シャーロック・ホームズ 空家の冒険1
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ゆうぽん | 4975 | B | 5.3 | 93.4% | 775.2 | 4146 | 289 | 68 | 2024/11/06 |
2 | 趣味タイピング | 4911 | B | 5.2 | 94.5% | 779.6 | 4061 | 232 | 68 | 2024/10/06 |
3 | 降谷零 | 4529 | C++ | 4.9 | 92.4% | 832.9 | 4110 | 337 | 68 | 2024/09/29 |
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問題文
(1894ねんのはる、ろなるどあでいあしがまったくふかかいな)
一八九四年の春、ロナルド・アデイア氏が全く不可解な
(きかいきまるじじょうのしたにざんさつされたのは、とうじはなはだゆうめいなじけんで,)
奇怪極まる事情の下に惨殺されたのは、当時はなはだ有名な事件で,
(ろんどんしみんはいっせいにこうきのめをみはり)
ロンドン市民は一斉に好奇の目をみはり
(ことにしゃこうかいのきょうがくはたいへんなものであった。)
殊に社交界の驚愕は大変なものであった。
(けいさつがわのたんさにえられた,はんざいのしょうさいについては、)
警察側の探査に得られた,犯罪の詳細については、
(せけんはもうちしつしてしまったかたちであるが,しかしこのじけんのはっせいとうじは,)
世間はもう知悉してしまった形であるが,しかしこの事件の発生当時は,
(そのはんざいのだいぶぶんは,ひみつにふされたのであった。)
その犯罪の大部分は,秘密に附されたのであった。
(そしてまたきそのためにも、そのじじつのしょうさいなどは,)
そしてまた起訴のためにも、その事実の詳細などは,
(せけんにはっぴょうするひつようなどはないほど,あっとうてきなだいじけんであったのである。)
世間に発表する必要などはないほど,圧倒的な大事件であったのである。
(さてそのあとじゅうねん、わたしはようやくこのきょういすべきだいじけんの、)
さてその後十年、私はようやくこの驚異すべき大事件の、
(さくらんしたきおくをあつめて,せいさいにはっぴょうするきかいをえたわけである。)
錯乱した記憶を集めて,精細に発表する機会を得たわけである。
(このじけんでは,じけんそのものも,たしかにおおいにきょうみあるものであったが、)
この事件では,事件そのものも,確かに大いに興味あるものであったが、
(しかしわたしはそのじけんそのものよりも,むしろまったくおもいもやらなかったけつまつに、)
しかし私はその事件そのものよりも,むしろ全く思いもやらなかった結末に、
(ぜつだいのしょうどうときょういをかんじさせられたのであった。)
絶大の衝動と驚異を感じさせられたのであった。
(このしょうどうときょういはたしかに、わたしのぼうけんせいかつのなかでも,)
この衝動と驚異はたしかに、私の冒険生活の中でも,
(だんぜんいすうとするものであったとおもっている。)
断然異数とするものであったと思っている。
(そのあともうかなりのながいときひがたっているのであるが,)
その後もうかなりの長い時日が経っているのであるが,
(それにもかかわらずこのじけんだけは、いまおもいだしてみても、)
それにもかかわらずこの事件だけは、今思い出してみても、
(ぞくぞくとみぶるいをかんじ、いまさらにもりかえしてくる)
続々と身振いを感じ、今更に盛り返してくる
(かいかん,きょうい,かいぎといったような、かつてわたしのこころをひたしつくした)
快感,驚異,懐疑と云ったような、かつて私の心を浸し尽くした
(いろいろのかんがいがさいねんしてくるのを,しみじみとかんずる。)
いろいろの感慨が再燃してくるのを,しみじみと感ずる。
(わたしのおりにふれてていきょうする、とくいなじんぶつのしそうやこうどうにたいして)
私の折に触れて提供する、特異な人物の思想や行動に対して
(たしょうのきょうみをもってくれるどくしゃしょくんにおことわりしなければならないが、)
多少の興味を持ってくれる読者諸君にお断りしなければならないが、
(わたしがこれほどのだいじけんにたいしてもっていたちしきを,)
私がこれほどの大事件に対して持っていた知識を,
(さっそくどくしゃしょくんにひれきしなかったことを,ひなんしないようにおねがいする。)
早速読者諸君に披瀝しなかったことを,非難しないようにお願いする。
(わたしはもちろんなにごとにかかわらずしりえたことは,)
私はもちろん何事に関わらず知り得たことは,
(さっそくどくしゃしょくんのまえにていきょうすることを,わたしのこうえいあるほんむとしんじているが,)
早速読者諸君の前に提供することを,私の光栄ある本務と信じているが,
(しかしほんけんだけは,かれからかたいかんこうれいがしかれてあったのであった。)
しかし本件だけは,彼から固い緘口令が布かれてあったのであった。
(そのかんこうれいのかいじょとなったのは,ついせんじつのみっかのことである。)
その緘口令の解除となったのは,つい先日の三日のことである。
(わたしはしゃーろっくほーむずとしんゆうであったということから、)
私はシャーロック・ホームズと親友であったと云うことから、
(しぜんはんざいというものにたいして,とくしゅなきょうみをもつようになり,)
自然犯罪と云うものに対して,特殊な興味を持つようになり,
(そしてかれのしっそうごも,せけんにあらわれたしゅじゅのもんだいには,)
そして彼の失踪後も,世間に現れた種々の問題には,
