経っただろうか。

(またあのこえがきこえてきた。)

またあの声が聞こえてきた。

(「おい、おまえ!」)

「おい、お前!」

(ん?・・・なんだ?」)

ん?・・・なんだ?」

(「おきろ!!」)

「起きろ!!」

(やっぱりげんじつだ!そらみみなんかではない!!)

やっぱり現実だ!空耳なんかではない!!

(おれはいをけっしてそいつにはなしかけてみた。)

俺は意を決してそいつに話しかけてみた。

(「なにかようなのか?」)

「何か用なのか?」

(「あー、わるいがなにかきてくれないか?このままじゃかぜひきそうだ。」)

「あー、悪いが何か着てくれないか?このままじゃ風邪ひきそうだ。」

(「さむいのか?」)

「寒いのか?」

(「あーくーらーのかぜがつめたくてひえてかぜひきそうなんだよ、)

「あークーラーの風が冷たくて冷えて風邪ひきそうなんだよ、

(おまえはあついからいいかもしれないが、おれはでりけーとになんだ。」)

お前は熱いからいいかもしれないが、俺はデリケートになんだ。」

(「きるってtしゃつきてるじゃないか。」)

「着るってTシャツ着てるじゃないか。」

(「うえじゃないしただ。」)

「上じゃない下だ。」

(「した・・・。」)

「下・・・・。」

(おれはじぶんのしたをみた。)

俺は自分の下を見た。

(そこにはとらんくすいちまいのおれいるだけ。)

そこにはトランクス一枚の俺いるだけ。

(「ずぼんをはけってことか?」)

「ズボンを穿けって事か?」

(「やっとわかってくれたか。」)

「やっとわかってくれたか。」

(まさかとはおもったがいちおうきいてみた。)

まさかとは思ったが一応聞いてみた。

(「おまえは、その・・・おれの・・・なのか?」)

「お前は、その・・・俺の・・・なのか?」

(「だからさっきからそういってるだろう!)

「だからさっきからそう言ってるだろう!

(おれはおまえだって。」)

俺はお前だって。」

(せいてんへきれきというのはこういうことなのか?)

青天霹靂というのはこういう事なのか?

(いまおれじしんにおきているこのじょうきょうをだれがしんようしてくれる?)

今俺自身に起きているこの状況を誰が信用してくれる?

(でも、このじょうきょうをおれひとりでしょりをすることにじしんがなかった)

でも、この状況を俺一人で処理をすることに自信が無かった

(「き・・・きいていいか?」)

「き・・・聞いていいか?」

(「なんだ?」)

「なんだ?」

(「おまえはいつからおれのなかにいるんだ?」)

「お前はいつから俺の中にいるんだ?」

(「いつからだろうな、ただおまえがちいさかったころは)

「いつからだろうな、ただお前が小さかった頃は

(よくおれとはなしをしてたな。」)

良く俺と話をしてたな。」

(「ちいさかったころ?」)

「小さかった頃?」

(そういわれてははおやのことばをおもいだした。)

そう言われて母親の言葉を思い出した。

(おれがよくひとりごとをいっていたと。)

俺がよく独り言を言っていたと。

(このことだったのかといまさらだがわかった。)

この事だったのかと今更だがわかった。

(おれのなかのもうひとりのおれ?といってもいいのかどうか)

俺の中のもう一人の俺?といってもいいのかどうか

(わからないが、じぶんがじかくしたことにまちがいはない。)

わからないが、自分が自覚した事に間違いはない。

(こんなことたにんにもはなせることじゃない、)

こんなこと他人にも話せることじゃない、

(ましてかのじょのほしいみとしては、ぜったいにまずいことなのだ。)

まして彼女の欲しい身としては、絶対にまずいことなのだ。

(へんなおとこだとおもわれるのはかくじつで、かのじょをつくるところではない。)

変な男だと思われるのは確実で、彼女を作る所ではない。

(おれみたいなやつがほかにいるともおもえない。)

俺みたいなやつが他にいるとも思えない。

(ぜつぼうしかなかった。)

絶望しかなかった。

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