サマーウォーズ
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問題文
(おしよせるぞうひょうをけちらす、せんごくぶしょうのきぶんだった。)
押し寄せる雑兵を蹴散らす、戦国武将の気分だった。
(ときはげんだい。よはへいおん。)
時は現代。世は平穏。
(21せいきにとつにゅうしていちだんらくしたにほんこくに、かたなをふりかざすへいばがいるはずもなく)
21世紀に突入して一段落した日本国に、刀を振りかざす兵馬がいるはずもなく
(かるはうまならぬ、こうこうせいかつ2ねんかんぷらすすうかげつのとうげこうで)
駆るは馬ならぬ、高校生活2年間プラス数か月の登下校で
(くらくをともにしたままちゃり。)
苦楽を共にしたママチャリ。
(せんじょうであるとかいをとりかこむのはぞうひょうではなく、あらゆるのいず。)
戦場である都会を取り囲むのは雑兵ではなく、あらゆる雑音(ノイズ)。
(たったいま、くぐりぬけたこうかせんからはちゅうおうせんをはしるかいそくれっしゃのしんどうがひびき、)
たった今、くぐり抜けた高架線からは中央線を走る快速列車の振動が響き、
(こくどうをはしるじどうしゃはえんじんおんとくらくしょんをかきならして)
国道を走る自動車はエンジン音とクラクションをかき鳴らして
(じゅうたいをつくっている。)
渋滞を作っている。
(ほどうをあるくつうこうにんはけいたいでんわをあいてにおしゃべりをして、)
歩道を歩く通行人は携帯電話を相手にお喋りをして、
(あるばいとのわかいだんじょがせんでんもんくをくちにしながら)
アルバイトの若い男女が宣伝文句を口にしながら
(みちゆくにんげんにぽけっとてぃっしゅをおしつけている。)
道行く人間にポケットティッシュを押しつけている。
(そびえたつこうそうびるでぃんぐがきらめき、)
そびえ立つ高層ビルディングが煌めき、
(ままちゃりをかるかのじょにむかってようしゃなくはんしゃこうをあびせかける。)
ママチャリを駆る彼女に向かって容赦なく反射光を浴びせかける。
(せいふくのわいしゃつはよくかぜをとおしたが、)
制服のワイシャツはよく風を通したが、
(せなかはしないぶくろとみっちゃくしているせいで、じっとりとあせばんでいた。)
背中は竹刀袋と密着しているせいで、じっとりと汗ばんでいた。
(がたん、としゃりんがだんさをふんだしょうげきで、)
ガタン、と車輪が段差を踏んだ衝撃で、
(じてんしゃのかごにななめにほうりこんでいたかばんがいっしゅん、うきあがった。)
自転車のカゴに斜めに放り込んでいた鞄が一瞬、浮き上がった。
(「はっ、、、はっ、、、」)
「はっ、、、はっ、、、」
(ややまえのめりのたいせいでじてんしゃをこぐ、じぶんのいきづかいがみみもとできこえた。)
やや前のめりの体勢で自転車を漕ぐ、自分の息づかいが耳元で聞こえた。
(からだをかたむけてかどをまがり、くだりざかですぴーどにのる。)
体を傾けて角を曲がり、下り坂でスピードに乗る。
(くらくしょんのけんそうがとおのき、)
クラクションの喧噪が遠のき、
(かわりにしゃわしゃわというせみのなきごえがふりそそいだ。)
代わりにシャワシャワという蝉の鳴き声が降り注いだ。
(しんじゅくちゅうおうこうえんにとびこんで、しょーとかっと。)
新宿中央公園に飛び込んで、ショートカット。
(たちこめるしぜんのにおいと、かおをあげればおおきなきとこうそうびるでぃんぐが)
たちこめる自然の匂いと、顔を上げれば大きな樹と高層ビルディングが
(かさなってそびえたつふうけいは、きらいではない。)
重なってそびえ立つ風景は、嫌いではない。
(じぶんのなまえにふくまれていることもあって、かのじょはいちねんかんでこのじきがいちばんすきだ)
自分の名前に含まれていることもあって、彼女は一年間でこの時期が一番好きだ
(まうんてんばいくのあくろばっとや、だんすのれんしゅうをしているみずのひろばを、)
マウンテンバイクのアクロバットや、ダンスの練習をしている水の広場を、
(いっちょくせんによこぎる。)
一直線に横切る。
(”ないあがらのたき”がみずしぶきをあげているせいか、)
”ナイアガラの滝”が水飛沫を上げているせいか、
(ここだけすこしすずしいきがした。)
ここだけ少し涼しい気がした。
(「はぁっ」)
「はぁっ」
(こうえんをいきおいよくとびだし、おおきくいきをすいこむ。)
公園を勢いよく飛び出し、大きく息を吸い込む。
(こうさてんにさしかかってげんそくするが、たいみんぐよくあおしんごうにかわったことで、)
交差点にさしかかって減速するが、タイミングよく青信号に変わったことで、
(みをのりだしてさいかそく。)
身を乗り出して再加速。
(とかいは、きらいではない。)
都会は、嫌いではない。
(めまぐるしくかわるにちじょうにほんろうされるのもすきだし、)
目まぐるしく変わる日常に翻弄されるのも好きだし、
(にぎやかでいそがしいのもしょうにあっている。)
賑やかで忙しいのも性に合っている。
(ひとりよりもおおぜいのほうがたのしいし、いっしょうけんめいなひとたちにかこまれるとちがさわぐ。)
一人よりも大勢のほうが楽しいし、一生懸命な人たちに囲まれると血が騒ぐ。
(ーっと、「ちがさわぐ」なんていったら、ごせんぞじまんばかりしている)
ーっと、「血が騒ぐ」なんて言ったら、ご先祖自慢ばかりしている
(しんせきのおじさんににて、とまたりょうしんにわらわれるだろうか?)
親戚のおじさんに似て、とまた両親に笑われるだろうか?
(ままちゃりをこぎつづけ、せみろんぐのかみがあせでひたいにはりついたころ、)
ママチャリを漕ぎ続け、セミロングの髪が汗で額に張りついた頃、
(こうそうびるのたにまにみなれたくうかんがあらわれた。)
高層ビルの谷間に見慣れた空間が現れた。