マタイ福音書　２０章

(たいのだ。じぶんのものをじぶんがしたいようにするのは、あたりまえではないか。)

たいのだ。自分の物を自分がしたいようにするのは、当りまえではないか。

(それともわたしがきまえよくしているので、ねたましくおもうのか」。このように、)

それともわたしが気前よくしているので、ねたましく思うのか」。このように、

(あとのものはさきになり、さきのものはあとになるであろう」。さて、いえすは)

あとの者は先になり、先の者はあとになるであろう」。さて、イエスは

(えるされむへのぼるとき、じゅうにでしをひそかによびよせ、そのとちゅうでかれらにいわれた。)

エルサレムへ上る時、十二弟子を密かに呼びよせ、その途中で彼らに言われた。

(「みよ、わたしたちはえるされむへのぼっていくが、ひとのこはさいしちょう、りっぽうがくしゃ)

「見よ、わたしたちはエルサレムへ上って行くが、人の子は祭司長、律法学者

(たちのてにわたされるであろう。かれらはかれにしけいをせんこくし、そしてかれをあざけり、)

たちの手に渡されるであろう。彼らは彼に死刑を宣告し、そして彼をあざけり、

(むちうち、じゅうじかにつけさせるために、いほうじんにひきわたすであろう。そして)

むち打ち、十字架につけさせるために、異邦人に引きわたすであろう。そして

(かれはみっかめによみがえるであろう」。そのときぜべだいのこらのははがそのこらと)

彼は三日目によみがえるであろう」。そのときゼベダイの子らの母がその子らと

(いっしょにいえすのもとにきてひざまずき、なにごとかをおねがいした。そこでいえすはかのじょにいわ)

一緒にイエスの元にきて跪き、何事かをお願いした。そこでイエスは彼女に言わ

(れた「なにをしてほしいのか」。かのじょはいった「わたしのこのふたりのむすこが、あなたの)

れた「何をしてほしいのか」。彼女は言った「私のこの二人の息子が、あなたの

(みくにでひとりはあなたのみぎに、ひとりはひだりにすわれるように、おことばをください」。)

御国で一人はあなたの右に、一人は左に座れるように、お言葉をください」。

(いえすはこたえていわれた「あなたがたはじぶんがなにをもとめているのかわかっていない)

イエスは答えて言われた「あなた方は自分が何を求めているのかわかっていない

(わたしののもうとしているさかずきをのむことができるか」かれらは「できます」とこたえた。)

私の飲もうとしている杯を飲む事ができるか」彼らは「できます」と答えた。

(いえすはかれらにいわれた「たしかにあなたがたはわたしのさかずきをのむことになろう。しかし)

イエスは彼らに言われた「確かにあなた方は私の杯を飲む事になろう。しかし

(わたしのみぎ、ひだりにすわらせることはわたしのすることではなくわたしのちちによってそなえられているひとびと)

私の右、左に座らせる事は私のする事ではなく私の父によって備えられてる人々

(だけにゆるされることである」じゅうにんのものはこれをきいて、このふたりのきょうだいたちのことで)

だけに許されることである」十人の者はこれを聞いて、この二人の兄弟達の事で

(ふんがいした。そこでいえすはかれらをよびよせていわれた「あなたがたのしっている)

憤慨した。そこでイエスは彼らを呼び寄せて言われた「あなた方の知っている

(とおりいほうじんのしはいしゃたちはそのたみをおさめまたえらいひとたちはそのたみのうえにけんりょくをふる)

とおり異邦人の支配者達はその民を治めまた偉い人達はその民の上に権力をふる

(っている。あなたがたのあいだではそうであってはならない。かえってあなたがたのあいだで)

っている。あなた方の間ではそうであってはならない。かえってあなた方の間で

(えらくなりたいとおもうものはつかえるひととなり、あなたがたのあいだでかしらになりたいと)

偉くなりたいと思う者は仕える人となり、あなたがたの間でかしらになりたいと

(おもうものはしもべとならねばならない。それはひとのこがきたのもつかえられるためではなく)

思う者は僕とならねばならない。それは人の子がきたのも仕えられる為ではなく

(つかえるためでありまたおおくのひとのあがないとしてじぶんのいのちをあたえるためであるのと、)

仕えるためでありまた多くの人の贖いとして自分の命を与える為であるのと、

(ちょうどおなじである」。それからかれらがえりこをでていったとき、おおぜいのぐんしゅうが)

ちょうど同じである」。それから彼らがエリコを出て行った時、大勢の群衆が

(いえすにしたがってきた。するとふたりのもうじんがみちばたにすわっていたがいえすがとおって)

イエスに従ってきた。すると二人の盲人が道端に座っていたがイエスが通って

(いかれるときいてさけんでいった「しゅよ、だびでのこよわたしたちをあわれんでください」。)

行かれると聞いて叫んで言った「主よ、ダビデの子よ私達を憐れんで下さい」。

(ぐんしゅうはかれらをしかってだまらせようとしたが、かれらはますますさけびつづけていった、)

群衆は彼らを叱って黙らせようとしたが、彼らはますます叫び続けて言った、

(「しゅよ、だびでのこよ、わたしたちをあわれんでください」。いえすはたちどまり)

「主よ、ダビデの子よ、わたしたちをあわれんで下さい」。イエスは立ちどまり

(かれらをよんでいわれた、「わたしになにをしてほしいのか」。かれらはいった、)

彼らを呼んで言われた、「私に何をしてほしいのか」。彼らは言った、

(「しゅよ、めをあけていただくことです」。いえすはふかくあわれんで、かれらのめにさわ)

「主よ、目をあけて頂く事です」。イエスは深く憐れんで、彼らの目にさわ

(られた。するとかれらは、たちまちみえるようになり、いえすにしたがっていった。)

られた。すると彼らは、たちまち見えるようになり、イエスに従って行った。