地獄の門

(じゃにみいられたらまっさかさまに)

蛇に魅入られたら　真っ逆さまに

(おちよじゃのみちふかくにくしみはたわわに)

堕ちよ　蛇の道深く　憎しみはたわわに

(きょじつははなとさきみだれみのる)

虚実は花と咲き乱れ実る

(ゆめのかしのだきすべきはらわた)

夢の瑕疵の　唾棄すべき腑(はらわた)

(てをかけよめいをもってそうはくにひらくゆび)

手をかけよ　命を以って　蒼白に開く指

(まみえるまえに)

まみえる前に

(もしもおまえがあんさつしゃならば)

もしもおまえが　暗殺者ならば

(まよいねたみうちくだくことができようか)

迷い　嫉み　打ち砕くことができようか

(もんぜつせよ)

悶絶せよ

(だらくするときはいっそみごとに)

堕落するときは　いっそ見事に

(ちをはきどくにまみれならくへとむかわん)

血を吐き　毒に塗れ　奈落へと向かわん

(そこでしかみえないてんをあおぎ)

其処でしか見えない天を仰ぎ

(やけただれてゆくあすをわらえよ)

灼(や)け爛れてゆく　明日を嗤えよ

(すがりつきはいあがるてつのあせしたにのせ)

縋り付き這い上がる　鉄の汗　舌にのせ

(あえぎはしごく)

アエぎは至極

(あくもけがれもいきてゆくこその)

悪も穢れも　生きてゆくこその

(いたみあかしなみだをよごすよりとうとく)

痛み　証　涙を汚すより貴く

(とうそうせよ)

闘争せよ

(あいをしりたくばまっくらがりへ)

愛を知りたくば　真っ暗がりへ

(もとめよあかごのようにさけびのたねのなか)

求めよ　赤子のように　叫びの胤の中

(うまれるまえのやみよみがえらん)

産まれるまえの闇　甦らん

(えらぶがいいもどるのかいくのか)

選ぶがいい　戻るのか行くのか

(もしもわたしがせいふくしゃならばひとのこころ)

もしもわたしが　征服者ならば　人の心

(わすれさってしまえるだろうか)

忘れ去ってしまえるだろうか

(かんらくせよ)

陥落せよ

(じゃにみいられたらまっさかさまに)

邪に魅入られたら　真っ逆さまに

(おちよじゃのたにふかくよろこびはうららに)

堕ちよ　蛇の谷深く　悦びはうららに

(げっかさえさいごにたどりつくは)

月華さえ最後に辿り着くは

(そこいのつちしずかなるえいいき)

底(そこい)の土　静かなるエイ域

(だらくすべきときさあさかれいに)

堕落すべきとき　さあさ華麗に

(ちをだきどくにいんしならくへとむかわん)

血を抱き　毒にインし　奈落へと向かわん

(このよのおわりにははてがないと)

この世の終わりには　果てがないと

(ああしるがいいもだえさかるひびに！)

嗚呼知るがいい　悶え盛る日々に！