【2ch洒落怖】『八尺様』1

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プレイ回数1027難易度(4.3) 3917打 長文 長文モードのみ
縁側でくつろいでいると、「ポポポ」という不気味な声が聞こえ…
【2008年8月26日に投稿された体験談】

●八尺様
・背丈が八尺(240㎝)ある女性
・頭に何かを載せている
・「ポポポ」という、変な笑い方をしている
・子供が被害に遭う

次回→https://typing.twi1.me/game/337240

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問題文

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(おやじのじっかは、じたくからくるまで)

親父の実家は、自宅から車で

(にじかんくらいのところにある。)

二時間くらいの所にある。

(のうかなんだけど、なんかそういったふんいきがすきで、)

農家なんだけど、なんかそういった雰囲気が好きで、

(こうこうせいになってばいくにのるようになると、)

高校生になってバイクに乗るようになると、

(なつやすみやふゆやすみなんかに、よくひとりであそびにいってた。)

夏休みや冬休みなんかに、よく一人で遊びに行ってた。

(じいちゃんとばあちゃんも、)

じいちゃんとばあちゃんも、

(「よくきてくれた」とよろこんでむかえてくれるからね。)

「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれるからね。

(でもさいごにいったのがこうこうさんねんにあがるちょくぜんだから、)

でも最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、

(もうじゅうねんいじょうもいっていないことになる。)

もう十年以上も行っていないことになる。

(けっして「いかなかった」んじゃなくて、)

決して「行かなかった」んじゃなくて、

(「いけなかった」んだけど、そのわけはいかのとおりだ。)

「行けなかった」んだけど、その訳は以下の通りだ。

(はるやすみにはいったばかりのころ、いいてんきにさそわれて、)

春休みに入ったばかりの頃、いい天気に誘われて、

(じいちゃんのいえにばいくでいった。)

じいちゃんの家にバイクで行った。

(まださむかったけど、えんがわはぽかぽかときもちよく、)

まだ寒かったけど、縁側はポカポカと気持ちよく、

(そこでしばらくくつろいでいた。)

そこでしばらく寛いでいた。

(そうしたら、「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽ」)

そうしたら、「ポポ、ポポッポ、ポ、ポ」

(と、へんなおとがきこえてきた。)

と、変な音が聞こえてきた。

(きかいてきなおとじゃなくて、ひとがはっしているようなかんじだ。)

機械的な音じゃなくて、人が発しているような感じだ。

(それも、だくおんともはんだくおんともとれるようなかんじだった。)

それも、濁音とも半濁音とも取れるような感じだった。

(なんだろうとおもっていると、)

なんだろうと思っていると、

など

(にわのいけがきのうえに、ぼうしがあるのにきづいた。)

庭の生け垣の上に、帽子があるのに気づいた。

(いけがきのうえにおいてあったわけじゃない。)

生け垣の上に置いてあったわけじゃない。

(ぼうしはそのままよこにいどうし、)

帽子はそのまま横に移動し、

(いけがきのきれめまでくると、ひとりのじょせいがみえた。)

生け垣の切れ目まで来ると、一人の女性が見えた。

(つまりぼうしは、そのじょせいがかぶっていたわけだ。)

つまり帽子は、その女性がかぶっていたわけだ。

(じょせいは、しろっぽいわんぴーすをきていた。)

女性は、白っぽいワンピースを着ていた。

(でもいけがきのたかさは、にめーとるくらいある。)

でも生け垣の高さは、二メートルくらいある。

(そのいけがきからあたまをだせるって、)

その生け垣から頭を出せるって、

(どれだけせのたかいおんななんだろう。)

どれだけ背の高い女なんだろう。

(そうおどろいているとおんなは、またいどうしてしかいからきえた。)

そう驚いていると女は、また移動して視界から消えた。

(ぼうしもきえていた。また、いつのまにか)

帽子も消えていた。また、いつのまにか

(「ぽぽぽ」というおともなくなっていた。)

「ポポポ」という音も無くなっていた。

(そのときは、せのたかいおんながちょうあつぞこぶーつをはいていたか、)

その時は、背の高い女が超厚底ブーツを履いていたか、

(もしくはじょそうしたおとこがかかとのたかいくつをはいていたか、)

もしくは女装した男がかかとの高い靴を履いていたか、

(くらいにしかおもわなかった。)

くらいにしか思わなかった。

(そのご、いまでおちゃをのみながら、)

そのご、居間でお茶を飲みながら、

(じいちゃんとばあちゃんに、さっきのことをはなした。)

じいちゃんとばあちゃんに、さっきのことを話した。

(「さっき、おおきなおんなをみたよ。)

「さっき、大きな女を見たよ。

(おとこがじょそうしていたのかなあ」といっても、)

男が女装していたのかなあ」と言っても、

(「へえー」くらいしかいわなかったけど、)

「へえー」くらいしか言わなかったけど、

(「いけがきよりせがたかかった。)

「生け垣より背が高かった。

(ぼうしをかぶっていて、ぽぽぽとへんなこえをだしてた」)

帽子をかぶっていて、ポポポと変な声を出してた」

(といったとたん、ふたりのうごきがとまった。)

と言った途端、二人の動きが止った。

(いや、ほんとうにぴたりととまった。)

いや、本当にピタリと止った。

(そのご、「いつみた。どこでみたか。)

そのご、「いつ見た。どこで見たか。

(いけがきよりどのくらいたかかったか」と、)

生け垣よりどのくらい高かったか」と、

(じいちゃんがおこったようなかおでしつもんをあびせてきた。)

じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。

(じいちゃんのきはくにおされながらもそれにこたえると、)

じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、

(きゅうにだまりこんで、ろうかにあるでんわのところまでいき、)

急に黙り込んで、廊下にある電話の所まで行き、

(どこかにでんわをかけだした。)

どこかに電話をかけだした。

(ひきどがとじられていたため、)

引き戸が閉じられていたため、

(なにをはなしているかはよくわからなかった。)

何を話しているかは良く分からなかった。

(ばあちゃんは、こころなしかふるえているようにみえた。)

ばあちゃんは、心なしか震えているように見えた。

(じいちゃんはでんわをおえたのか、もどってくると、)

じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると、

(「きょうはとまっていけ。)

「今日は泊まっていけ。

(いや、きょうはかえすわけにはいかなくなった」といった。)

いや、今日は帰すわけにはいかなくなった」と言った。

(なにか、ひじょうにわるいことをしてしまったんだろうか。)

なにか、非常に悪いことをしてしまったんだろうか。

(そうひっしにかんがえたが、なにもおもいあたらない。)

そう必死に考えたが、何も思い当たらない。

(あのおんなだって、じぶんからみにいったわけじゃなく、)

あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、

(あちらからあらわれたわけだし。)

あちらから現れたわけだし。

(そして、「ばあさん、あとはたのむ。)

そして、「ばあさん、あとは頼む。

(おれはkさんをむかえにいってくる」といいのこし、)

俺はkさんを迎えに行って来る」と言い残し、

(じいちゃんはけいとらっくでどこかにでかけていった。)

じいちゃんは軽トラックでどこかに出かけて行った。

(ばあちゃんにおそるおそるたずねてみると、)

ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、

(「はっしゃくさまにみいられてしまったようだよ。)

「八尺様に魅入られてしまったようだよ。

(じいちゃんがなんとかしてくれる。)

じいちゃんが何とかしてくれる。

(なんにもしんぱいしなくていいから」と、ふるえたこえでいった。)

何にも心配しなくていいから」と、震えた声で言った。

(それからばあちゃんは、じいちゃんがもどってくるまで、)

それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまで、

(ぽつりぽつりとはなしてくれた。)

ポツリポツリと話してくれた。

(このあたりには「はっしゃくさま」という、やっかいなものがいる。)

このあたりには「八尺様」という、厄介なモノがいる。

(はっしゃくさまは、おおきなおんなのすがたをしている。)

八尺様は、大きな女の姿をしている。

(なまえのとおり、はっしゃくほどのせたけがあり、)

名前の通り、八尺ほどの背丈があり、

(「ぽぽぽ」と、おとこのようなこえでへんなわらいかたをする。)

「ポポポ」と、男のような声で変な笑い方をする。

(ひとによってもふくをきたわかいおんなだったり、)

人によって喪服を着た若い女だったり、

(のうさぎょうぎをきたちゅうねんだったり、)

農作業着を着た中年だったり、

(そでのみじかいふりそでをきたろうばだったりと、みえかたがちがう。)

袖の短い振り袖を着た老婆だったりと、見え方が違う。

(しかしきょうつうして、あたまになにかをのせているおんなであり、)

しかし共通して、頭になにかを載せている女であり、

(そのおんなはいようなほどせがたかくて、)

その女は異様なほど背が高くて、

(きみわるいようなわらいかたをしている。)

気味悪いような笑い方をしている。

(「むかし、たびびとについてきた」)

「昔、旅人に憑いて来た」

(といううわさもあるが、さだかではない。)

という噂もあるが、定かではない。

(はっしゃくさまは、じぞうによりこのちくにふういんされており、)

八尺様は、地蔵によりこの地区に封印されており、

(よそへはいくことができない。)

よそへは行くことが出来ない。

(はっしゃくさまにみいられると、すうじついないにころされてしまう。)

八尺様に魅入られると、数日以内に殺されてしまう。

(さいごにはっしゃくさまのひがいがでたのは、じゅうごねんほどまえ。)

最後に八尺様の被害が出たのは、十五年ほど前。

(これは、あとからきいたはなしだが、)

これは、あとから聞いた話だが、

(じぞうによってふういんされているというのは、)

地蔵によって封印されているというのは、

(はっしゃくさまがよそへいどうできるみちは、)

八尺様がよそへ移動できる道は、

(なぜかわからないがかぎられているので、)

なぜか分からないが限られているので、

(そのみちのむらのさかいめにじぞうをまつったそうだ。)

その道の村の境目に地蔵をまつったそうだ。

(はっしゃくさまのいどうをふせぐため、)

八尺様の移動を防ぐため、

(とうざいなんぼくのさかいにけいよんかしょあるらしい。)

東西南北の境に計四ヶ所あるらしい。

(もっとも、なんでそんなものをかこっておくのかというと、)

もっとも、何でそんなモノを囲っておくのかというと、

(しゅうへんのむらとなんらかのきょうていをむすんだためらしい。)

周辺の村と何らかの協定を結んだためらしい。

(たとえば、はたけやたんぼにかわのみずをゆうせんしてくれるなど。)

例えば、畑や田んぼに川の水を優先してくれるなど。

(はっしゃくさまのひがいは、すうねんからじゅうすうねんにいちどくらいなので、)

八尺様の被害は、数年から十数年に一度くらいなので、

(むかしのひとは、そこそこゆうりなきょうていをむすべればよし、)

昔の人は、そこそこ有利な協定を結べれば良し、

(とおもったのだろう。)

と思ったのだろう。

(そんなことをきいてもぜんぜん、げんじつにおもえなかった。)

そんなことを聞いても全然、現実に思えなかった。

(そのうち、じいちゃんがひとりのろうばをつれてきた。)

そのうち、じいちゃんが一人の老婆を連れてきた。

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