阿修羅姫

(あしゅらしゅらのまいこのてをとって)

阿修羅修羅の舞　この手を取って

(あなたがすきだといってるじゃない)

あなたが好きだと言ってるじゃない

(しょぎょうむじょううつろいゆくうきよ)

諸行無常　移ろいゆく浮世

(ひとのこころとどまらぬとしてもうらみざらまし)

人の心　留まらぬとしても　恨ミザラマシ

(さいごのしゅんかんにあなたのめみつめられるなら)

最期の瞬間に　あなたの瞳(め)　見つめられるなら

(おかすつみのこさずじごくのかみにゆるしをこおう)

侵す罪残さず　地獄の神に赦しを乞おう

(あやめあうようにもとめてはいけないでしょうか)

殺め合うように　求めてはいけないでしょうか

(むねふかくささったかなしみのつるぎ)

胸深く刺さった　哀しみの剣(つるぎ)

(せんけつのヴぃーなすすはだにまとうのは)

鮮血のヴィーナス　素肌に鎧(まと)うのは

(きんらんのよろいよりもうつくしいあいというきずあと)

金襴の鎧よりも美しい　愛と云う傷跡

(あしゅらしゅらのうたあらしのこえが)

阿修羅修羅の詠(うた)　嵐の声が

(こいしいなまえをさけびつづける)

恋しい名前を叫びつづける

(やしゃはんにゃのかおはなのかんばせ)

夜叉般若の面(かお)　華の貌(かんばせ)

(あなたにあうのはどっちのわたしみもこがれつつ)

あなたに逢うのはどっちの私　身モコガレツツ

(このおもいだけはけしてけがれぬように)

この想いだけは　けして穢れぬように

(わざわいのゆめをくらいつちのそこにはらんで)

禍(わざわい)の夢を　仄(くら)い土の底に孕んで

(ときみちるおんなはあかいこくりこくるいざくでしょ)

刻(とき)満ちる女は　赤い雛罌粟(コクリコ)　狂い咲くでしょ

(いのちそぐようにあいしたのはさだめでしょうか)

命削ぐように　愛したのは運命(さだめ)でしょうか

(まじわったえにしのゆびきるあやとり)

交わった縁(えにし)の　指切る綾取り

(てんしょうのヴぃーなすうまれおちたばしょは)

転生のヴィーナス　生まれ落ちた場所は

(このちじょうのどこよりもはてないあいというせんじょう)

この地上の何処よりも果てない　愛という戦場

(あしゅらしゅらのまいかみをほどいて)

阿修羅修羅の舞　髪を解いて

(あなたがほしいといってるじゃない)

あなたが欲しいと言ってるじゃない

(しょぎょうむじょううつろいゆくうきよ)

諸行無常　移ろいゆく浮世

(ねてもめざめてもうたかたのひびたまぞちりける)

寝ても目覚めても泡沫(うたかた)の日々　玉ゾ散リケル

(なにがいちばんとうといことかをおしえて)

何がいちばん　尊いことかを教えて

(あしゅらしゅらのまいあしをからめて)

阿修羅修羅の舞　脚を絡めて

(もうあなたをだれにもわたさない)

もうあなたを誰にも渡さない

(ちみもうりょうむまはんでみつむし)

魑魅魍魎　夢魔食(むまは)んで蜜蟲

(おちるところまでおちてうつせみみのいたづらに)

堕ちる処(ところ)まで堕ちて空蝉　身ノイタヅラニ

(あしゅらしゅらのうたあらしをこえて)

阿修羅修羅の詠(うた)　嵐を越えて

(こいしいなまえをさけびつづけて)

恋しい名前を　叫び続けて

(やしゃはんにゃのかおはなのかんばせ)

夜叉般若の面(かお)　華の貌(かんばせ)

(あなたがあうのはどっちのわたしみもこがれつつ)

あなたが逢うのはどっちのわたし　身モコガレツツ

(このおもいだけをだいていきてゆくだけ)

この想いだけを抱いて　生きて行くだけ