万葉集 和歌8

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投稿者投稿者Yasou  いいね0  お気に入り登録
プレイ回数1  難易度(4.2) 6418打 長文 かな
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(こひこひて、あひたるものを、つきしあれば、よはこもるらむ、しましはありまて) 恋ひ恋ひて、逢ひたるものを、月しあれば、夜はこもるらむ、しましはあり待て (あさにけに、いろづくやまの、しらくもの、おもひすぐべき、きみにあらなくに) 朝に日に、色付く山の、白雲の、思ひ過ぐべき、君にあらなくに (あしひきの、やまたちばなの、いろにいでよ、かたらひつぎて、あふこともあらむ) あしひきの、山橘の、色に出でよ、語らひ継ぎて、逢うこともあらむ (つくよみの、ひかりにきませ、あしひきの、やまきへなりて、とほからなくに) 月読の、光に来ませ、あしひきの、山き隔りて、遠からなくに (つくよみの、ひかりはきよく、てらせれど、まどへるこころ、あへずおもほゆ) 月読の、光は清く、照らせれど、惑へる心、堪へず思ほゆ (ますらをの、おもひわびつつ、たびまねく、なげくなげきを、おはぬものかも) ますらをの、思ひわびつつ、度まねく、嘆く嘆きを、負はぬものかも (こころには、わするるひなく、おもへども、ひとのことこそ、しげききみにあれ) 心には、忘るる日なく、思へども、人の言こそ、繁き君にあれ (あひみずて、けながくなりぬ、このころは、いかにさきくや、いふかしわぎも) 相見ずて、日長くなりぬ、このころは、いかにさきくや、いふかし我妹 (なつくずの、たえぬつかひの、よどめれば、ことしもあるごと、おもひつるかも) 夏葛の、絶えぬ使ひの、よどめれば、事しもあるごと、思ひつるかも (まつのはに、つきはゆつりぬ、もみぢばの、すぐるやきみがあはぬよのおほき) 松の葉に、月はゆつりぬ、黃葉の、過ぐるや君が、逢はぬ夜の多き
(おほきみの、みことかしこみ、おほあらきの、ときにはあらねど、くもがくります) 大君の、命恐み、大殯の、時にはあらねど、雲隠ります (かざはやの、みほのうらみの、しらつつじ、みれどもさぶし、なきひとおもへば) 風早の、美保の浦廻の、白つつじ、見れどもさぶし、なき人思へば (みつみつし、くめのわくごが、いふれけむ、いそのくさねの、かれまくをしも) みつみつし、久米の若子が、い触れけむ、磯の草根の、枯れまく惜しも (ひとごとの、しげきこのころ、たまならば、てにまきもちて、こひざらましを) 人言の、繁きこのころ、玉ならば、手に巻き持ちて、恋ひざらましを (いももわれも、きよみのかはの、かはぎしの、いもがくゆべき、こころはもたじ) 妹も我も、清の川の、川岸の、妹が悔ゆべき、心は持たじ (いにしへに、ありけむひとの、しつはたの、おびときかへて、ふせやたて、) 古に、ありけむ人の、倭文機の、帯解き交へて、廬屋立て、 (つまどひしけむ、かつしかの、ままのてごなが、おくつきを、こことはきけど、) 妻問ひしけむ、葛飾の、真間の手児名が、奥つ城を、こことは聞けど、 (まきのはや、しげりたるらむ、まつのねや、とほくひさしき、ことのみも、) 真木の葉や、茂りたるらむ、松が根や、遠く久しき、言のみも、名のみも、 (なのみもわれは、わすらゆましじ。) 名のみも我は、忘らゆましじ。 (われもみつ、ひとにもつげむ、かつしかの、ままのてごなが、おくつきどころ) 我も見つ、人にも告げむ、葛飾の、真間の手児名が、奥つ城処
など
