古事記上巻・伊邪那美伊邪那岐２
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問題文
(しかありてのち、かへりますとき、きびのこじまをうみき。)
然ありて後、還ります時、吉備児島を生みき。
(またのなはたけひかたわけといふ。つぎにあづきじまをうみき。)
亦の名は建日方別を謂ふ。次に小豆島を生みき。
(またのなはおほのでひめといふ。つぎにおほしまをうみき。)
亦の名は大野手比売と謂ふ。次に大島を生みき。
(またのなはおほたまるわけといふ。つぎにひめじまをうみき。)
亦の名は大多麻流別と謂ふ。次に女島を生みき。
(またのなはあめひとつねといふ。つぎにちかのしまをうみき。)
亦の名は天一根と謂ふ。次に知訶島を生みき。
(またのなはあめのおしをといふ。つぎにふたごのしまをうみき。)
亦の名は天之忍男と謂ふ。次に両児島を生みき。
(またのなはあめふたやといふ。きびのこじまよりあめふたやじままであわせてむつしまをなす。)
亦の名は天両屋と謂ふ。吉備児島より天両屋島まで幷せて六つ島をなす。
(すでにくにをうみをへて、さらにかみをうみき。)
既に国を生み竟へて、更に神を生みき。
(かれ、うめるかみのなは、おほことおしをのかみ。)
故、生める神の名は、大事忍男神。
(つぎにいはつちびこのかみをうみ、つぎにいはすひめのかみをうみ、)
次に石土毘古神を生み、次に石巣比売神を生み、
(つぎにおほとひわけのかみをうみ、つぎにあめのふきをのかみをうみ、)
次に大戸日別神を生み、次に天之吹男神を生み、
(つぎにおほやびこのかみをうみ、つぎにかざもつわけのおしをのかみをうみ、)
次に大屋毘古神を生み、次に風木津別之忍男神を生み、
(つぎにうみのかみ、なはおほわたつみのかみをうみ、)
次に海の神、名は大綿津見神を生み、
(つぎにみとのかみ、なははやあきづひこのかみ、つぎにいもはやあきづひめのかみをうみき。)
次に水戸神、名は速秋津日子神、次に妹速秋津比売神を生みき。
(おほことおしをのかみよりはやあきづひめのかみまで、あはせてとはしらのかみ。)
大事忍男神より速秋津比売神まで、幷せて十はしら神。
(このはやあきづひこ、はやあきづひめのふたはしらのかみ、)
この速秋津日子、速秋津比売の二はしらの神、
(かはうみによりてもちわけて、うめるかみのなは、あはなぎのかみ、)
河海によりて持ち別けて、生める神の名は、沫那芸神、
(つぎにあはなみのかみ、つぎにつらなぎのかみ、つぎにつらなみのかみ、)
次に沫那美神、次に頬那芸神、次に頬那美神、
(つぎにあめのみくまりのかみ、つぎにくにのみくまりのかみ、)
次に天之水分神、次に国之水分神、
(つぎにあめのくひざもちのかみ、つぎにくにのくひざもちのかみ。)
次に天之久比奢母智神、次に国之久比奢母智神。
(あはなぎのかみよりくにのくひざもちのかみまで、あはせてはちはしらのかみ。)
沫那芸神より国之久比奢母智神まで、幷せて八はしらの神。
(つぎにかぜのかみ、なはしなつひこのかみをうみ、)
次に風の神、名は志那都比古神を生み、
(つぎにきのかみ、なはくくのちのかみをうみ、)
次に木の神、名は久久能智神を生み、
(つぎにやまのかみ、なはおほやまつみのかみをうみ、)
次に山の神、名は大山津見神を生み、
(つぎにののかみ、なはかやのひめのかみをうみき。またのなはのづちのかみといふ。)
次に野の神、名は鹿屋野比売神を生みき。亦の名は野椎神と謂ふ。
(しなつひこのかみよりのづちのかみまで、あはせてよはしらのかみ。)
志那都比古神より野椎神まで、幷せて四はしらの神。
(このおほやまつみのかみ、のづちのかみのふたはしらのかみ、)
この大山津見神、野椎神の二はしらの神、
(やまのによりてもちわけて、うめるかみのなは、)
山野によりて持ち別けて、生める神の名は、
(あめのさづちのかみ、つぎにくにのさづちのかみ、つぎにあめのさぎりのかみ、つぎにくにのさぎりのかみ、)
天之狭土神、次に国之狭土神、次に天之狭霧神、次に国之狭霧神、
(つぎにあめのくらどのかみ、つぎにくにのくらどのかみ、つぎにおほとまとひこのかみ、つぎにおほとまとひめのかみ。)
次に天之闇戸神、次に国之闇戸神、次に大戸惑子神、次に大戸惑女神。
(あめのさづちのかみよりおほとまとひめのかみまで、あはせてはちはしらのかみなり。)
天之狭土神より大戸惑女神まで、幷せて八はしらの神なり。