有島武郎 或る女65

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1 布ちゃん 5842 A+ 6.1 95.6% 1158.3 7086 319 100 2024/04/15

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問題文

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(くらちもようこにゆずらないほどのしゅうちゃくをもってようこがささげるさかずきからかんらくを)

倉地も葉子に譲らないほどの執着をもって葉子がささげる杯から歓楽を

(のみあきようとするらしかった。ふきゅうのかつどうをいのちとしているようなくらちでは)

飲み飽きようとするらしかった。不休の活動を命としているような倉地では

(あったけれども、このいえにうつってきてから、いえをあけるようなことはいちども)

あったけれども、この家に移って来てから、家を明けるような事は一度も

(なかった。それはくらちじしんがこくはくするようにはてんこうなことだったらしい。ふたりは、)

なかった。それは倉地自身が告白するように破天荒な事だったらしい。二人は、

(はじめてこいをしったしょうねんしょうじょがせけんもぎりもわすれはてて、いのちさえわすれはててにくたいを)

初めて恋を知った少年少女が世間も義理も忘れ果てて、命さえ忘れ果てて肉体を

(やぶってまでもたましいをひとつにとかしたいとあせる、それとおなじねつじょうをささげあって)

破ってまでも魂を一つに溶かしたいとあせる、それと同じ熱情をささげ合って

(たがいたがいをたのしんだ。たのしんだというよりもくるしんだ。そのくるしみをたのしんだ。)

互い互いを楽しんだ。楽しんだというよりも苦しんだ。その苦しみを楽しんだ。

(くらちはこのいえにうつっていらいしんぶんもはいたつさせなかった。ゆうびんだけはいてんつうちを)

倉地はこの家に移って以来新聞も配達させなかった。郵便だけは移転通知を

(しておいたのでくらちのてもとにとどいたけれども、くらちはそのおもてがきさえめを)

して置いたので倉地の手もとに届いたけれども、倉地はその表書きさえ目を

(とおそうとはしなかった。まいにちのゆうびんはつやのてによってたばにされて、ようこが)

通そうとはしなかった。毎日の郵便はつやの手によって束にされて、葉子が

(じぶんのへやにさだめたげんかんわきのろくじょうのちがいだなにむなしくつみかさねられた。ようこの)

自分の部屋に定めた玄関わきの六畳の違い棚にむなしく積み重ねられた。葉子の

(てもとにはいもうとたちからのほかにはいちまいのはがきさえこなかった。それほど)

手もとには妹たちからのほかには一枚のはがきさえ来なかった。それほど

(せけんからじぶんたちをきりはなしているのをふたりともくつうとはおもわなかった。)

世間から自分たちを切り放しているのを二人とも苦痛とは思わなかった。

(くつうどころではない、それがさいわいでありほこりであった。もんには「きむら」とだけ)

苦痛どころではない、それが幸いであり誇りであった。門には「木村」とだけ

(かいたちいさいもんさつがだしてあった。きむらというへいぼんなせいはふたりのたのしいすを)

書いた小さい門札が出してあった。木村という平凡な姓は二人の楽しい巣を

(せけんにあばくようなことはないとくらちがいいだしたのだった。しかしこんなせいかつを)

世間にあばくような事はないと倉地がいい出したのだった。しかしこんな生活を

(くらちにながいあいだようきゅうするのはむりだということをようこはついにかんづかねば)

倉地に長い間要求するのは無理だという事を葉子はついに感づかねば

(ならなかった。あるゆうしょくののちくらちはにかいのひとまでようこをちからづよくひざのうえに)

ならなかった。ある夕食ののち倉地は二階の一間で葉子を力強く膝の上に

(だきとって、あまいささやきをとりかわしていたとき、ようこがじょうにげきして)

抱き取って、甘い私語(ささやき)を取りかわしていた時、葉子が情に激して

(くらちにあたえたあついせっぷんのあとにすぐ、くらちがおもわずでたあくびをじっとかみころした)

倉地に与えた熱い接吻の後にすぐ、倉地が思わず出たあくびをじっとかみ殺した

など

(のをいちはやくみてとると、ようこはこのしゅのかんらくがすでにとうげをこしたことをしった。)

のをいち早く見て取ると、葉子はこの種の歓楽がすでに峠を越した事を知った。

(そのよるはようこにはふこうないちやだった。かろうじてきずきあげたえいえんのじょうさいが、)

その夜は葉子には不幸な一夜だった。かろうじて築き上げた永遠の城塞が、

(はかなくもしゅんじのしんきろうのようにみるみるくずれていくのをかんじて、くらちのむねに)

はかなくも瞬時の蜃気楼のように見る見るくずれて行くのを感じて、倉地の胸に

(いだかれながらほとんどいちやをねむらずにとおしてしまった。それでもよくじつになると)