(かつしかの、ままのいりえに、うちなびく、たまもかりけむ、てごなしおもほゆ) 葛飾の、真間の入江に、うちなびく、玉藻刈りけむ、手児名し思ほゆ (ひさかたの、あまのはらより、あれきたる、かみのみこと、おくやまの、さかきのえだに、) ひさかたの、天の原より、生れ来たる、神の命、奥山の、賢木の枝に、 (しらかつく、ゆふとりつけて、いはひべを、いはひほりすえ、たかだまを、) しらかつく、木綿取り付けて、斎瓮を、斎ひほりすゑ、竹玉を、 (しじにぬきたれ、ししじもの、ひざをりふして、たわやめの、おすひとりかけ、) しじに貫き垂れ、鹿じもの、膝折り伏して、たわやめの、おすひ取りかけ、 (かくだにも、われはこひなむ、きみにあはぬかも。) かくだにも、我は祈ひなむ、君に逢はぬかも。 (ゆふだたみ、てにとりもちて、かくだにも、あれはこひなむ、きみにあはぬかも) 木綿たたみ、手に取り持ちて、かくだにも、我は祈ひなむ、君に逢はぬかも (わがやどに、からあいまきおほし、かれぬれど、こりずてまたも、まかむとそおもふ) 我がやどに、韓藍蒔き生ほし、枯れぬれど、懲りずてまたも、蒔かむとそ思ふ (あられふる、きしみがたけを、さがしみと、くさとりはなち、いもがてをとる) 霰降る、吉志美が岳を、険しみと、草取りはなち、妹が手を取る (このゆふへ、つみのさえだの、ながれこば、やなはうたずて、とらずかもあらむ) この夕、柘のさ枝の、流れ来ば、梁は打たずて、取らずかもあらむ (いにしへに、やなうつひとの、なかりせば、ここにもあらまし、つみのえだはも) 古に、梁打つ人の、なかりせば、ここにもあらまし、柘の枝はも (なでしこの、そのはなにもが、あさなあさな、てにとりもちて、こひぬひなけむ) なでしこの、その花にもが、朝な朝な、手に取り持ちて、恋ひぬ日なけむ (はるがすみ、かすがのさとの、うえこなぎ、なへなりといひし、えはさしにけむ) 春霞、春日の里の、植ゑ小水葱、苗なりと言ひし、柄はさしにけむ (あきさらば、みつつしのへと、いもがうえし、やどのなでしこ、さきにけるかも) 秋さらば、見つつ偲へと、妹が植ゑし、やどのなでしこ、咲きにけるかも (うつせみの、よはつねなしと、しるものを、あきかぜさむみ、しのびつるかも) うつせみの、世は常なしと、知るものを、秋風寒み、偲びつるかも (わがかたみ、みつつしのはせ、あらたまの、としのをながく、われもおもはむ) わが形見、見つつ偲はせ、あらたまの、年の緒長く、われも思はむ (しらとりの、とばやままつの、まちつつそ、わがこひわたる、このつきごろを) 白鳥の、飛羽山松の、待ちつつそ、我が恋ひわたる、この月ごろを (ころもでを、うちみのさとに、あるわれを、しらにそひとは、まてどこずける) 衣手を、打廻の里に、ある我を、知らにそ人は、待てど来ずける (あらたまの、としのへぬれば、いましはと、ゆめよわがせこ、わがなのらすな) あらたまの、年の経ゆけば、今しはと、ゆめよわが背子、わが名告らすな (わがおもひを、ひとにしるれや、たまくしげ、ひらきあけつと、いめにしみゆる) わが思ひを、人に知るれや、玉くしげ、開き明けつと、夢にし見ゆる (やみのよに、なくなるたづの、よそのみに、ききつつかあらむ、あふとはなしに) 闇の夜に、鳴くなる鶴の、外のみに、聞きつつかあらむ、逢ふとはなしに (きみにこひ、いたもすべなみ、ならやまの、こまつがもとに、たちなげくかも) 君に恋ひ、いたもすべなみ、奈良山の、小松が下に、立ち嘆くかも (わがやどの、ゆふかげくさの、しらつゆの、けぬがにもとな、おもほゆるかも) わがやどの、夕陰草の、白露の、消ぬがにもとな、思ほゆるかも (わがいのちの、またけむかぎり、わすれめや、いやひにけには、おもひますとも) わが命の、全けむ限り、忘れめや、いや日に異には、思ひますとも (やほかゆく、はまのまなごも、わがこひに、あにまさらじか、おきつしまもり) 八百日行く、浜の沙も、我が恋に、あにまさらじか、沖つ島守 (うつせみの、ひとめをしげみ、いしばしの、まちかききみに、こひわたるかも) うつせみの、人目を繁み、石橋の、間近き君に、恋ひわたるかも (こひにもそ、ひとはしにする、みなせがは、したゆわれやす、つきにひにけに) 恋にもそ、人は死にする、水無瀬川、下ゆ我痩す、月に日に異に (あさぎりの、おほにあひみし、ひとゆえに、いのちしぬべく、こひわたるかも) 朝霧の、おほに相見し、人ゆゑに、命死ぬべく、恋ひわたるかも (いせのうみの、いそもとどろに、よするなみ、かしこきひとに、こひわたるかも) 伊勢の海の、磯もとどろに、寄する波、畏き人に、恋ひわたるかも (こころゆも、あれはもはずき、やまかはも、へだたらなくに、かくこひむとは) 心ゆも、我は思はずき、山川も、隔たらなくに、かく恋ひむとは (ゆふされば、ものもひまさる、みしひとの、こととふすがた、おもかげにして) 