(ちゅういぶかくめをむけるようになったことは,しょくんにもそうぞうされることだろう。)
注意深く目を向けるようになったことは,諸君にも想像されることだろう。
(わたしはいっさいならず、ただじぶんじしんのまんぞくのために、)
私は一再ならず、ただ自分自身の満足のために、
(こうしたもんだいのかいきまりに,かれいちりゅうのかいけつほうをてきようしてみた。)
こうした問題の解決に,彼一流の解決法を適用してみた。
(しかしもちろんけっして,かれのようなすばらしいけっかはえられなかったが,)
しかしもちろん決して,彼のような素晴らしい結果は得られなかったが,
(ともあれ、このろなるどあでいあのじけんだけは,)
ともあれ、このロナルド・アデイアの事件だけは,
(わたしにとってはまったくなにものにもひかくされない、だいひげきであった。)
私にとっては全く何者にも比較されない、大悲劇であった。
(わたしはよしんちょうしょをよんで,このじけんはなにものかあるいは)
私は予審調書を読んで,この事件は何者かあるいは
(すうにんのぼうさつであるとしったときは,しゃーろっくほーむずのしは,)
数人の謀殺であると知った時は,シャーロック・ホームズの死は,
(しゃかいにとってはどんなにおおきなそんしつであるかということを、)
社会にとってはどんなに大きな損失であるかと云うことを、
(いぜんにもましてしみじみとつうかんさせられたのであった。)
以前にもましてしみじみと痛感させられたのであった。
(わたしはこのじけんにこそ,かれのびんわんにまつものが、たたあるとかくしんした。)
私はこの事件にこそ,彼の敏腕にまつものが、多々あると確信した。
(だいにけいさつのたんさをほじょしえたことはもちろん、さらにあるいは、)
大に警察の探査を補助し得たことはもちろん、更にあるいは、
(このよーろっぱさいしょのはんざいとりあつかいぎょうしゃの、せいれんされたかんさつと,しゅうとうなかつどうは、)
この欧羅巴最初の犯罪取扱業者の、精錬された観察と,周到な活動は、
(けいさつりょくいじょうものいりょくをはっきしたからかもしれなかった。)
警察力以上もの偉力を発揮したからかもしれなかった。
(わたしはこのじけんに,1にち1ぱいしんしんをけいとうしてかんがえてみたが,)
私はこの事件に,1日1ぱい心身を傾倒して考えてみたが,
(しかしけっきょく,なんとうのしゅこうされるかいしゃくも,はっけんすることはできなかった。)
しかし結局,何等の首肯される解釈も,発見することはできなかった。
(このもうきゅうぶんである。ものがたりをくりかえすことは、)
このもう旧聞である。物語を繰返すことは、
(あるいはきょうみさくぜんとするかもしれないがしかししんりのけっかえられたじじつをもといし)
あるいは興味索然とするかもしれないがしかし審理の結果得られた事実を基とし
(ここにがいかつしてみようとおもうのである。)
ここに概括してみようと思うのである。
(ろなるどあでいあは、とうじぼりすしょくみんちの、いちちじであった、)
ロナルド・アデイアは、当時濠洲植民地の、一知事であった、
(めいのーすはくしゃくのじなんであった。そしてあでいあのははは)
メイノース伯爵の次男であった。そしてアデイアの母は
(そこひのしゅじゅつをうけるためにきこくして,むすこのろなるどと,)
白内障の手術を受けるために帰国して,息子のロナルドと,
(むすめのひるだといっしょに,れーぬこうえんのだいよんひゃくにじゅうななばんにすんでいた。)
娘のヒルダと一緒に,レーヌ公園の第四百二十七番に住んでいた。
(このせいねんろなるどあでいあは、きぞくかいきゅうのなかにおうらいし,みうけるところ,)
この青年ロナルド・アデイアは、貴族階級の中に往来し,見受けるところ,
(べつにてきというようなものもなく,またとりたてて,)
別に敵と云うようなものもなく,また取り立てて,
(ふとくぎであるといったようなこともないようであった。)
不徳義であると云ったようなこともないようであった。
(かれはかーすていあすの、えでぃすうーどれーじょうとこんやくのあいだがらであったのを、)
彼はカーステイアスの、エディス・ウードレー嬢と婚約の間柄であったのを、
(ついすうかげつまえにはきとなったのであったが,しかしこれもりょうほうのわかいのうえに)
つい数ヶ月前に破棄となったのであったが,しかしこれも両方の和解の上に
(やったことであってべつにふかいいしゅをのこしたとおもわれることもないことであった)
やったことであって別に深い意趣を残したと思われることもないことであった
(そのたかれのしせいかつをみれば、それはごくせまいつうぞくなはんいであった。)
その他彼の私生活を見れば、それはごく狭い通俗な範囲であった。
(このせいねんはがんらい,せいかくもごくしずかでけっしてげきじょうてきなわかものではなかった。)
この青年は元来,性格もごく静かで決して激情的な若者ではなかった。
(こうしたごくへいぼんなぶなんなせいかつをしているきぞくのせいねんに,まったくとつぜんに,)
こうしたごく平凡な無難な生活をしている貴族の青年に,全く突然に,
(きかいきまるしがおそいかかったというのであるから、)
奇怪極まる死が襲いかかったと云うのであるから、
(まったくふかしぎせんばんであったのである。このふかかいなきょうこうは、)
全く不可思議千万であったのである。この不可解な兇行は、
(せんはっぴゃくきゅうじゅうよんねんさんがつとおかのよるの,)
千八百九十四年三月十日の夜の,
(じゅうじからじゅういちじにじゅっぷんまでのあいだにおこなわれたのであった。)
十時から十一時二十分までの間に行われたのであった。