天譴と超克

(そらをさきはしるせんこうのやは)

空を裂き走る閃光の矢は

(てんのはなったなぐさみとなろう)

天の放った慰みとなろう

(またたくまぶたにほんとうのこうけいを)

瞬く瞼に　真実(ほんとう)の光景を

(うつさぬまま)

映さぬまま

(かわされながれる)

交(か)わされ流れる

(あわれみとなみだになにがやどる)

哀れみと涙に　何が宿る

(きずついていないあし)

傷付いていない足

(だいちをかけてゆく)

大地を駆けてゆく

(さしのべるためのうで)

差し伸べるための腕

(まだだれかへととどく)

まだ誰かへと届く

(このみにくいよにうまれたことを)

このみにくい世に生まれたことを

(いつかのこれるほこりとするため)

いつか残れる誇りとするため

(おのれはおのれであり)

己は己であり

(むれのなかでもまようことなかれきみ)

群れの中でも　迷うことなかれ君

(ながれにさからえども)

流れに逆らえども

(ひとがあらわれるはるかなるかこ)

人類(ひと)が現れる遥かなる過去

(しんだほしのひかりがいまおちる)

死んだ星の光が　いま墜ちる

(うみやまもりとかぜとともにめざめた)

海山森と風と　共に目覚めた

(ことばもうたももたぬ)

言葉も歌も持たぬ

(はじまりのときのように)

原始(はじまり)の時のように

(おそれなきしずか)

恐れなき静か

(うつくしいせかいのれいめい)

美しい世界の黎明(れいめい)

(がっしょうのように)

合唱のように

(となえられるあいのうすらさむさ)

唱えられる愛の　薄ら寒さ

(ひとはあやまったいきものではないと)

人は誤った　生き物ではないと

(いいきれるのか)

言い切れるのか

(まもられるためのたて)

守られるための盾

(それだけではたりず)

それだけでは足りず

(さつりくのためのぶき)

殺戮のための武器

(りょうほうかかえている)

両方抱えている

(このみにくいよでであえたことを)

このみにくい世で出逢えたことを

(みらいにむけたいのりとするなら)

未来に向けた祈りとするなら

(われらはわれらであり)

我らは我らであり

(こどくのはてもわすることなかれきみ)

孤独の果ても　忘(わす)ることなかれ君

(あすはとおくにあれど)

明日(あす)は遠くにあれど

(そらをさきはしるせんこうのやが)

空を裂き走る閃光の矢が

(てんのはなったいかりになろうと)

天の放った怒りになろうと

(やみをもたぬうちゅうのそのかたすみで)

闇を持たぬ宇宙の　その片隅で

(めくるめくめつぼうはおわりのときではなく)

めくるめく滅亡は　終わりの時ではなく

(すべてのはじまり)

すべての最初(はじまり)

(うつくしいせかいのさいらい)

美しい世界の再来

(このみにくいよにうまれたことを)

このみにくい世に生まれたことを

(いつかのこれるほこりとするため)

いつか残れる誇りとするため

(おのれはおのれであり)

己は己であり

(むれのなかでもまようことなかれきみ)

群れの中でも　迷うことなかれ君

(ながれにさからえども)

流れに逆らえども

(ひとがあらわれるはるかなるかこ)

人類(ひと)が現れる遥かなる過去

(しんだほしのひかりがいまおちる)

死んだ星の光が　いま墜ちる

(うみやまもりとかぜとともにめざめた)

海山森と風と　共に目覚めた

(ことばもうたももたぬ)

言葉も歌も持たぬ

(はじまりのときのように)

原始(はじまり)の時のように

(おそれなきしずか)

恐れなき静か

(うつくしいせかいのれいめい)

美しい世界の黎明(れいめい)