吾輩は猫である7

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プレイ回数0難易度(3.5) 1196打 長文 かな
タグ長文 文学
出典:青空文庫「吾輩は猫である」(夏目漱石)
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画像:写真AC

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問題文

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(わがままでおもいだしたからちょっとわがはいのいえのしゅじんがこのわがままでしっぱいしたはなしをしよう) 我儘で思い出したからちょっと吾輩の家の主人がこの我儘で失敗した話をしよう (がんらいこのしゅじんはなんといってひとにすぐれてできることもないが) 元来この主人は何といって人に勝れて出来る事もないが (なににでもよくてをだしたがる) 何にでもよく手を出したがる (はいくをやってほととぎすへとうしょをしたり) 俳句をやってほととぎすへ投書をしたり (しんたいしをみょうじょうへだしたり) 新体詩を明星へ出したり (まちがいだらけのえいぶんをかいたり) 間違いだらけの英文をかいたり (ときによるとゆみにこったり) 時によると弓に凝ったり (うたいをならったり) 謡を習ったり (またあるときはヴぁいおりんなどをぶーぶーならしたりするが) またあるときはヴァイオリンなどをブーブー鳴らしたりするが (きのどくなことにはどれもこれもものになっておらん) 気の毒な事にはどれもこれも物になっておらん
(そのくせやりだすといじゃくのくせにいやにねっしんだ) その癖やり出すと胃弱の癖にいやに熱心だ (こうかのなかでうたいをうたって) 後架の中で謡をうたって (きんじょでこうかせんせいとあだなをつけられているにもかんせずいっこうへいきなもので) 近所で後架先生と渾名をつけられているにも関せず一向平気なもので (やはりこれはたいらのむなもりにてそうろうをくりかえしている) やはりこれは平の宗盛にて候を繰返している (みんながそらむねもりだとふきだすくらいである) みんながそら宗盛だと吹き出すくらいである (このしゅじんがどういうかんがえになったものか) この主人がどういう考になったものか (わがはいのすみこんでからひとつきばかりごのあるつきのげっきゅうびに) 吾輩の住み込んでから一月ばかり後のある月の月給日に (おおきなつつみをさげてあわただしくかえってきた) 大きな包みを提げてあわただしく帰って来た (なにをかってきたのかとおもうとすいさいえのぐともうひつとわっとまんというかみで) 何を買って来たのかと思うと水彩絵具と毛筆とワットマンという紙で (きょうからうたいやはいくをやめてえをかくけっしんとみえた) 今日から謡や俳句をやめて絵をかく決心と見えた
など
(はたしてよくじつからとうぶんのあいだというものはまいにちまいにちしょさいで) 果して翌日から当分の間というものは毎日毎日書斎で (ひるねもしないでえばかりかいている) 昼寝もしないで絵ばかりかいている (しかしそのかきあげたものをみると) しかしそのかき上げたものを見ると (なにをかいたものやらだれにもかんていがつかない) 何をかいたものやら誰にも鑑定がつかない (とうにんもあまりあまくないとおもったものか) 当人もあまり甘くないと思ったものか (あるひそのゆうじんでびがくとかをやっているひとがきたときに) ある日その友人で美学とかをやっている人が来た時に (しものようなはなしをしているのをきいた) 下のような話をしているのを聞いた
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