『六月のアパート』403号室
関連タイピング
-
プレイ回数4.6万歌詞かな977打
-
プレイ回数729かな617打
-
プレイ回数621長文1975打
-
プレイ回数1569かな803打
-
プレイ回数142歌詞1196打
-
プレイ回数123かな47打
-
プレイ回数138長文かな2331打
-
プレイ回数26歌詞かな82打
問題文
(かぜとおしがよく、ひあたりもいい。)
風通しがよく、日当たりもいい。
(いずれこのへやになにもしらないだれかがおとずれ、)
いずれこの部屋に何も知らない誰かが訪れ、
(なにもしらないだれかがじんせいをしょうひし、)
何も知らない誰かが人生を消費し、
(そしてなにもしらないままでていくことになるのだろう。)
そして何も知らないまま出て行くことになるのだろう。
(このへやではなにもなかった。)
この部屋では何もなかった。
(かのじょのしあわせも、ふこうも、とびおりじさつも。)
彼女の幸せも、不幸も、飛び降り自殺も。
(そうおもえてしまうくらい、ここにかのじょはのこっていない。)
そう思えてしまうくらい、ここに彼女は残っていない。
(もしかしたらかのじょもそれをのぞんでいたのかもしれない。)
もしかしたら彼女もそれを望んでいたのかもしれない。
(ろくがつのあのひ、じぶんにまとわりついたすべてのものをたちきって、)
六月のあの日、自分に纏わり付いた全てのものを断ち切って、
(こころにたまったおもたいなにかをすてて、)
心に溜まった重たい何かを捨てて、
(かるくなったかのじょはとんだ。)
軽くなった彼女は飛んだ。
(できるだけとおくへ、だれもしらないばしょまで。)
できるだけ遠くへ、誰も知らない場所まで。
(しろいかーてんがゆれる。)
白いカーテンが揺れる。
(でんしゃのおとがする。)
電車の音がする。
(ひびはつづく。)
日々は続く。
(おわったかのじょをむしして。)
終わった彼女を無視して。
(ひさしぶりにどあがひらいた。)
久しぶりにドアが開いた。
(いいへやですね。)
「いい部屋ですね。」
(まんぞくげにそういったじょせいは、)
満足気にそう言った女性は、
(どこかかのじょとにているきがした。)
どこか彼女と似ている気がした。