怖い話《当たりの日》

背景
投稿者投稿者やゆいいね2お気に入り登録
プレイ回数274難易度(5.0) 2953打 長文

※このタイピングは、ランキング登録を受け付けていません。

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示

(ゆうじんのはなしです。)

友人の話です。

(かれがしょうがく3ねんせいのころ、とうじつりにはまっていたかれは)

彼が小学3年生の頃、当時釣りにハマっていた彼は

(きんじょのぬまちによくいっていたそうです。)

近所の沼地によく行っていたそうです。

(あさはやく(だいたい6じごろ)つりにいくとぜんじつふったあめのせいかぎりがでていて)

朝早く(大体6時頃)釣りに行くと前日降った雨のせいか霧が出ていて

(すこしぶきみにおもいながらもつりのじゅんびをはじめました。)

少し不気味に思いながらも釣りの準備を始めました。

(じゅんびをしているとふいに「ぼく、つりかい?」とはなしかけられ)

準備をしていると不意に「僕、釣りかい?」と話しかけられ

(ふりかえるとしょろうのだんせいがたっていました。)

振り返ると初老の男性が立っていました。

(ゆうじんはすこしおどろきながらも「ばすとかふなとかつれるんだ!」とこたえると)

友人は少し驚きながらも「バスとかフナとか釣れるんだ!」と答えると

(だんせいは「そうか、ならきょうはあたりのひだよ。たくさんつれるはずだから」)

男性は「そうか、なら今日は当たりの日だよ。沢山釣れるはずだから」

(とやさしげなえみをうかべながらいったそうです。)

と優しげな笑みを浮かべながら言ったそうです。

(そのことばをきいたゆうじんはうれしくなっていきようようとつりをはじめました。)

その言葉を聞いた友人は嬉しくなって意気揚々と釣りを始めました。

(つりをはじめてまもなくまさにいれぐいじょうたいといったぐあいにさかながつれました。)

釣りを始めて間もなく正に入れ食い状態と言った具合に魚が釣れました。

(もってきたばけつもあっというまにいっぱいになり)

持ってきたバケツもあっという間にいっぱいになり

(「もっとばけつもってくればよかった」)

「もっとバケツ持ってくれば良かった」

(とおもっているとあることにきがつきました。)

と思っているとある事に気が付きました。

(「ぬまがいつもよりくさい」そうかんじたそうです。)

「沼がいつもより臭い」そう感じたそうです。

(ゆうじんがかよっていたぬまちはおおくのつりびとがあつまるばしょでみないちように)

友人が通っていた沼地は多くの釣り人が集まる場所で皆一様に

(つったさかなをみちばたやちかくのしげみにすてていくらしく、)

釣った魚を道端や近くの茂みに捨てていくらしく、

(くさったさかなをたべにきたどうぶつのふんのにおいでじゅうまんするようなばしょだったそうです。)

腐った魚を食べに来た動物の糞の臭いで充満するような場所だったそうです。

(そんなばしょのかすかないへん「においがこくてちがうにおいがする」)

そんな場所の微かな異変「匂いが濃くて違う匂いがする」

など

(とゆうじんはおもいづりをきりあげてしゅういのたんさくにきりかえました。)

と友人は思い釣りを切り上げて周囲の探索に切り替えました。

(あさにたちこめていたきりもはれはじめにおいのするほうへとあるいていきました。)

朝に立ち込めていた霧も晴れ始め匂いのする方へと歩いて行きました。

(そのときどこからかぽちゃん、ぽちゃんとすいめんをたたくようなおとがきこえ)

その時どこからかポチャン、ポチャンと水面を叩くような音が聞こえ

(おとのするほうへとむかうときょうれつないしゅうが。)

音のする方へと向かうと強烈な異臭が。

(めもあけられないほどくさくなにごとかとおもいまえをみるとふはいがすすんだろうじんのいたい、)

目も開けられない程臭く何事かと思い前を見ると腐敗が進んだ老人の遺体、

(そのいたいからうじがわきぬまにおちてそれにさかながむらがっていたそうです。)