抱かれながらほとんど一夜を眠らずに通してしまった。それでも翌日になると

(ようこはかいかつになっていた。ことさらかいかつにふるまおうとしていたにはちがいない)

葉子は快活になっていた。ことさら快活に振る舞おうとしていたには違いない

(けれども、ようこのくらちにたいするできあいはようこをしてほとんどしぜんにちかい)

けれども、葉子の倉地に対する溺愛は葉子をしてほとんど自然に近い

(たやすさをもってそれをさせるにじゅうぶんだった。「きょうはわたしの)

容易(たやす)さをもってそれをさせるに充分だった。「きょうはわたしの

(へやでおもしろいことをしてあそびましょう。いらっしゃいな」そういって)

部屋でおもしろい事をして遊びましょう。いらっしゃいな」そういって

(しょうじょがしょうじょをさそうようにおうしのようにおおきなくらちをさそった。くらちはけむったいかおを)

少女が少女を誘うように牡牛のように大きな倉地を誘った。倉地は煙ったい顔を

(しながら、それでもそのあとからついてきた。へやはさすがにようこのもので)

しながら、それでもそのあとからついて来た。部屋はさすがに葉子のもので

(あるだけ、どことなくじょせいてきなやわらかみをもっていた。ひがしむきのこしだかまどには、)

あるだけ、どことなく女性的な軟らか味を持っていた。東向きの腰高窓には、

(もうふゆといっていいじゅういちがつまつのひがねつのないつよいひかりをいつけて、あめりかから)

もう冬といっていい十一月末の日が熱のない強い光を射つけて、アメリカから

(かってかえったじょうとうのこうすいをふりかけたにおいだまからかすかながらきわめてじょうひんな)

買って帰った上等の香水をふりかけた匂い玉からかすかながらきわめて上品な

(ほうふんをしずかにへやのなかにまきちらしていた。ようこはそのにおいだまのさがっている)

芳芬を静かに部屋の中にまき散らしていた。葉子はその匂い玉のさがっている

(かべぎわのはしらのしたに、じぶんにあてがわれたきらびやかなちりめんのざぶとんをうつして、)

壁ぎわの柱の下に、自分にあてがわれたきらびやかな縮緬の座ぶとんを移して、

(それにくらちをすわらせておいて、ちがいだなからゆうびんのたばをいくつとなく)

それに倉地をすわらせておいて、違い棚から郵便の束をいくつとなく

(とりおろしてきた。「さあけさはいわとのすきからよのなかをのぞいてみるのよ。)

取りおろして来た。「さあけさは岩戸のすきから世の中をのぞいて見るのよ。

(それもおもしろいでしょう」といいながらくらちによりそった。くらちはいくじゅっつうと)

それもおもしろいでしょう」といいながら倉地に寄り添った。倉地は幾十通と

(あるゆうびんぶつをみたばかりでいいかげんげんなりしたようすだったが、だんだんと)

ある郵便物を見たばかりでいいかげんげんなりした様子だったが、だんだんと

(きょうみをもよおしてきたらしく、ひのじゅんにひとつのたばからほどきはじめた。いかに)

興味を催して来たらしく、日の順に一つの束からほどき始めた。いかに

(つまらないじむようのつうしんでも、こうつうしゃだんのことうか、しょうへきでたかくかこまれたうつくしい)

つまらない事務用の通信でも、交通遮断の孤島か、障壁で高く囲まれた美しい

(ろうごくにとじこもっていたようなふたりにとってはよそういじょうのきさんじだった。くらちも)

牢獄に閉じこもっていたような二人に取っては予想以上の気散じだった。倉地も

(ようこもありふれたもんくにまでおもいぞんぶんのひひょうをくわえた。こういうときのようこは)

葉子もありふれた文句にまで思い存分の批評を加えた。こういう時の葉子は

(そのほとばしるようなあたたかいさいきのためによにすぐれておもしろみのおおいおんなに)

そのほとばしるような暖かい才気のために世にすぐれておもしろ味の多い女に

(なった。くちをついてでることばことばがどれもこれもけんらんなしきさいにつつまれていた。)

なった。口をついて出る言葉言葉がどれもこれも絢爛な色彩に包まれていた。

(ふつかめのところにはおかからきたてがみがあらわれでた。ふねのなかでのれいをのべて、とうとう)

二日目の所には岡から来た手紙が現われ出た。船の中での礼を述べて、とうとう

(ようことおなじふねでかえってきてしまったために、いえもとではあいかわらずのはくしじゃっこうと)

葉子と同じ船で帰って来てしまったために、家元では相変わらずの薄志弱行と

(ひとごとにおもわれるのがかれをふかくせめることや、ようこにてがみをだしたいとおもって)

