紫式部 源氏物語 絵合 2 與謝野晶子訳
| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | subaru | 8032 | 神 | 8.3 | 95.9% | 215.0 | 1804 | 77 | 26 | 2025/11/26 |
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問題文
(このごろはにょいんもごしょへきておいでになった。みかどはあたらしいにょごのまいることを)
このごろは女院も御所へ来ておいでになった。帝は新しい女御の参ることを
(おききになって、しょうねんらしくこうふんしておいでになった。ごねんれいよりはずっと)
お聞きになって、少年らしく興奮しておいでになった。御年齢よりはずっと
(おとなびたかたなのである。にょいんも、 「りっぱなかたがにょごにあがって)
大人びた方なのである。女院も、 「りっぱな方が女御に上がって
(こられるのですから、おきをおつけになっておあいなさい」)
来られるのですから、お気をおつけになってお逢いなさい」
(とごちゅういをあそばした。みかどはひとしれずおとなのにょごははずかしいであろうと)
と御注意をあそばした。帝は人知れず大人の女御は恥ずかしいであろうと
(おぼしめされたが、しんこうになってからうえのおつぼねへあがってきたにょごは、)
思召されたが、深更になってから上の御局へ上がって来た女御は、
(おとなしいおおような、そしてこがらなわかわかしいひとであったからしぜんにあいを)
おとなしいおおような、そして小柄な若々しい人であったから自然に愛を
(おかんじになった。こきでんのにょごははやくからおそばにあがっていたから)
お感じになった。弘徽殿の女御は早くからおそばに上がっていたから
(そのひとをむつまじいものにおぼしめされ、このしんにょごはひんよくやわらかいみりょくが)
その人を睦まじい者に思召され、この新女御は品よく柔らかい魅力が
(あるとともに、げんじがおおきなはいけいをつくって、きわめてだいじにとりあつかうてんで)
あるとともに、源氏が大きな背景を作って、きわめて大事に取り扱う点で
(あなどりがたいひとにおぼしめされてとのいにめされるかずはただしくはんはんになっていたが、)
侮りがたい人に思召されて宿直に召される数は正しく半々になっていたが、
(しょうねんらしくおあそびになるあいてにはこきでんがよくて、ひるなどおいでになることは)
少年らしくお遊びになる相手には弘徽殿がよくて、昼などおいでになることは
(こきでんのほうがおおかった。ごんのちゅうなごんはきさきにもたてたいこころでこうきゅうにいれたむすめに、)
弘徽殿のほうが多かった。権中納言は后にも立てたい心で後宮に入れた娘に、
(きょうそうしゃのできたことでふあんをかんじていた。)
競争者のできたことで不安を感じていた。
(いんはくしのはこのへんかをごらんになってからいっそうこいしくおぼしめされた。)
院は櫛の箱の返歌を御覧になってからいっそう恋しく思召された。
(ちょうどそのころにげんじはいんへしこうした。したしくおはなしをもうしあげているうちに、)
ちょうどそのころに源氏は院へ伺候した。親しくお話を申し上げているうちに、
(さいぐうがげこうされたことから、いんのみよのさいぐうのしゅっぱつのぎしきにおはなしがいった。)
斎宮が下向されたことから、院の御代の斎宮の出発の儀式にお話が行った。
(いんもかいそうしていろいろとおかたりになったが、ぜひそのひとをえたくおもっていたとは)
院も回想していろいろとお語りになったが、ぜひその人を得たく思っていたとは
(おいいにならないのである。げんじはそのもんだいをぜんぜんしらぬかおもしながら、)
お言いにならないのである。源氏はその問題を全然知らぬ顔もしながら、
(どうおぼしめしていられるかがしりたくて、はなしをそのほうこうへむけたとき、いんのごひょうじょうに)
どう思召していられるかが知りたくて、話をその方向へ向けた時、院の御表情に
(しつれんのふかいごくつうがあらわれてきたのをおきのどくにおもった。うつくしいひととして)
失恋の深い御苦痛が現われてきたのをお気の毒に思った。美しい人として
(それほどいんがわすれがたくおぼしめすぜんさいぐうは、どんなびぼうをおもちに)
それほど院が忘れがたく思召す前斎宮は、どんな美貌をお持ちに
(なるのであろうとげんじはおもって、おりがあればおかおをみたいとおもっているが、)
なるのであろうと源氏は思って、おりがあればお顔を見たいと思っているが、
(そのきかいのあたえられないことをくちおしがっていた。きじょらしいおくぶかさをあくまで)
その機会の与えられないことを口惜しがっていた。貴女らしい奥深さをあくまで
(もっていて、うかとしてひとにみられるすきのあるようなひとでないさいぐうのにょごを)
持っていて、うかとして人に見られる隙のあるような人でない斎宮の女御を
(げんじはいちめんではけいいのはらわれるようじょであるとおもってまんぞくしているのであった。)
源氏は一面では敬意の払われる養女であると思って満足しているのであった。