『死神の名づけ親』グリム1
※分かりやすくする為、表記等を一部改変しております
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | baru | 4262 | C+ | 4.8 | 89.8% | 731.9 | 3517 | 397 | 66 | 2024/12/10 |
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問題文
(びんぼうなおとこに、こどもがじゅうににんおりました。)
貧乏な男に、子どもが十二人おりました。
(そのこどもたちにぱんをたべさせるために、おとこは、いやおうなしに、)
その子どもたちにパンを食べさせるために、男は、いやおうなしに、
(ちゅうやなくはたらきつづけました。そこへじゅうさんにんめのこがうぶごえをあげたものですが、)
昼夜なく働き続けました。そこへ十三人目の子が産声をあげたものですが、
(こまってばかりいてもどうにもならず、いちばんはじめにばったりでくわしたものを)
こまってばかりいてもどうにもならず、一番初めにバッタリでくわした者を
(なづけおやにたのんでやれとおもって、おおどおりへとびだしました。)
名づけ親に頼んでやれと思って、大通りへとびだしました。
(おとこにでくわしたはじめてのもの、それはかみさまでした。)
男に出くわした初めての者、それは神さまでした。
(かみさまには、おとこのくよくよおもってることがちゃんとおわかりですから、)
神さまには、男のくよくよ思ってることがちゃんとおわかりですから、
(「かわいそうに。きのどくなひとだね。)
「かわいそうに。気の毒な人だね。
(わしが、おまえのこどもにせんれいをさずけてあげよう。)
わしが、おまえの子どもに洗礼をさずけてあげよう。
(そのこどものめんどうをみて、このよでこうふくなものにしてあげよう」と、)
その子どもの面倒をみて、この世で幸福な者にしてあげよう」と、
(おおせになりました。「どなたですか、あなたは」と、おとこがいいました。)
仰せになりました。「どなたですか、あなたは」と、男が言いました。
(「わしは、かみさまだよ」)
「わしは、神さまだよ」
(「それでは、あなたをなづけおやにおねがいするのは、やめる」と、)
「それでは、あなたを名づけ親にお願いするのは、やめる」と、
(おとこがいいました。「あなたは、おかねもちにゃものをおやりになって、)
男が言いました。「あなたは、お金持ちにゃ物をおやりになって、
(びんぼうにんにははらがへってもしらんかおをしていなさる」)
貧乏人には腹がへっても知らん顔をしていなさる」
(おとこは、かみさまがとみとびんぼうを、おおきなめでごらんになって、)
男は、神さまが富と貧乏を、大きな目でごらんになって、
(うまくぶんぱいなさっているのがわからないものですから、)
うまく分配なさっているのがわからないものですから、
(こんなくちをきいたのです。こんなわけで、おとこはかみさまにせなかをむけて、)
こんな口をきいたのです。こんなわけで、男は神さまに背中をむけて、
(すたすたあるいていきました。)
スタスタ歩いて行きました。
(そこへあくまがやってきて、「なにをさがしてるんだ。)
そこへ悪魔がやってきて、「なにをさがしてるんだ。
(おいらをおまえのこどものなづけおやにすれば、)
おいらをおまえの子どもの名づけ親にすれば、
(こどもにきんかをしこたまやったうえに、)
子どもに金貨をしこたまやったうえに、
(よのなかのかいらくってえかいらくをひとつのこらずさせてやるがなあ」といいました。)
世の中の快楽ってえ快楽を一つ残らずさせてやるがなあ」と言いました。
(「どなたですか、あなたは」と、おとこがきいてみました。)
「どなたですか、あなたは」と、男がきいてみました。
(「おいらは、あくまだよ」)
「おいらは、悪魔だよ」
(「それでは、あなたをなづけおやにおねがいするのは、やめる」と、)
「それでは、あなたを名づけ親にお願いするのは、やめる」と、
(おとこがいいました。「あなたは、にんげんをだましたり、そそのかしたりしますね」)
男が言いました。「あなたは、人間をだましたり、そそのかしたりしますね」
(それからまた、すたすたあるいていくと、かさかさになったほねばかりのしにがみが、)
それからまた、スタスタ歩いて行くと、カサカサになった骨ばかりの死神が、
(つかつかとやってきて、「わしをなづけおやにしなよ」といいました。)
ツカツカとやってきて、「わしを名づけ親にしなよ」と言いました。
(「どなたですか、あなたは」と、おとこがきいてみました。)
「どなたですか、あなたは」と、男がきいてみました。
(「わしは、だれでもかれでもいちようにするしにがみさ」)
「わしは、だれでもかれでも一様にする死神さ」
(これをきくと、おとこは、「あなたならば、おあつらえむきだ。)
これを聞くと、男は、「あなたならば、おあつらえむきだ。
