『猿かに合戦』楠山正雄2【完】
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問題文
(さるがいってしまったあと、そのときちょうどうらのおがわへ)
サルが行ってしまったあと、そのときちょうど裏の小川へ
(ともだちとあそびにいっていたこがにが、かえってきました。)
友達と遊びに行っていた子ガニが、帰ってきました。
(こがにがかきのきのしたをみてみると、)
子ガニが柿の木の下を見てみると、
(おやがにはこうらをくだかれて、しんでおりました。)
親ガニは甲羅をくだかれて、死んでおりました。
(こがにはびっくりして、しくしくなきだしました。)
子ガニはびっくりして、シクシク泣きだしました。
(なきながら、「いったいだれがこんなひどいことをしたのだろう」とおもって)
泣きながら、「一体だれがこんなひどいことをしたのだろう」と思って
(よくみてみますと、さっきまであれほどみごとになっていた)
よく見てみますと、さっきまであれ程見事になっていた
(かきがきれいになくなって、あおくてしぶいかきばかりがのこっていました。)
柿がきれいになくなって、青くて渋い柿ばかりが残っていました。
(「これは、さるのやつがころして、かきをとっていったのだな」と、)
「これは、サルのやつが殺して、柿を取っていったのだな」と、
(かにはくやしがって、またしくしくなきだしました。)
カニはくやしがって、またシクシク泣きだしました。
(するとそこへくりがぽんとはねてきて、)
するとそこへ栗がポンと跳ねて来て、
(「かにさん、かにさん、なぜなくの」とききました。)
「カニさん、カニさん、なぜ泣くの」と聞きました。
(こがには、さるがおやがにをころしたから、かたきをうちたいといいますと、)
子ガニは、サルが親ガニを殺したから、かたきを討ちたいと言いますと、
(くりは「にくいさるだ。よしよし、おじさんが)
栗は「にくいサルだ。よしよし、おじさんが
(かたきをとってやるから、おなきでない」といいました。)
かたきをとってやるから、お泣きでない」と言いました。
(それでもこがにがないていますと、)
それでも子ガニが泣いていますと、
(こんどははちがぶーんとうなってきて、)
今度は蜂がブーンとうなって来て、
(「かにさん、かにさん、なぜなくの」とききました。)
「カニさん、カニさん、なぜ泣くの」と聞きました。
(こがには、さるがおやがにをころしたから、かたきをうちたいといいました。)
子ガニは、サルが親ガニを殺したから、かたきを討ちたいと言いました。
(するとはちも「にくいさるだ。よしよし、おじさんが)
すると蜂も「にくいサルだ。よしよし、おじさんが
(かたきをとってやるから、おなきでない」といいました。)
かたきをとってやるから、お泣きでない」と言いました。
(それでもこがにがまだないていますと、)
それでも子ガニがまだ泣いていますと、
(こんどはこんぶがのろのろすべってきて、)
今度は昆布がノロノロすべって来て、
(「かにさん、かにさん、なぜなくの」とききました。)
「カニさん、カニさん、なぜ泣くの」と聞きました。
(こがには、さるがおやがにをころしたから、かたきをうちたいといいました。)
子ガニは、サルが親ガニを殺したから、かたきを討ちたいと言いました。
(するとこんぶも「にくいさるだ。よしよし、おじさんが)
すると昆布も「にくいサルだ。よしよし、おじさんが
(かたきをとってやるから、おなきでない」といいました。)
かたきをとってやるから、お泣きでない」と言いました。
(それでもこがにがまだないていますと、)
それでも子ガニがまだ泣いていますと、
(こんどはうすがころころころがってきて、)
今度はウスがコロコロ転がって来て、
(「かにさん、かにさん、なぜなくの」とききました。)
「カニさん、カニさん、なぜ泣くの」と聞きました。
(こがには、さるがおやがにをころしたから、かたきをうちたいといいました。)
子ガニは、サルが親ガニを殺したから、かたきを討ちたいと言いました。
(するとうすも「にくいさるだ。よしよし、おじさんが)
するとウスも「にくいサルだ。よしよし、おじさんが
(かたきをとってやるから、おなきでない」といいました。)
かたきをとってやるから、お泣きでない」と言いました。