夕されば、物思まさる、見し人の、言問ふ姿、面影にして (おもひにし、しにするものに、あらませば、ちたびそわれは、しにかへらまし) 思ひにし、死にするものに、あらませば、千度そわれは、死にかへらまし (つるぎたち、みにとりそふと、いめにみつ、なにのさがそも、きみにあはむため) 剣大刀、身に取り添ふと、夢に見つ、何の兆そも、君に逢はむため (あめつちの、かみのことわり、なくはこそ、わがもふきみに、あはずしにせめ) 天地の、神の理、なくはこそ、我が思ふ君に、逢はず死にせめ (われもおもふ、ひともなわすれ、おほなわに、うらふくかぜの、やむときなかれ) われも思ふ、人もな忘れ、おほなわに、浦吹く風の、やむ時なかれ (みなひとを、ねよとのかねは、うつなれど、きみをしおもへば、いねかてぬかも) 皆人を、寝よとの鐘は、打つなれど、君をし思へば、寝ねかてぬかも (あひおもはぬ、ひとをおもふは、おほてらの、がきのしりへに、ぬかづくがごと) 相思はぬ、人を思ふは、大寺の、餓鬼の後ろに、額つくごとし (こころゆも、あはおもはずき、またさらに、わがふるさとに、かへりこむとは) 心ゆも、我は思はずき、また更に、わが故郷に、帰り来むとは (ちかくあれば、みねどもあるを、いやとほに、きみがいまさば、ありかつましじ) 近くあれば、見ねどもあるを、いや遠に、君がいまさば、ありかつましじ (いまさらに、いもにあはめやと、おもへかも、ここだくわがむね、いぶせくあるらむ) 今更に、妹に逢はめやと、思へかも、ここだく我が胸、いぶせくあるらむ (なかなかに、もだもあらましを、なにすとか、あひみそめけむ、とげざらまくに) なかなかに、黙もあらましを、何すとか、相見そめけむ、遂げざらまくに (いきてあらば、みまくもしらず、なにしかも、しなむよいもと、いめにみえつる) 生きてあらば、見まくも知らず、何しかも、死なむよ妹と、夢に見えつる (ますらをも、かくこひけるを、たわやめの、こふるこころに、たぐひあらめやも) ますらをも、かく恋ひけるを、たわやめの、恋ふる心に、たぐひあらめやも (つきくさの、うつろひやすく、おもへかも、わがもふひとの、こともつげこぬ) 月草の、移ろひやすく、思へかも、我が思ふ人の、言も告げ来ぬ (かすがやま、あさだつくもの、いぬひなく、みまくのほしき、きみにもあるかも) 春日山、朝立つ雲の、居ぬ日なく、見まくの欲しき、君にもあるかも (くろかみに、しらかみまじり、おゆるまで、かかるこひには、いまだあはなくに) 黒髪に、白髪交じり、老ゆるまで、かかる恋には、いまだあはなくに (やますげの、みならぬことを、われによせ、いはれしきみは、たれとかねらむ) 山菅の、実成らぬことを、我に寄せ、言はれし君は、たれとか寝らむ (あかごまの、こゆるうませの、しめゆひし、いもがこころは、うたがひもなし) 赤駒の、越ゆる馬柵の、標結ひし、妹が心は、疑ひもなし (あづさゆみ、つまびくよとの、とほとにも、きみがみゆきを、きかくしよしも) 梓弓、爪引く夜音の、遠音にも、君が御幸を、聞かくし良しも (かむさぶと、いなとにはあらず、はたやはた、かくしてのちに、さぶしけむかも) 神さぶと、いなとにはあらず、はたやはた、かくして後に、さぶしけむかも (たまのをを、あわをによりて、むすべれば、ありてのちにも、あはざらめやも) 玉の緒を、沫緒に縒りて、結べれば、ありて後にも、逢はざらめやも (ももとせに、おいじたいでて、よよむとも、われはいとはじ、こひはますとも) 百歳に、老い舌出でてよ、よよむとも、我はいとはじ、恋は益すとも (ことでしは、たがことなるか、をやまだの、なはしろみづの、なかよどにして) 言出しは、誰が言なるか、小山田の、苗代水の、中淀にして (ぬばたまの、きそはかへしつ、こよひさへ、われをかへすな、みちのながてを) ぬばたまの、昨夜は返しつ、今夜さへ、われをかへすな、道の長手を (わぎもこが、やどのまがきを、みにゆかば、けだしかどより、かへしてむかも) 我妹子が、やどのまがきを、見に行かば、けだし門より、かへしてむかも (うつたへに、まがきのすがた、みまくほり、ゆかむといへや、きみをみにこそ) うつたへに、まがきの姿、見まく欲り、行かむと言へや、君を見にこそ (くろきとり、かやもかりつつ、つかへめど、いそしきわけと、ほめむともあらず) 黒木取り、草も刈りつつ、仕へめど、勤しきわけと、褒めむともあらず (かすがやま、かすみたなびき、こころぐく、てれるつくよに、ひとりかもねむ) 春日山、霞たなびき、心ぐく、照れる月夜に、ひとりかも寝む (つくよには、かどにいでたち、ゆふけとひ、あしうらをそせし、ゆかまくをほり) 月夜には、門に出で立ち、夕占問ひ、足占をそせし、行かまくを欲り (かにかくに、ひとはいふとも、わかさぢの、のちせのやまの、のちもあはむきみ) かにかくに、人は言ふとも、若狭道の、後瀬の山の、のちも逢はむ君 (よのなかし、くるしきものに、ありけらし、こひにあへずて、しぬべくおもへば) 世の中し、苦しきものに、ありけらし、恋にあへずて、死ぬべき思へば (こひくさを、ちからぐるまに、ななくるま、つみてこふらく、わがこころから) 恋草を、力車に、七車、積みて恋ふらく、我が心から (こひはいまは、あらじとわれは、おもひしを、いづくのこひそ、つかみかかれる) 恋は今は、あらじと我は、思ひしを、いづくの恋そ、つかみかかれる (はるのその、くれないにほふ、もものはな、したてるみちに、いでたつをとめ) 春の園、紅にほふ、桃の花、下照る道に、出で立つをとめ (うらうらに、てれるはるひに、ひばりあがり、こころかなしも、ひとりしおもへば) うらうらに、照れる春日に、ひばり上がり、心悲しも、ひとりし思へば (はるまけて、ものがなしきに、さよふけて、はぶきなくしぎ、たがたにかすむ) 春まけて、もの悲しきに、さ夜ふけて、羽ぶき鳴く鴫、誰が田にか住む (おきへゆき、へをゆきいまや、いもがため、わがすなどれる、もふしつかふな) 沖辺行き、辺を行き今や、妹がため、わが漁れる、藻伏束鮒 (つくしぶね、いまだもこねば、あらかじめ、あらぶるきみを、みるがかなしさ) 筑紫船、いまだも来ねば、あらかじめ、荒ぶる君を、見るが悲しさ (いでていなむ、ときしはあらむを、ことさらに、つまごひしつつ、たちていぬべしや) 出てて去なむ、時しはあらむを、ことさらに、妻恋しつつ、立ちて去ぬべしや (むかしこそ、よそにもみしか、わぎもこが、おくつきとおもへば、はしきさほやま) 昔こそ、外にも見しか、我妹子が、奥つ城と思へば、愛しき佐保山 (さほやまに、たなびくかすみ、みるごとに、いもをおもひで、なかぬひはなし) 佐保山に、たなびく霞、見るごとに、妹を思ひ出、泣かぬ日はなし (いまよりは、あきかぜさむく、ふきなむを、いかにかひとり、ながきよをねむ) 今よりは、秋風寒く、吹きなむを、いかにかひとり、長き夜を寝む (かささぎの、わたせるはしに、おくしもの、しろきをみれば、よぞふけにける) かささぎの、渡せる橋に、置く霜の、白きを見れば、夜ぞふけにける (つくまのに、おふるむらさき、きぬにしめ、いまだきずして、いろにいでにけり) 託馬野に、生ふる紫草、衣にしめ、いまだ着ずして、色に出でにけり (みちのくの、まののかやはら、とほけども、おもかげにして、みゆといふものを) 陸奥の、真野の草原、遠けども、面影にして、見ゆといふものを (おくやまの、いはもとすげを、ねふかめて、むすびしこころ、わすれかねつも) 奥山の、岩本菅を、根深めて、結びし心、忘れかねつも (あしひきの、やまにしをれば、みやびなみ、わがするわざを、とがめたまふな) あしひきの、山にし居れば、風流なみ、我がするわざを、とがめたまふな (おもはぬに、いもがえまひを、いめにみて、こころのうちに、もえつつそをる) 思はぬに、妹が笑まひを、夢に見て、心の内に、燃えつつそ居る (むらきもの、こころくだけて、かくばかり、あがこふらくを、しらずかあるらむ) むら肝の、心摧けて、かくばかり、我が恋ふらくを、知らずかあるらむ (ちどりなく、さほのかはとの、きよきせを、うまうちわたし、いつかかよはむ) 千鳥鳴く、佐保の川門の、清き瀬を、馬打ち渡し、何時か通はむ (いけるよに、あれはいまだみず、ことたえて、かくおもしろく、ぬへるふくろは) 生ける代に、我はいまだ見ず、言絶えて、かくおもしろく、縫へる袋は
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