『カエルの王さま』グリム2【完】

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プレイ回数760難易度(4.3) 4339打 長文
醜いカエルが美しい王子になり、お姫さまと結ばれる話
※分かりやすくする為、表記等を一部改変しております

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https://typing.twi1.me/game/310434

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問題文

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(「それはね、おとうさま。きのう、あたしがもりのなかのいずみのそばにすわって、)

「それはね、お父さま。昨日、あたしが森の中の泉のそばに座って、

(あそんでいたら、きんいろのまりがみずのなかにおちてしまったの。)

遊んでいたら、金色のマリが水の中に落ちてしまったの。

(それで、あたしがないていると、かえるがでてきて、)

それで、あたしが泣いていると、カエルが出てきて、

(まりをとってきてくれたの。そのとき、かえるがあまりにもたのむから、)

マリを取ってきてくれたの。そのとき、カエルがあまりにも頼むから、

(じゃあ、おともだちにしてあげるわって、やくそくしちゃったのよ。)

じゃあ、お友だちにしてあげるわって、約束しちゃったのよ。

(だって、まさかかえるがみずのなかから、まりをみつけてくるとは)

だって、まさかカエルが水の中から、マリを見つけて来るとは

(おもわなかったんですもの。それでね、いま、あのとおりやってきて、)

思わなかったんですもの。それでね、今、あのとおりやって来て、

(なかへいれてくれっていってるのよ」)

中へいれてくれって言ってるのよ」

(そのとき、またとをたたくおとがして、おおきなこえがしました。)

そのとき、また戸を叩く音がして、大きな声がしました。

(「いちばんしたのおひめさま、どうかあけてくださいな。)

「一番下のお姫さま、どうかあけてくださいな。

(すずしいいずみのかたわらで、きのう、やくそくしたことを)

涼しい泉のかたわらで、昨日、約束したことを

(あなたはわすれちゃいないでしょう。)

あなたは忘れちゃいないでしょう。

(いちばんしたのおひめさま、どうかあけてくださいな」)

一番下のお姫さま、どうかあけてくださいな」

(それをききますと、おうさまはいいました。)

それを聞きますと、王さまは言いました。

(「いちどやくそくしたことは、かならずまもらなければいけないよ。)

「一度約束したことは、必ず守らなければいけないよ。

(さあ、はやくいって、あけておやり」)

さあ、早く行って、あけておやり」

(おひめさまはたっていって、とをあけてやりました。)

お姫さまは立って行って、戸をあけてやりました。

(とたんに、かえるはぴょんととびこんできて、)

とたんに、カエルはピョンと跳びこんできて、

(それからずっとおひめさまのあしもとにくっついて、いすのところまできました。)

それからずっとお姫さまの足元にくっついて、イスの所まで来ました。

(かえるはそこにすわりこんで、)

カエルはそこに座りこんで、

など

(「わたしも、そのいすのうえにあげてください」といいました。)

「私も、そのイスの上にあげてください」と言いました。

(ところが、おひめさまは、ぐずぐずしていたものですから、)

ところが、お姫さまは、ぐずぐずしていたものですから、

(とうとうおうさまから、そうしておやり、といわれてしまいました。)

とうとう王さまから、そうしておやり、と言われてしまいました。

(かえるはいすのうえにのせてもらいますと、)

カエルはイスの上に乗せてもらいますと、

(こんどは、しょくたくのうえにのせてくれ、といいだしました。)

今度は、食卓の上に乗せてくれ、と言いだしました。

(そうして、しょくたくのうえにのせてもらいますと、)

そうして、食卓の上に乗せてもらいますと、

(「そのしょくたくのおさらのものを、ふたりでいっしょにたべられるように、)

「その食卓のお皿のものを、二人で一緒に食べられるように、

(もっとこっちへよこしてください」といいました。)

もっとこっちへ寄こしてください」と言いました。

(おひめさまは、そのとおりにしてやりましたが、)

お姫さまは、そのとおりにしてやりましたが、

(いやでいやで、たまらないようすです。)

嫌で嫌で、たまらない様子です。

(かえるは、いかにもおいしそうにたべていましたが、)