人毎に思われるのが彼を深く責める事や、葉子に手紙を出したいと思って

(あらゆるてがかりをたずねたけれども、どうしてもわからないのでかいしゃで)

あらゆる手がかりを尋ねたけれども、どうしてもわからないので会社で

(ききあわせてじむちょうのじゅうしょをしりえたからこのてがみをだすということや、じぶんは)

聞き合わせて事務長の住所を知り得たからこの手紙を出すという事や、自分は

(ただただようこをあねとおもってそんけいもししたいもしているのだから、せめてそのこころを)

ただただ葉子を姉と思って尊敬もし慕いもしているのだから、せめてその心を

(かよわすだけのじゆうがあたえてもらいたいということだのが、おもいいったちょうしで、)

通わすだけの自由が与えてもらいたいという事だのが、思い入った調子で、

(へたなじたいでかいてあった。ようこはぼうきゃくのはいしのなかから、なまなまとしたしょうねんの)

下手な字体で書いてあった。葉子は忘却の廃址の中から、生々とした少年の

(だいりせきぞうをほりあてたひとのようにおもしろがった。「わたしがあいこの)

大理石像を掘りあてた人のようにおもしろがった。「わたしが愛子の

(としごろだったらこのひととしんじゅうぐらいしているかもしれませんね。あんなこころを)

年ごろだったらこの人と心中ぐらいしているかもしれませんね。あんな心を

(もったひとでもすこしとしをとるとおとこはあなたみたいになっちまうのね」「あなたとは)

持った人でも少し齢を取ると男はあなたみたいになっちまうのね」「あなたとは

(なんだ」「あなたみたいなあくとうに」「それはおかどがちがうだろう」)

なんだ」「あなたみたいな悪党に」「それはお門が違うだろう」

(「ちがいませんとも・・・ごどうようにというほうがいいわ。わたしはこころだけあなたに)

「違いませんとも・・・御同様にというほうがいいわ。私は心だけあなたに

(きて、からだはあのひとにやるとほんとはよかったんだが・・・」「ばか!)

来て、からだはあの人にやるとほんとはよかったんだが・・・」「ばか!

(おれはこころなんぞにようはないわい」「じゃこころのほうをあのひとにやろうかしらん」)

おれは心なんぞに用はないわい」「じゃ心のほうをあの人にやろうかしらん」

(「そうしてくれ。おまえにはいくつもこころがあるはずだから、ありったけくれて)

「そうしてくれ。お前にはいくつも心があるはずだから、ありったけくれて

(しまえ」「でもかわいそうだからいちばんちいさそうなのをひとつだけあなたのぶんに)

しまえ」「でもかわいそうだからいちばん小さそうなのを一つだけあなたの分に

(のこしておきましょうよ」そういってふたりはわらった。)

残して置きましょうよ」そういって二人は笑った。

(くらちはへんじをだすほうにおかのそのてがみをしわけた。ようこはそれをみて)

倉地は返事を出すほうに岡のその手紙を仕分けた。葉子はそれを見て

(かるいこうきしんがわくのをおぼえた。)

軽い好奇心がわくのを覚えた。

(たくさんのなかからはことうのもでてきた。あてなはくらちだったけれども、)

たくさんの中からは古藤のも出て来た。あて名は倉地だったけれども、

(そのなかからはきむらからようこにおくられたぶあつなてがみだけがふうじられていた。)

その中からは木村から葉子に送られた分厚な手紙だけが封じられていた。

(それとどうじなきむらのてがみがあとからにほんまであらわれでた。ようこはくらちの)

それと同時な木村の手紙があとから二本まで現われ出た。葉子は倉地の

(みているまえで、そのすべてをよまないうちにずたずたにひきさいてしまった。)

見ている前で、そのすべてを読まないうちにずたずたに引き裂いてしまった。

(「ばかなことをするじゃない。よんでみるとおもしろかったに」ようこをせんりょう)

「ばかな事をするじゃない。読んで見るとおもしろかったに」葉子を占領

(しきったじしんをほこりがなびしょうにみせながらくらちはこういった。「よむと)

しきった自信を誇りがな微笑に見せながら倉地はこういった。「読むと

(せっかくのひるごはんがおいしくなくなりますもの」そういってようこはむなくそわるい)

せっかくの昼御飯がおいしくなくなりますもの」そういって葉子は胸くそ悪い

(ようなかおつきをしてみせた。ふたりはまたたわいなくわらった。)

ような顔つきをして見せた。二人はまたたわいなく笑った。

(ほうせいしんぽうしゃからのもあった。それをみるとくらちは、いっときはもみけしをしようと)

報正新報社からのもあった。それを見ると倉地は、一時はもみ消しをしようと

(おもってわたりをつけたりしたのでこんなものがきているのだがもうようは)

