「こころ」1-17 夏目漱石
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ヤス | 7789 | 神 | 8.0 | 97.1% | 219.4 | 1761 | 52 | 31 | 2024/10/18 |
2 | どんぐり | 6162 | A++ | 6.6 | 93.1% | 262.7 | 1747 | 128 | 31 | 2024/10/02 |
3 | ヌル | 5740 | A | 6.2 | 91.9% | 274.9 | 1730 | 152 | 31 | 2024/09/26 |
4 | mame | 5435 | B++ | 5.6 | 96.2% | 306.3 | 1732 | 67 | 31 | 2024/11/03 |
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問題文
(わたくしはいまぜんごのいきがかりをわすれてしまったから、せんせいがなんのために)
私は今前後の行き掛りを忘れてしまったから、先生が何のために
(こんなじはくをわたくしにしてきかせたのか、はっきりいうことができない。)
こんな自白を私にして聞かせたのか、判然いう事ができない。
(けれどもせんせいのたいどのまじめであったのと、ちょうしのしずんでいたのとは、)
けれども先生の態度の真面目であったのと、調子の沈んでいたのとは、
(いまだにきおくにのこっている。そのときただわたくしのみみにいようにひびいたのは、)
いまだに記憶に残っている。その時ただ私の耳に異様に響いたのは、
(「もっともこうふくにうまれたにんげんのいっついであるべきはずです」)
「最も幸福に生れた人間の一対であるべきはずです」
(というさいごのいっくであった。)
という最後の一句であった。
(せんせいはなぜこうふくなにんげんといいきらないで、あるべきはずであると)
先生はなぜ幸福な人間といい切らないで、あるべきはずであると
(ことわったのか。わたくしにはそれだけがふしんであった。)
断わったのか。私にはそれだけが不審であった。
(ことにそこへいっしゅのちからをいれたせんせいのごきがふしんであった。)
ことにそこへ一種の力を入れた先生の語気が不審であった。
(せんせいはじじつはたしてこうふくなのだろうか。わたくしはこころのうちでうたぐらざるをえなかった。)
先生は事実はたして幸福なのだろうか。私は心の中で疑らざるを得なかった。
(けれどもそのうたがいはいちじかぎりどこかへほうむられてしまった。)
けれどもその疑いは一時限りどこかへ葬られてしまった。
(わたくしはそのうちせんせいのるすにいって、おくさんとふたりさしむかいで)
私はそのうち先生の留守に行って、奥さんと二人差向いで
(はなしをするきかいにであった。)
話をする機会に出会った。
(せんせいはそのひよこはまをしゅっぱんするきせんにのってがいこくへいくべきゆうじんを)
先生はその日横浜を出帆する汽船に乗って外国へ行くべき友人を
(しんばしへおくりにいってるすであった。)
新橋へ送りに行って留守であった。
(よこはまからふねにのるひとが、あさはちじはんのきしゃでしんばしをたつのは)
横浜から船に乗る人が、朝八時半の汽車で新橋を立つのは
(そのころのしゅうかんであった。)
その頃の習慣であった。
(わたくしはあるしょもつについてせんせいにはなしてもらうひつようがあったので、)
私はある書物について先生に話してもらう必要があったので、
(あらかじめせんせいのしょうだくをえたとおり、やくそくのくじにほうもんした。)
あらかじめ先生の承諾を得た通り、約束の九時に訪問した。
(せんせいのしんばしゆきはぜんじつわざわざこくべつにきたゆうじんにたいするれいぎとして)
先生の新橋行きは前日わざわざ告別に来た友人に対する礼儀として
(そのひとつぜんおこったできごとであった。)
その日突然起った出来事であった。
(せんせいはすぐかえるからるすでもわたくしにまっているようにといいのこしていった。)
先生はすぐ帰るから留守でも私に待っているようにといい残して行った。
(それでわたくしはざしきへあがって、せんせいをまつあいだ、おくさんとはなしをした。)
それで私は座敷へ上がって、先生を待つ間、奥さんと話をした。
(そのときのわたくしはすでにだいがくせいであった。)
その時の私はすでに大学生であった。
(はじめてせんせいのうちへきたころからみるとずっとせいじんしたきでいた。)
始めて先生の宅へ来た頃から見るとずっと成人した気でいた。
(おくさんともだいぶこんいになったのちであった。)
奥さんとも大分懇意になった後であった。
(わたくしはおくさんにたいしてなんのきゅうくつもかんじなかった。)
私は奥さんに対して何の窮屈も感じなかった。
(さしむかいでいろいろのはなしをした。しかしそれはとくしょくのないただのだんわだから、)
差向いで色々の話をした。しかしそれは特色のないただの談話だから、
(いまではまるでわすれてしまった。そのうちでたったひとつ)
今ではまるで忘れてしまった。そのうちでたった一つ
(わたくしのみみにとまったものがある。)
私の耳に留まったものがある。
(しかしそれをはなすまえに、ちょっとことわっておきたいことがある。)
しかしそれを話す前に、ちょっと断っておきたい事がある。