痛みが消えれば忘れられると思っていた。
痛みが消えれば忘れられると思っていた。/tokumei-kibou
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問題文
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(たとえば、ぼくがきみだったら。)
例えば、僕が君だったら。
(たとえば、きみがぼくだったら。)
例えば、君が僕だったら。
(たったそれだけのことを、)
たったそれだけのことを、
(ぼくらはかんがえられない。)
僕らは考えられない。
(だからへいきで)
だから平気で
(わらいながらないふのようなことばをはなち、)
笑いながらナイフのような言葉を放ち、
(つごうのいいときだけおとなになれる。)
都合のいい時だけ大人になれる。
(そんなぼくらは、)
そんな僕らは、
(どうしようもないくらいにこどもだ。)
どうしようもないくらいに子供だ。
(だからはたちになったらかわるとおもっていた。)
だから二十歳になったら変わると思っていた。
(はるがすぎればおわるとおもっていた。)
春が過ぎれば終わると思っていた。
(いたみがきえれば)
痛みが消えれば、
(わすれられるとおもっていた。)
忘れられると思っていた。
(たとえばぼくがきみだったら。)
例えば僕が君だったら。
(あのひないふでさされたかれに、)
あの日ナイフで刺された彼に、
(やさしいことばをかけることができたのだろうか。)
優しい言葉をかけることができたのだろうか。
(じこぎせいだとしってなお、)
自己犠牲だと知って尚、
(まもることができたのだろうか。)
守ることができたのだろうか。
(たとえばきみがぼくだったら。)
例えば君が僕だったら。
(きずつけたあいつらのことを、)
傷つけたあいつらのことを、
など
(わすれられたのかもしれない。)
忘れられたのかも知れない。
(でも)
でも
(きみがきみで、)
君が君で、
(ぼくがぼくだった。)
僕が僕だった。
(いまになってすこしだけそれでよかったとおもえる。)
今になって少しだけそれでよかったと思える。
(どうかきみはぼくみたいにならないでください。)
「どうか君は僕みたいにならないでください。」
(ぼくのこえは、たいぴんぐのおとできえた。)
僕の声は、タイピングの音で消えた。