(こがには、これですっかりなきやみました。)
子ガニは、これですっかり泣きやみました。
(くりとはちとこんぶとうすとがあつまり、かたきうちのそうだんをはじめました。)
栗と蜂と昆布とウスとが集まり、かたき討ちの相談を始めました。
(そうだんがやっとまとまると、うすとこんぶとはちとくりは、)
相談がやっとまとまると、ウスと昆布と蜂と栗は、
(こがにをつれてさるのうちへでかけていきました。)
子ガニを連れてサルのうちへ出かけていきました。
(さるは、たくさんかきをたべたので、おなかがくるしくなって、)
サルは、たくさん柿を食べたので、お腹が苦しくなって、
(すこしでもおなかをちいさくするために、やまへでもあそびにいったとみえて、)
少しでもお腹を小さくするために、山へでも遊びに行ったとみえて、
(うちには、いませんでした。)
うちには、いませんでした。
(「ちょうどいい。このあいだに、みんなでうちのなかにかくれて、)
「ちょうどいい。このあいだに、みんなでうちの中に隠れて、
(まっていよう」とうすがいいますと、みんなはさんせいして、)
待っていよう」とウスが言いますと、みんなは賛成して、
(いちばんにくりが、「わたしはここにかくれよう」といって、)
いちばんに栗が、「私はここに隠れよう」と言って、
(いろりのはいのなかに、もぐりこみました。)
囲炉裏の灰の中に、もぐりこみました。
(「わたしはここだよ」といいながら、はちはみずがめのなかにかくれました。)
「私はここだよ」と言いながら、蜂は水がめの中に隠れました。
(「わたしはここさ」と、こんぶはとびらのしたにながながとねそべりました。)
「私はここさ」と、昆布は扉の下に長々と寝そべりました。
(「じゃあ、わたしはここにのっていよう」と、うすはいって、)
「じゃあ、私はここに乗っていよう」と、ウスは言って、
(とびらのうえにはいあがりました。)
扉の上に這い上がりました。
(ゆうがたになって、さるはつかれて、そとからかえってきました。)
夕方になって、サルは疲れて、外から帰ってきました。
(そしていろりのそばへどっかりすわりこんで、)
そして囲炉裏のそばへドッカリ座りこんで、
(「ああ、のどがかわいた」といいながら、)
「ああ、のどが渇いた」と言いながら、
(いきなりやかんにてをかけますと、)
いきなりヤカンに手をかけますと、
(はいのなかにかくれていたくりがぽんとはねだして、)
灰の中に隠れていた栗がポンと跳ねだして、
(とびあがって、さるのはなをちからまかせにけりつけました。)
跳び上がって、サルの鼻を力まかせに蹴りつけました。
(「あつい」と、さるはさけんで、あわててはなをおさえて、だいどころへかけだしました。)
「熱い」と、サルは叫んで、慌てて鼻をおさえて、台所へ駆けだしました。
(そしてやけどをひやそうとおもって、みずがめをのぞきますと、)
そしてヤケドを冷やそうと思って、水がめをのぞきますと、
(なかからはちがぶーんととびだして、さるのめのうえをいやというほど、さしました。)
中から蜂がブーンと飛びだして、サルの目の上をいやという程、刺しました。
(「いたい」と、さるはさけんで、またあわててそとへにげだしました。)
「痛い」と、サルは叫んで、また慌てて外へ逃げだしました。
(にげだすひょうしに、とびらのしたでねていたこんぶに)
逃げだすひょうしに、扉の下で寝ていた昆布に
(つるりとすべって、はらばいにたおれました。)
ツルリとすべって、腹ばいに倒れました。
(そのうえにうすが、どさりところげおちてきて、おもしになってしまいました。)
その上にウスが、ドサリと転げ落ちてきて、おもしになってしまいました。
(さるは、あかいかおをありったけにあかくして、くるしがって、)
サルは、赤い顔をありったけに赤くして、苦しがって、
(うんうんうなりながら、てあしをばたばたしていました。)
ウンウンうなりながら、手足をバタバタしていました。
(そのとき、おにわのすみからこがにがちょろちょろはいだしてきて、)
そのとき、お庭のすみから子ガニがチョロチョロ這いだしてきて、
(「おやのかたきだ」といいながら、はさみをふりあげて、)
「親のかたきだ」と言いながら、ハサミをふり上げて、
(さるのくびを、ちょきんとはさみできってしまいました。)
サルの首を、チョキンとハサミで切ってしまいました。