『父』芥川龍之介

背景
投稿者投稿者sngyいいね1お気に入り登録
プレイ回数708難易度(4.3) 877打 長文
タグ小説
大正五年三月
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 miko 5335 B++ 5.4 97.2% 159.3 875 25 18 2025/12/07
2 jazz2 2078 F+ 2.2 93.9% 389.3 865 56 18 2026/01/17
3 arakky 1573 G++ 1.7 91.6% 506.0 876 80 18 2025/12/08

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示
(じぶんがちゅうがくのよねんせいだったときのはなしである。) 自分が中学の四年生だった時の話である。 (そのとしのあき、にっこうからあしおへかけて、さんはくのしゅうがくりょこうがあった。) その年の秋、日光から足尾へかけて、三泊の修学旅行があった。 (「ごぜんろくじさんじゅっぷんうえのていしゃばまえしゅうごう、どうごじゅっぷんはっしゃ・・・・・・」) 「午前六時三十分上野停車場前集合、同五十分発車・・・・・・」 (こういうかじょうが、がっこうからわたすとうしゃばんのすりものにかいてある。) こういう箇条が、学校から渡す謄写版の刷物に書いてある。 (とうじつになるとじぶんは、ろくにあさめしもくわずにいえをとびだした。) 当日になると自分は、碌に朝飯も食わずに家をとび出した。 (でんしゃでゆけばていしゃばまでにじゅっぷんとはかからない。) 電車でゆけば停車場までニ十分とはかからない。 (ーそうおもいながらも、なんとなくこころがせく。) ーそう思いながらも、何となく心がせく。 (ていりゅうじょうのあかいはしらのまえにたって、でんしゃをまっているうちも、きがきでない。) 停留場の赤い柱の前に立って、電車を待っているうちも、気が気でない。 (あいにく、そらはくもっている。) 生憎、空は曇っている。 (かたがたのこうじょうでならすきてきのねが、ねずみいろのすいじょうきをふるわせたら、) 方々の工場で鳴らす汽笛の音が、鼠色の水蒸気をふるわせたら、
(それがみなきりあめになって、ふってきはしないかとおもわれる。) それが皆霧雨になって、降って来はしないかと思われる。 (そのたいくつなそらのしたで、こうかてつどうをきしゃがとおる。) その退屈な空の下で、高架鉄道を汽車が通る。 (ひふくしようへかようにばしゃがとおる。) 被服廠へ通う荷馬車が通る。 (みせのとがひとつずつあく。) 店の戸が一つずつ開く。 (じぶんのいるていりゅうじょうにも、もうに、さんにん、ひとがたった。) 自分のいる停留場にも、もう二、三人、人が立った。 (それがみな、ねのたりなそうなかおを、いんきらしくかたづけている。) それが皆、眠の足りなそうな顔を、陰気らしく片付けている。 (さむい。) 寒い。 (ーそこへわりびきのでんしゃがきた。) ーそこへ割引の電車が来た。