第22章 帰る場所

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(ふゆがおわりにちかづいていた。) 冬が終わりに近付いていた。 (まちはすこしずつかっきをとりもどしていた。) 町は少しずつ活気を取り戻していた。 (かいとたちもいぜんのにちじょうへもどっていく。) 海斗たちも以前の日常へ戻っていく。 (がっこう。) 学校。 (ぶかつどう。) 部活動。 (ともだちとのかいわ。) 友達との会話。 (ふつうのひびだった。) 普通の日々だった。 (しかしさんにんはいぜんとはちがっていた。) しかし三人は以前とは違っていた。 (ほうかご。) 放課後。 (かせんしきをあるきながられんがいう。) 河川敷を歩きながら蓮が言う。
(「ふしぎだよな」) 「不思議だよな」 (「なにが?」) 「何が?」 (「せかいがもどったのにさ」) 「世界が戻ったのにさ」 (「おれたちだけしってる」) 「俺たちだけ知ってる」 (かいとはすこしわらった。) 海斗は少し笑った。 (たしかにそうだった。) 確かにそうだった。 (だれもしらない。) 誰も知らない。 (あおもりをすくったたたかいを。) 青森を救った戦いを。 (だれもしらない。) 誰も知らない。 (ななつのかぎのそんざいを。) 七つの鍵の存在を。
など
(みさきはそらをみあげる。) 美咲は空を見上げる。 (ゆうひがさしこんでいた。) 夕日が差し込んでいた。 (「でもそれでいいんじゃないかな」) 「でもそれでいいんじゃないかな」 (「わたしたちがおぼえてれば」) 「私たちが覚えてれば」 (ふたりはうなずいた。) 二人は頷いた。 (かえるばしょがある。) 帰る場所がある。 (まもりたかったけしきがある。) 守りたかった景色がある。 (それだけでじゅうぶんだった。) それだけで十分だった。 (とおくにみえるいわきさんは、いぜんとかわらずまちをみまもっていた。) 遠くに見える岩木山は、以前と変わらず町を見守っていた。
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