お月さまとぞう 【小川未明】
小川未明の小説「お月さまとぞう」です。
青空文庫より。
読みやすさを優先し、原作より漢字をとじてあります。
「」の練習に。
読みやすさを優先し、原作より漢字をとじてあります。
「」の練習に。
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問題文
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(しょうちゃんとよしこさんが、ごもんのところへたらいをだして、みずをいれると、)
正ちゃんとよし子さんが、ご門のところへたらいを出して、水をいれると、
(まんまるなつきのかおがうつって、にこにことわらいました。)
まんまるな月の顔がうつって、にこにことわらいました。
(「さあ、わたしをよくみてください。」と、つきがいいました。)
「さあ、わたしをよく見てください。」と、月がいいました。
(「おおきなおつきさまね。」と、よしこさんがよろこびました。)
「大きなお月さまね。」と、よし子さんが喜びました。
(「あのくろいのがうさぎかしらん。」と、しょうちゃんがあたまをかしげました。)
「あの黒いのがうさぎかしらん。」と、正ちゃんが頭をかしげました。
(「ほんとうのうさぎ?」と、よしこさんがききました。)
「本当のうさぎ?」と、よし子さんがききました。
(「ああ、ぼうえんきょうがあると、よくわかるのだよ。」)
「ああ、望遠鏡があると、よくわかるのだよ。」
(しょうちゃんはあおむいて、おつきさまをながめました。)
正ちゃんはあおむいて、お月さまをながめました。
(「わたし、くびがいたくなるから、おたらいのをみましょうよ。」)
「わたし、首が痛くなるから、おたらいのを見ましょうよ。」
(このとき、あちらががやがやしました。)
このとき、あちらがガヤガヤしました。
(「ごらん、ぞうがきた。」
と、しょうちゃんがびっくりしました。)
「ごらん、ぞうがきた。」
と、正ちゃんがびっくりしました。
(おおきなぞうが、おうらいをあるいてきました。さーかすが、どこかへいくのです。)
大きなぞうが、往来を歩いてきました。サーカスが、どこかへ行くのです。
(ちかちかひかる、あおいきものをきたおねえさんと、くろいずぼんをはいたおとこが、)
ちかちか光る、青い着物をきたお姉さんと、黒いズボンをはいた男が、
(むちをもって、ついてきます。)
鞭をもって、ついてきます。
(「こわいわ。」
と、よしこさんはおうちへはいろうとしました。)
「こわいわ。」
と、よし子さんはおうちへ入ろうとしました。
(「ぞうはおりこうだからこわくないよ。」
と、しょうちゃんはとめました。)
「ぞうはお利巧だからこわくないよ。」
と、正ちゃんはとめました。
(ごもんのまえにくると、ぞうはこちらをむいて、)
ご門の前に来ると、ぞうはこちらをむいて、
(ながいはなでたらいのみずをすうとのみほしました。)
長い鼻でたらいの水をすうと飲み干しました。
(「あら、おつきさまをのんでしまったわ。」
と、よしこさんがいいました。)
「あら、お月さまをのんでしまったわ。」
と、よし子さんが いいました。
(「おいたをしてはいけません。」と、)
「おいたをしてはいけません。」と、
など
(ぞうはおねえさんのむちで、ぴしりとたたかれました。)
ぞうはお姉さんの鞭で、ピシリとたたかれました。