(あなたは、おかねもちでもびんぼうにんでも、さべつなしにさらっていきますね。)
あなたは、お金持ちでも貧乏人でも、差別なしにさらっていきますね。
(あなたを、こどものなづけおやにおねがいしましょう」といいました。)
あなたを、子どもの名づけ親にお願いしましょう」と言いました。
(しにがみは、「わしはな、おまえのこどもをおかねもちにするし、)
死神は、「わしはな、おまえの子どもをお金持ちにするし、
(ゆうめいなひとにもしてあげる。わしをともだちにするものなら、)
有名な人にもしてあげる。わしを友だちにするものなら、
(だれにでもそうしてやるきまりなのさ」とこたえました。)
だれにでもそうしてやるきまりなのさ」と答えました。
(おとこは、「このつぎのにちようびがせんれいです。)
男は、「この次の日曜日が洗礼です。
(こくげんをみはからって、いらしてください」といいました。)
刻限をみはからって、いらしてください」と言いました。
(しにがみは、やくそくどおりに、ふらりとすがたをみせて、)
死神は、約束通りに、フラリと姿を見せて、
(いかにもかたぐるしくなづけおやのやくをつとめました。)
いかにも堅苦しく名づけ親の役をつとめました。
(このおとこのこがおおきくなってからのこと、)
この男の子が大きくなってからのこと、
(あるときなづけおやがはいってきて、「わしについておいで」といいました。)
あるとき名づけ親が入って来て、「わしについておいで」と言いました。
(なづけおやは、このおとこをこうがいのもりのなかへつれこむと、)
名づけ親は、この男を郊外の森の中へつれこむと、
(そこにはえているやくそうをおしえて、「いよいよ、なづけおやとしてのわしのおくりものを)
そこに生えている薬草を教えて、「いよいよ、名づけ親としてのわしの贈り物を
(おまえにあげるときがきた。わしは、おまえをひょうばんのいしゃにしてあげる。)
おまえにあげる時がきた。わしは、おまえを評判の医者にしてあげる。
(おまえがびょうにんのとこへよばれるときには、そのたんびにわしがすがたをみせる。)
おまえが病人のとこへ呼ばれるときには、そのたんびにわしが姿を見せる。
(で、わしがな、びょうにんのあたまのほうにたっていたら、)
で、わしがな、病人の頭の方に立っていたら、
(このごびょうにんはきっとなおしてあげますと、りっぱにいいきるがよい。)
この御病人はきっとなおしてあげますと、りっぱに言いきるがよい。
(そうしておいて、びょうにんにおまえのやくそうをのませれば、そのびょうにんはなおる。)
そうしておいて、病人におまえの薬草を飲ませれば、その病人はなおる。
(だが、わしがびょうにんのあしのほうにたっていたら、びょうにんは、わしのものだよ。)
だが、わしが病人の足のほうに立っていたら、病人は、わしのものだよ。
(おまえはな、「これはてのつくしようがござらぬ、)
おまえはな、「これは手のつくしようがござらぬ、
(このごびょうにんをすくういしゃはせかいにひとりもござらぬ」というのだぞ。)
この御病人を救う医者は世界に一人もござらぬ」と言うのだぞ。
(とにかくこのやくそうを、わしのいしにそむいて、もちいてはいけないように、)
とにかくこの薬草を、わしの意志にそむいて、用いてはいけないように、
(よくきをつけろよ。そんなことをしたら、おまえのみにとんでもないことが)
よく気をつけろよ。そんなことをしたら、おまえの身にとんでもないことが
(おこるかもしれないぞ」といいました。)
起こるかもしれないぞ」と言いました。
(やがて、このわかいおとこはせかいじゅうでいちばんなだかいいしゃになりました。)
やがて、この若い男は世界中で一番名高い医者になりました。
(「あのひとは、びょうにんをじろりとみるだけで、これはなおるとか、)
「あの人は、病人をジロリと見るだけで、これはなおるとか、
(これはしぬとか、ようだいがちゃんとわかる」というひょうばんがたって、)
これは死ぬとか、容態がちゃんとわかる」という評判がたって、
(そこいらじゅうからひとがやってくる、びょうにんのところへつれていく、)
そこいら中から人がやって来る、病人の所へ連れて行く、
(そしておかねをたくさんだすので、おとこはたちまちおかねもちになりました。)
そしてお金をたくさんだすので、男はたちまちお金持ちになりました。
(そのうちに、おうさまがびょうきにかかったことがありました。)
そのうちに、王さまが病気にかかったことがありました。
(このいしゃがめしだされて、なおるみこみがあるかどうか、)
この医者が召しだされて、なおる見込みがあるかどうか、
(もうしあげてみろということになったのですが、)
申し上げてみろということになったのですが、
(しんだいのそばへいってみると、しにがみは、びょうにんのあしのほうにたっていました。)
寝台のそばへ行ってみると、死神は、病人の足のほうに立っていました。
(これでは、れいのやくそうも、とてもやくにはたちません。)
これでは、例の薬草も、とても役にはたちません。