カエルは、いかにもおいしそうに食べていましたが、

(おひめさまのほうは、ひとくちごとに、のどにつかえるようなおもいでした。)

お姫さまのほうは、一口ごとに、のどにつかえるような思いでした。

(かえるはたべるだけたべてしまいますと、)

カエルは食べるだけ食べてしまいますと、

(「ああ、おなかいっぱいになって、くたびれてしまいました。)

「ああ、お腹いっぱいになって、くたびれてしまいました。

(さあ、わたしをあなたのおへやへつれていってください。)

さあ、私をあなたのお部屋へ連れて行ってください。

(そうして、ふたりでねられるように、)

そうして、二人で寝られるように、

(あなたのかわいらしいきぬのべっどを、きちんとなおしてください」といいました。)

あなたの可愛らしい絹のベッドを、きちんと直してください」と言いました。

(とうとう、おひめさまはなきだしてしまいました。)

とうとう、お姫さまは泣きだしてしまいました。

(むりもありません。さわるのさえきみのわるい、つめたいかえるが、)

無理もありません。さわるのさえ気味の悪い、冷たいカエルが、

(こんどはじぶんのきれいなべっどのなかに、ねたいなんていうんですもの。)

今度は自分のきれいなベッドの中に、寝たいなんて言うんですもの。

(おひめさまは、すっかりこわくなってしまったのです。)

お姫さまは、すっかり怖くなってしまったのです。

(けれども、おうさまはおこって、こういいました。)

けれども、王さまは怒って、こう言いました。

(「こまっているときに、たすけてくれたものを、)

「困っているときに、助けてくれたものを、

(あとになってしらんかおをするのは、いけないよ」)

あとになって知らん顔をするのは、いけないよ」

(そこで、おひめさまはしかたなしに、かえるをにほんのゆびでつまんで、)

そこで、お姫さまは仕方なしに、カエルを二本の指でつまんで、

(にかいのおへやにつれていって、すみっこにおきました。)

二階のお部屋に連れて行って、すみっこに置きました。

(そうして、おひめさまがべっどのなかによこになりますと、)

そうして、お姫さまがベッドの中に横になりますと、

(またもやかえるがはいだしてきて、)

またもやカエルが這い出して来て、

(「ああ、くたびれました。わたしもあなたのように、らくにねたいですよ。)

「ああ、くたびれました。私もあなたのように、楽に寝たいですよ。

(さあ、わたしをそこにあげてください。もし、そうしてくださらないと、)

さあ、私をそこにあげてください。もし、そうしてくださらないと、

(おとうさまにいいつけますよ」といいました。)

お父さまに言いつけますよ」と言いました。

(それをきくと、おひめさまはほんとうにおこってしまいました。)

それを聞くと、お姫さまは本当に怒ってしまいました。

(そして、いきなりかえるをつかみあげると、)

そして、いきなりカエルをつかみあげると、

(ありったけのちからをこめて、かべにたたきつけました。)

ありったけの力をこめて、壁に叩きつけました。

(「これで、らくにねむれるわよ。ほんとに、いやらしいかえるだこと」)

「これで、楽に眠れるわよ。ほんとに、いやらしいカエルだこと」

(ところがどうでしょう。かえるがしたにおちたときには、)

ところがどうでしょう。カエルが下に落ちたときには、

(もうかえるではなくなって、うつくしくやさしいめをした、)

もうカエルではなくなって、美しく優しい目をした、

(おうじにかわっていました。おうじは、おひめさまのおとうさまのはからいで、)

王子に変わっていました。王子は、お姫さまのお父さまのはからいで、

(おひめさまとなかよしになり、おむこさまになりました。)

お姫さまと仲良しになり、お婿さまになりました。

(そこで、おうじはじぶんのみのうえばなしをしました。)

そこで、王子は自分の身の上話をしました。

(そのはなしによりますと、おうじは、あるわるいまじょに)

その話によりますと、王子は、ある悪い魔女に

(まほうをかけられたのですが、それをあのいずみからすくいだしてくれたのは、)

魔法をかけられたのですが、それをあの泉から救いだしてくれたのは、

(おひめさまだけだったというはなしでした。)

お姫さまだけだったという話でした。

(そして、おうじは「あした、ふたりでぼくのくにへいきましょう」といいました。)

そして、王子は「明日、二人で僕の国へ行きましょう」と言いました。

(そのばんは、ふたりともゆっくりやすみました。)

その晩は、二人ともゆっくりやすみました。

(あくるあさ、おひさまがふたりをおこすころ、)

あくる朝、お日さまが二人を起こす頃、

(しろいうまにひかれた、いちだいのばしゃがやってきました。)

白い馬にひかれた、一台の馬車がやってきました。

(どのうまも、あたまにしろいだちょうのはねをつけて、きんいろのくさりでつながれていました。)

どの馬も、頭に白いダチョウの羽をつけて、金色の鎖でつながれていました。

(そしてばしゃのうしろには、わかいおうさまのけらいがたっていました。)

そして馬車のうしろには、若い王さまの家来が立っていました。

(それは、ちゅうじつなけらいのはいんりっひでした。)

それは、忠実な家来のハインリッヒでした。

(このちゅうじつなけらいのはいんりっひは、)

この忠実な家来のハインリッヒは、

(ごしゅじんがかえるにされたとき、それはそれはかなしみました。)

ご主人がカエルにされたとき、それはそれは悲しみました。

(そしてそのかなしみのあまり、じぶんのむねがはれつしてしまわないようにと、)

そしてその悲しみのあまり、自分の胸が破裂してしまわないようにと、

(てつのわをさんぼん、むねにはめたのでした。)

鉄の輪を三本、胸にはめたのでした。

(ところで、このばしゃは、わかいおうさまをくにへおつれする、)

ところで、この馬車は、若い王さまを国へお連れする、

(おむかえのくるまだったのです。ちゅうじつなけらいのはいんりっひは、)

お迎えの車だったのです。忠実な家来のハインリッヒは、

(おふたりをばしゃにのせてから、じぶんはうしろにのりました。)

お二人を馬車に乗せてから、自分はうしろに乗りました。

(そして、ごしゅじんがたすかったことを、こころのそこからよろこんでいました。)

そして、ご主人が助かったことを、心の底から喜んでいました。

(ばしゃがしばらくはしっていきますと、わかいおうさまのうしろのほうで、)

馬車がしばらく走っていきますと、若い王さまのうしろのほうで、

(なにかぱちんとわれるようなおとがしました。)

なにかパチンと割れるような音がしました。

(そこで、わかいおうさまがうしろをふりかえって、おおごえでいいました。)

そこで、若い王さまがうしろを振り返って、大声で言いました。

(「はいんりっひ、ばしゃがこわれるぞ」)

「ハインリッヒ、馬車が壊れるぞ」

(「いえいえ、おとのさま、ばしゃではございません。)

「いえいえ、お殿さま、馬車ではございません。

(あれは、せっしゃのねっくれすです。)

あれは、せっしゃのネックレスです。

(おとのさまがかえるになったとき、いずみにしずんでいかれたとき、)

お殿さまがカエルになったとき、泉に沈んでいかれたとき、

(かなしみ、なげいて、はめた、せっしゃのねっくれすです」)

悲しみ、嘆いて、はめた、せっしゃのネックレスです」

(けれども、もういちど、またもういちど、ぱちんというおとがしました。)

けれども、もう一度、またもう一度、パチンという音がしました。

(そのたびに、わかいおうさまは、ばしゃがこわれるのではないかとおもいました。)

その度に、若い王さまは、馬車が壊れるのではないかと思いました。

(でもそれは、やっぱり、ちゅうじつなけらいのはいんりっひのむねからとびちる、)

でもそれは、やっぱり、忠実な家来のハインリッヒの胸から飛び散る、

(ねっくれすのおとでした。それというのも、だいじなごしゅじんがたすかって、)

ネックレスの音でした。それというのも、大事なご主人が助かって、

(これからしあわせなまいにちをおくるであろうことを、そうぞうしたからです。)

これから幸せな毎日を送るであろうことを、想像したからです。

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