紫式部 源氏物語 澪標 1 與謝野晶子訳

順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | おもち | 7733 | 神 | 8.0 | 95.9% | 304.4 | 2457 | 103 | 35 | 2025/03/08 |
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問題文
(みをつくしあわんといのるみてぐらもわ れのみかみにたてまつるらん (あきこ))
みをつくし逢はんと祈るみてぐらもわ れのみ神にたてまつるらん (晶子)
(すまのよるのげんじのゆめにまざまざとおすがたをおあらわしになっていらい、ちちみかどのことで)
須磨の夜の源氏の夢にまざまざとお姿をお現しになって以来、父帝のことで
(つうしんしていたげんじは、ききょうができたこんにちになってそのごぼだいをはやくとむらいたいと)
痛心していた源氏は、帰京ができた今日になってその御菩提を早く弔いたいと
(したくをしていた。そしてじゅうがつにほけきょうのはっこうがもよおされたのである。)
仕度をしていた。そして十月に法華経の八講が催されたのである。
(さんれつしゃのおおくあつまってくることはむかしのそうしたばあいのとおりであった。)
参列者の多く集まって来ることは昔のそうした場合のとおりであった。
(きょうもおもくわずらっておいでになるたいこうは、そのなかででもげんじをふうんに)
今日も重く煩っておいでになる太后は、その中ででも源氏を不運に
(おとしおおせなかったことをくちおしくおぼしめすのであったが、みかどはいんのごゆいごんを)
落としおおせなかったことを口惜しく思召すのであったが、帝は院の御遺言を
(おおもいになって、とうじもむくいがごじしんのうえへおちてくるようなおそれを)
お思いになって、当時も報いが御自身の上へ落ちてくるような恐れを
(おかんじになったのであるから、このごろはおこころもちがきわめてあかるく)
お感じになったのであるから、このごろはお心持ちがきわめて明るく
(おなりあそばれた。ときどきはげしくおわずらいになったごがんしつもよくおなりに)
おなりあそばれた。時々はげしくお煩いになった御眼疾も快くおなりに
(なったのであるが、たんめいでおおわりになるようなよかんがあっておこころぼそいために)
なったのであるが、短命でお終わりになるような予感があってお心細いために
(よくげんじをおめしになった。せいじについてもへだてのないしんげんをおききに)
よく源氏をお召しになった。政治についても隔てのない進言をお聞きに
(なることができて、いっぱんのひともげんじのいけんがおおくさいようされるげんじょうをよろこんでいた。)
なることができて、一般の人も源氏の意見が多く採用される現状を喜んでいた。
(みかどはちかくごそんいのおぼしめしがあるのであるが、ないしのかみがたよりないふうにみえるのを)
帝は近く御遜位の思召しがあるのであるが、尚侍がたよりないふうに見えるのを
(あわれにおぼしめした。 「だいじんはなくなるし、おおみやもしじゅうおわるいのに、)
憐れに思召した。 「大臣は亡くなるし、大宮も始終お悪いのに、
(わたくしさえもよめいがないようなきがしているのだから、だれのほごもうけられない)
私さえも余命がないような気がしているのだから、だれの保護も受けられない
(あなたは、こどくになってどうするのだろうとしんぱいする。はじめからあなたのあいは)
あなたは、孤独になってどうするのだろうと心配する。初めからあなたの愛は
(ほかのひとにむかっていて、わたくしをなんともおもっていないのだが、わたくしはだれよりも)
ほかの人に向かっていて、私を何とも思っていないのだが、私はだれよりも
(あなたがすきなのだから、あなたのことばかりがこんなときにもおもわれる。)
あなたが好きなのだから、あなたのことばかりがこんな時にも思われる。
(わたくしよりもゆうえつしゃがまたあなたとれんあいせいかつをしても、わたくしほどにはあなたを)
私よりも優越者がまたあなたと恋愛生活をしても、私ほどにはあなたを
(おもってはくれないことはないかと、わたくしはそんなことまでかんがえて)
思ってはくれないことはないかと、私はそんなことまで考えて
(あなたのためになかれるのだ」 みかどはないておいでになった。)
あなたのために泣かれるのだ」 帝は泣いておいでになった。
(しゅうちにほおをそめているためにいっそうはなやかに、あいきょうがこぼれるようにみえる)
羞恥に頬を染めているためにいっそうはなやかに、愛嬌がこぼれるように見える
(ないしのかみもなみだをながしているのをごらんになると、どんなつみもゆるすにあまりあるように)
尚侍も涙を流しているのを御覧になると、どんな罪も許すに余りあるように
(おぼしめされて、ごあいじょうがそのほうへかたむくばかりであった。)
思召されて、御愛情がそのほうへ傾くばかりであった。
(「なぜあなたにこどもができないのだろう。ざんねんだね。ぜんしょうのえんのふかいひとと)
「なぜあなたに子供ができないのだろう。残念だね。前生の縁の深い人と
(あなたのなかにはすぐにまたそのよろこびをするひもあるだろうとおもうとくやしい。)
あなたの中にはすぐにまたその悦びをする日もあるだろうと思うとくやしい。
(それでもきのどくだね。しんのうをうむのでないから」 こんなみらいのことまでも)
それでも気の毒だね。親王を生むのでないから」 こんな未来のことまでも
(おおせになるので、はずかしいこころがしまいにはかなしくばかりなった。)
仰せになるので、恥ずかしい心がしまいには悲しくばかりなった。
(みかどはごようしもおきれいで、ふかくないしのかみをおあいしになるみこころはねんげつとともに)
帝は御容姿もおきれいで、深く尚侍をお愛しになる御心は年月とともに
(けんちょになるのを、ないしのかみはしっていて、げんじはすぐれたおとこであるが、)
顕著になるのを、尚侍は知っていて、源氏はすぐれた男であるが、
(じぶんをおもうあいはこれほどのものでなかったということもようやくさとることが)
自分を思う愛はこれほどのものでなかったということもようやく悟ることが
(できてきては、わかいむふんべつさからあのだいじけんまでもひきおこし、)
できてきては、若い無分別さからあの大事件までも引き起こし、
(じぶんのめいよをきずつけたことはもとより、あのひとにもくろうをさせることに)
自分の名誉を傷つけたことはもとより、あの人にも苦労をさせることに
(なったともおもわれて、それがみなじぶんがはっこうなおんなだからであるともかなしんでいた。)
なったとも思われて、それが皆自分が薄倖な女だからであるとも悲しんでいた。