第6章 海底の鍵

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(あおいひかりがかいめんからてんへむかってのびつづけていた。) 青い光が海面から天へ向かって伸び続けていた。 (かいととれんはなみうちぎわまではしった。) 海斗と蓮は波打ち際まで走った。 (しゅういにはだれもいない。) 周囲には誰もいない。 (ぎょこうもしずまりかえっている。) 漁港も静まり返っている。 (まるでふたりだけがこのひかりをみることをゆるされたようだった。) まるで二人だけがこの光を見ることを許されたようだった。 (「どうする?」) 「どうする?」 (れんがいきをきらしながらたずねる。) 蓮が息を切らしながら尋ねる。 (「ちかづいてみよう」) 「近付いてみよう」 (かいとはまよわなかった。) 海斗は迷わなかった。 (ふたりはみなとにつながれていたちいさなふねにのりこみ、ひかりのちゅうしんをめざした。) 二人は港に繋がれていた小さな船に乗り込み、光の中心を目指した。
(なみはおだやかだった。) 波は穏やかだった。 (つきあかりがかいめんにうつる。) 月明かりが海面に映る。 (やがてひかりのまうえへとうちゃくした。) やがて光の真上へ到着した。 (うみをのぞきこむ。) 海を覗き込む。 (するとかいていになにかがみえた。) すると海底に何かが見えた。 (せきひだった。) 石碑だった。 (あおじろいひかりはそのせきひからはなたれている。) 青白い光はその石碑から放たれている。 (「もぐれるか?」) 「潜れるか?」 (「いまのじきに!?」) 「今の時期に!?」 (「だよな」) 「だよな……」
など
(ふたりがこまっていると、けっしょうがとつぜんつよくかがやいた。) 二人が困っていると、結晶が突然強く輝いた。 (かいめんがうずをまく。) 海面が渦を巻く。 (つぎのしゅんかん。) 次の瞬間。 (ふねごとあおいひかりにつつまれた。) 船ごと青い光に包まれた。 (めをとじる。) 目を閉じる。 (そしてふたたびひらくと。) そして再び開くと。 (ふたりはかいていにたっていた。) 二人は海底に立っていた。 (「えええええ!?」) 「えええええ!?」 (「なんでいきできるんだ!?」) 「なんで息できるんだ!?」 (ずじょうにはうみがある。) 頭上には海がある。 (さかなのむれもおよいでいる。) 魚の群れも泳いでいる。 (だがくるしくない。) だが苦しくない。 (せきひのまえへすすむ。) 石碑の前へ進む。 (こだいもじのようなもようがきざまれていた。) 古代文字のような模様が刻まれていた。 (かいとがふれる。) 海斗が触れる。 (かいていぜんたいがふるえた。) 海底全体が震えた。 (せきひがわれる。) 石碑が割れる。 (なかからあおいけっしょうがあらわれた。) 中から青い結晶が現れた。 (ふたつめのかぎだった。) 二つ目の鍵だった。 (しかしあんしんするひまはなかった。) しかし安心する暇はなかった。 (とつぜんはいごからはくしゅがきこえた。) 突然背後から拍手が聞こえた。 (「よそういじょうにゆうしゅうだな」) 「予想以上に優秀だな」 (くろいこーとのおとこだった。) 黒いコートの男だった。 (あのひ、いわきさんでみかけたじんぶつである。) あの日、岩木山で見かけた人物である。 (おとこはえみをうかべていた。) 男は笑みを浮かべていた。 (だがそのめはわらっていなかった。) だがその目は笑っていなかった。 (「きみたちがかぎをあつめてくれるならたすかる」) 「君たちが鍵を集めてくれるなら助かる」 (「どういういみだ?」) 「どういう意味だ?」 (かいとがさけぶ。) 海斗が叫ぶ。 (おとこはこたえずにきえた。) 男は答えずに消えた。 (あおいあわだけがのこった。) 青い泡だけが残った。 (ぶきみなくうきのなか、ふたりはかいていをあとにした。) 不気味な空気の中、二人は海底を後にした。
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