ホジャおじさんのだまし勝負
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問題文
(むかしむかし、とるこのくにに、なすれっでぃん・ほじゃという、)
むかしむかし、トルコの国に、ナスレッディン・ホジャと言う、
(とてもかわったひとがいました。このほじゃおじさんが、わかいころのことです。)
とても変わった人がいました。このホジャおじさんが、若い頃の事です。
(むらには、とてもいじっぱりなこどもがいました。)
村には、とても意地っ張りな子どもがいました。
(「おらは、だれにもだまされないぞ!」)
「おらは、誰にもだまされないぞ!」
(するとそのこに、ほじゃがいいました。)
するとその子に、ホジャが言いました。
(「ははーん。こぞうがなまいきに。よし、わしがかならず、おまえをだましてやる。)
「ははーん。小僧が生意気に。よし、わしが必ず、お前をだましてやる。
(おまえがかつか、わしがかつか、しょうぶだ」)
お前が勝つか、わしが勝つか、勝負だ」
(「いいとも、しょうぶだ。ぜったいにだまされるもんか!」)
「いいとも、勝負だ。絶対にだまされるもんか!」
(「よし、じゃあ、ちょっとまってろよ。いまからいえにかって、)
「よし、じゃあ、ちょっと待ってろよ。今から家に帰って、
(ようをすましたらだましてやるからな」)
用を済ましたらだましてやるからな」
(「いいとも。まっててやらあ。だませるもんなら、だましてみろ」)
「いいとも。待っててやらあ。だませるもんなら、だましてみろ」
(さて、それからずーと、こどもはそのばでまっていましたが、)
さて、それからずーと、子どもはその場で待っていましたが、
(いくらまってもほじゃはもどってきません。)
いくら待ってもホジャは戻ってきません。
(「おや? そんなところで、なにをしてるんだい?」)
「おや? そんなところで、何をしてるんだい?」
(ともだちがやってきてきいたので、こどもはほじゃとのしょうぶのことをはなししました。)
友達がやって来て聞いたので、子供はホジャとの勝負の事を話しました。
(するとともだちが、わらいながらいいました。)
すると友だちが、笑いながら言いました。
(「ばかだなあ。しょうぶなんてうそだよ。おまえはほじゃに、だまされたんじゃ」)
「ばかだなあ。勝負なんてうそだよ。お前はホジャに、だまされたんじゃ」
(おしまい)
おしまい