その遺体から蛆が湧き沼に落ちてそれに魚が群がっていたそうです。

(そのこうけいにこしをぬかしこえもだせずろうばいしているとすぐちかくにのしげみが)

その光景に腰を抜かし声も出せず狼狽しているとすぐ近くにの茂みが

(がさがさとおとをたてひとのきはいが、)

ガサガサと音を立て人の気配が、

(そしてしせんをしげみにむけると「うへへひひっっっ!!」)

そして視線を茂みに向けると「ウヘヘヒヒッッッ!!」

(とぶきみなわらいごえとかめらのしゃったーおとがしたそうです。)

と不気味な笑い声とカメラのシャッター音がしたそうです。

(さらなるいへんにぱにっくになるゆうじん、そんななかかれはみたそうです。)

更なる異変にパニックになる友人、そんな中彼は見たそうです。

(あさにであっただんせいがまんめんのえみをうかべゆうじんのしゃしんをとっているのを。)

朝に出会った男性が満面の笑みを浮かべ友人の写真を撮っているのを。

(そのあとゆうじんはちかくのつりびとにたすけをもとめけいさつがくるさわぎになったそうですが)

その後友人は近くの釣り人に助けを求め警察が来る騒ぎになったそうですが

(あたまがまっしろになりそのへんはまったくおぼえていないそうです。)

頭が真っ白になりその辺は全く覚えていないそうです。

(このはなしをきいたとき、じぶんはそのおっさんのことはけいさつにはなしたのかゆうじんに)

この話を聞いた時、自分はそのおっさんの事は警察に話したのか友人に

(たずねましたが、「いってない、いったのがばれたらころされるとおもったから」)

尋ねましたが、「言ってない、行ったのがバレたら殺されると思ったから」

(とかたっており、じぶんにはなすまでのやく10ねんかんおとこのそんざいを)

と語っており、自分に話すまでの約10年間男の存在を

(だれにもいわずむねにしまっていたそうです。)

誰にも言わず胸にしまっていたそうです。

(つづけてゆうじんは「あのじけんがとらうまになってつりができなくなった。)

続けて友人は「あの事件がトラウマになって釣りが出来なくなった。

(それにまだあのいかれたおやじがじもとにいるかとおもうとこわくてしかたない」)

それにまだあのイカれたオヤジが地元にいるかと思うと怖くて仕方ない」

(とためいきまじりにはなしていました。)

と溜息混じりに話していました。

(このはなしからさらに10すうねんがたちましたが、)

この話から更に10数年が経ちましたが、

(ゆうじんはいまだれいのぬまちにちかづくことがおろかじっかにすらかえれずにいます。)

友人は未だ例の沼地に近づく事がおろか実家にすら帰れずにいます。

(ゆうじんたちとこのじけんにかんしていろいろかんがえましたが、)

友人達とこの事件に関して色々考えましたが、

(けっきょくのところおとこのもくてきはいまだわからず(というよりりかいしたくもないですが))

結局のところ男の目的は未だ分からず(というより理解したくもないですが)

(なにのためにしゃしんをとったのかそれすらもわからないままです。)

何の為に写真を撮ったのかそれすらも分からないままです。

(そしていやなそうぞうになりますがおとこはいたいのそんざいとじょうたいをはあくし、)

そして嫌な想像になりますが男は遺体の存在と状態を把握し、

(そのうえで「あたりのひ」とめいうってゆうじんにこえをかけしたいをみつけるまで)

その上で「当たりの日」と銘打って友人に声を掛け死体を見つけるまで

(かくれひそみそのしゅんかんをいまかいまかとまっていたのではないかと)

隠れ潜みその瞬間を今か今かと待っていたのではないかと

(ほんにんふくめなかまないでかんがえております。)

本人含め仲間内で考えております。

(いじょうがゆうれいよりいきているにんげんのほうがこわいとこころのそこからおもわせる)

以上が幽霊より生きている人間の方が怖いと心の底から思わせる

(ゆうじんのたいけんだんでした。)

友人の体験談でした。

問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告

やゆのタイピング

オススメの新着タイピング

タイピング練習講座 ローマ字入力表 アプリケーションの使い方 よくある質問

人気ランキング

注目キーワード