亂世エロイカ

(しにいそげいきるなら)

死ニ急ゲ　生キルナラ

(たましいがつかさどるきみがむねいくさば)

魂ガ司ル　君ガ胸　戦場

(あらぶるかみのほうようをうけしそのみには)

荒ぶる神の抱擁を　受けしその身には

(おにがすまうかじゃがすまうかまいおちるがけのそこで)

鬼が棲まうか蛇が棲まうか　舞い墜ちる崖の底で

(たっとぶめいはてんにありきみよみちるまで)

尊ぶ命は天に有り　君よ満ちるまで

(よわさいかりつよさいたみ)

弱さ　怒り　強さ　痛み

(ありとあらゆるものそのすべてをのみこめ)

ありとあらゆるもの　そのすべてを呑み込め

(まぶたをこじあけふたたびであおうが)

眼蓋(まぶた)を抉じ開け　再び出逢おうが

(もうおんなじゆめにはよえるはずもないだろう？)

もう同(おんな)じ夢には　酔えるはずもないだろう？

(いくどほうむればきがすもうるいるいたるしかばねをふみ)

幾度葬れば気が済もう　累々たる屍を踏み

(つながっているなどおろかしいさっかく)

繋がっているなど　愚かしい錯覚

(ことばはうそをつきてはあせにほどける)

言葉は嘘をつき　手は汗に解(ほど)ける

(ひとりでいるほどしっこくのやみはにごらずにうつくしや)

独りでいるほど　漆黒の闇は濁らずに美しや

(なにをしんじずもいきられる)

何を信じずも生きられる

(うわべのやさしさよりけんをみせろ)

うわべの優しさより　剣を見せろ

(あらぶるかみのほうこうをおうそのくちびる)

荒ぶる神の咆哮を　追うその脣

(まそかがみとげどこころにはまだあいのすがたなくば)

真十鏡(まそかがみ)磨げど心には　未だ愛の姿なくば

(せつぼうするはしんじつきみがにぎるまで)

切望するは真実　君が握るまで

(せいもあくもきよらみだら)

正も　悪も　清ら　猥ら

(さだまりきらぬものそのすべてをおさめよ)

定まりきらぬもの　そのすべてを収めよ

(あしをとるしげみいしにつまずけど)

足を取る茂み　石に躓けど

(きみがとおったあとにできるがけものみち)

君が通った後に　出来るが獣路

(ひとりでだくのはほしがちるはがれたよるのかけらだろう)

ひとりで抱くのは星が散る　剥がれた夜の欠片だろう

(だれをまたずともあすはくる)

誰を待たずとも未来(あす)は来る

(むいみなさびしさというたてをはずせ)

無意味な寂しさという　盾を外せ

(はかいのかみのといきからひとはうまれおち)

破壊の神の吐息から　人は生まれ落ち

(もつははんにゃかしゅらのかおかまだみえぬおのれのかげ)

持つは般若か修羅の貌(かお)か　まだ見えぬ己の影

(ぜつぼうあれどもせつなきみはかわりゆく)

絶望あれども刹那　君は変わりゆく

(うばいまとういのれのろえ)

奪い　纏う　祈れ　呪え

(いきるひびはらんせうけてたつこそさだめ)

生きる日々は乱世　受けて立つこそ運命(さだめ)

(いきいそげしぬために)

生キ急ゲ　死ヌタメニ

(たましいのとうとさよきみがむねはてんしゅ)

魂ノ貴サヨ　君ガ胸ハ天守

(あらぶるかみのほうようをうけしそのみには)

荒ぶる神の抱擁を　受けしその身には

(おにがすまうかじゃがすまうかまいおちるがけのそこで)

鬼が棲まうか蛇が棲まうか　舞い墜ちる崖の底で

(たっとぶめいはてんにありきみよみちるまで)

尊ぶ命は天に有り　君よ満ちるまで

(あらぶるかみのほうこうをおえそのからだで)

荒ぶる神の咆哮を　追え　その肉体(からだ)で

(よわさいかりつよさいたみ)

弱さ　怒り　強さ　痛み

(ありとあらゆるものそのすべてをのみこめ)

ありとあらゆるもの　そのすべてを呑み込め