思ってわたりをつけたりしたのでこんなものが来ているのだがもう用は

(なくなったのでみるにはおよばないといって、こんどはくらちがふうのままにひきさいて)

なくなったので見るには及ばないといって、今度は倉地が封のままに引き裂いて

(しまった。ようこはふとじぶんがきむらのてがみをさいたこころもちをくらちのそれに)

しまった。葉子はふと自分が木村の手紙を裂いた心持ちを倉地のそれに

(あてはめてみたりした。しかしそのぎもんもすぐすぎさってしまった。)

あてはめてみたりした。しかしその疑問もすぐ過ぎ去ってしまった。

(やがてゆうせんがいしゃからあてられたえどがわしのおおきなふうしょがあらわれでた。くらちは)

やがて郵船会社からあてられた江戸川紙の大きな封書が現われ出た。倉地は

(ちょっとまゆにしわをよせてすこしちゅうちょしたふうだったが、それをようこのてにわたして)

ちょっと眉に皺をよせて少し躊躇したふうだったが、それを葉子の手に渡して

(ようこにかいふうさせようとした。なんのきなしにそれをうけとったようこは)

葉子に開封させようとした。何の気なしにそれを受け取った葉子は

(まがさしたようにはっとおもった。とうとうくらちはじぶんのために・・・)

魔がさしたようにはっと思った。とうとう倉地は自分のために・・・

(ようこはすこしかおいろをかえながらふうをきってなかからそつぎょうしょうしょのようなかみをにまいと、)

葉子は少し顔色を変えながら封を切って中から卒業証書のような紙を二枚と、

(しょきがていねいにかいたらしいしょかんいっぷうとをさぐりだした。)

書記が丁寧に書いたらしい書簡一封とを探り出した。

(はたしてそれはめんしょくと、たいしょくいろうとのかいしゃのじれいだった。てがみにはたいしょくいろうきんの)

はたしてそれは免職と、退職慰労との会社の辞令だった。手紙には退職慰労金の

(うけとりかたにかんするちゅういがことごとしいぎょうしょでかいてあるのだった。ようこはなんと)

受け取り方に関する注意が事々しい行書で書いてあるのだった。葉子はなんと

(いっていいかわからなかった。こんなこいのたわむれのなかからかほどなだげきをうけよう)

いっていいかわからなかった。こんな恋の戯れの中からかほどな打撃を受けよう

(とはゆめにもおもってはいなかったのだ。くらちがここについたよくじつようこにいって)

とは夢にも思ってはいなかったのだ。倉地がここに着いた翌日葉子にいって

(きかせたことばはほんとうのことだったのか。これほどまでにくらちはしんみになって)

聞かせた言葉はほんとうの事だったのか。これほどまでに倉地は真身になって

(くれていたのか。ようこはじれいをひざのうえにおいたまましたをむいてだまってしまった。)

くれていたのか。葉子は辞令を膝の上に置いたまま下を向いて黙ってしまった。

(めがしらのところがひじょうにあついかんじをえたとおもった、はなのおくがあたたかくふさがって)

目がしらの所が非常に熱い感じを得たと思った、鼻の奥が暖かくふさがって

(きた。ないているばあいではないとおもいながらも、ようこはなかずにはいられないの)

来た。泣いている場合ではないと思いながらも、葉子は泣かずにはいられないの

(をしりぬいていた。「ほんとうにわたしがわるうございました・・・ゆるしてください)

を知り抜いていた。「ほんとうに私が悪うございました・・・許して下さい

(まし・・・(そういううちにようこはもうなきはじめていた)・・・わたしはもうひかげの)

まし・・・(そういううちに葉子はもう泣き始めていた)・・・私はもう日陰の

(めかけとしてでもかこいものとしてでもそれでじゅうぶんにまんぞくします。ええ、それで)

妾としてでも囲い者としてでもそれで充分に満足します。ええ、それで

(ほんとうにようござんす。わたしはうれしい・・・」くらちはいまさらなにをいうと)

ほんとうにようござんす。私はうれしい・・・」 倉地は今さら何をいうと

(いうようなへいきなかおでようこのなくのをみまもっていたが、「めかけもかこいものも)

いうような平気な顔で葉子の泣くのを見守っていたが、「妾も囲い者も

(あるかな、おれにはおんなはおまえひとりよりないんだからな。りえんじょうはよこはまのつちを)

あるかな、おれには女はお前一人よりないんだからな。離縁状は横浜の土を

(ふむといっしょにかかあにむけてぶっとばしてあるんだ」といって)

踏むと一緒に嬶(かかあ)に向けてぶっ飛ばしてあるんだ」といって

(あぐらのひざでびんぼうゆすりをしはじめた。)

あぐらの膝で貧乏ゆすりをし始めた。

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