「こころ」1-33 夏目漱石

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(上)先生と私
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3 りく 6091 A++ 6.2 97.6% 244.6 1526 36 31 2024/03/18
4 kkk 3652 D+ 3.9 93.5% 389.9 1530 106 31 2024/03/31

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問題文

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(かえるとき、おくさんは)

帰る時、奥さんは

(「どうもおきのどくさま」)

「どうもお気の毒さま」

(とえしゃくした。)

と会釈した。

(そのちょうしはいそがしいところをひまをつぶさせてきのどくだというよりも、)

その調子は忙しいところを暇を潰させて気の毒だというよりも、

(せっかくきたのにどろぼうがはいらなくってきのどくだという)

せっかく来たのに泥棒がはいらなくって気の毒だという

(じょうだんのようにきこえた。)

冗談のように聞こえた。

(おくさんはそういいながら、さっきだしたせいようがしののこりを、)

奥さんはそういいながら、先刻出した西洋菓子の残りを、

(かみにつつんでわたくしのてにもたせた。)

紙に包んで私の手に持たせた。

(わたくしはそれをたもとへいれて、ひとどおりのすくないよさむのこうじをきょくせつして)

私はそれを袂へ入れて、人通りの少ない夜寒の小路を曲折して

(にぎやかなまちのほうへいそいだ。)

賑やかな町の方へ急いだ。

(わたくしはそのばんのことをきおくのうちからひきぬいてここへくわしくかいた。)

私はその晩の事を記憶のうちから抽き抜いてここへ詳しく書いた。

(これはかくだけのひつようがあるからかいたのだが、じつをいうと、)

これは書くだけの必要があるから書いたのだが、実をいうと、

(おくさんにかしをもらってかえるときのきぶんでは、それほどとうやのかいわを)

奥さんに菓子を貰って帰るときの気分では、それほど当夜の会話を

(おもくみていなかった。)

重く見ていなかった。

(わたくしはそのよくじつひつめしをくいにがっこうからかえってきて、)

私はその翌日午飯を食いに学校から帰ってきて、

(ゆうべつくえのうえにのせておいたかしのつつみをみると、すぐそのなかから)

昨夜机の上に載せて置いた菓子の包みを見ると、すぐその中から

(ちょこれーとをぬったとびいろのかすてらをだしてほおばった。)

チョコレートを塗った鳶色のカステラを出して頬張った。

(そうしてそれをくうときに、ひっきょうこのかしをわたくしにくれたふたりのなんにょは、)

そうしてそれを食う時に、必竟この菓子を私にくれた二人の男女は、

(こうふくないっついとしてよのなかにそんざいしているのだとじかくしつつあじわった。)

幸福な一対として世の中に存在しているのだと自覚しつつ味わった。

(あきがくれてふゆがくるまでかくべつのこともなかった。)

秋が暮れて冬が来るまで格別の事もなかった。

など

(わたくしはせんせいのうちへではいりをするついでに、いふくのあらいはりや)

私は先生の宅へ出はいりをするついでに、衣服の洗い張りや

(したてかたなどをおくさんにたのんだ。)

仕立て方などを奥さんに頼んだ。

(それまでじゅばんというものをきたことのないわたくしが、しゃつのうえにくろいえりの)

それまで襦袢というものを着た事のない私が、シャツの上に黒い襟の

(かかったものをかさねるようになったのはこのときからであった。)

かかったものを重ねるようになったのはこの時からであった。

(こどものないおくさんは、そういうせわをやくのがかえってたいくつしのぎになって、)

子供のない奥さんは、そういう世話を焼くのがかえって退屈凌ぎになって、

(けっくからだのくすりだぐらいのことをいっていた。)

結句身体の薬だぐらいの事をいっていた。

(「こりゃておりね。こんなじのいいきものはいままでぬったことがないわ。)

「こりゃ手織りね。こんな地の好い着物は今まで縫った事がないわ。

(そのかわりぬいにくいのよそりゃあ。まるではりがたたないんですもの。)

その代り縫い悪いのよそりゃあ。まるで針が立たないんですもの。

(おかげではりをにほんおりましたわ」)

お蔭で針を二本折りましたわ」

(こんなくじょうをいうときですら、おくさんはべつにめんどうくさいというかおを)

こんな苦情をいう時ですら、奥さんは別に面倒くさいという顔を

(しなかった。)

しなかった。

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