狸の札
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問題文
(こどもがいぬをいじめている)
子供が犬をいじめている
(「おじさん、いぬじゃないんだよ。たぬきのこどもなんだ)
「おじさん、犬じゃ無いんだよ。狸の子供なんだ
(みなでころしてたべちゃおうとおもっているんだ」)
皆で殺して食べちゃおうと思っているんだ」
(「いじめちゃだめだ。こっちによこせ。かいとってにがしてやるんだ」)
「いじめちゃ駄目だ。こっちによこせ。買い取って逃がしてやるだ」
(「おじさんなかまだな」。すっとんでにげていった)
「おじさん仲間だな」。すっ飛んで逃げていった
(はかまいりのかえりによいことをして、すっ~としたが)
墓参りの帰りに良いことをして、スッ~としたが
(ふところまですっ~となってしまった。ひとりもののきさんじ、わがやにかえってきて)
懐までスッ~となってしまった。独り者の気散じ、我が家に帰ってきて
(ふとんにまるまってねてしまった)
布団に丸まって寝てしまった
(よなかすぎ、ひるまたすけたたぬきがやってきた)
夜中過ぎ、昼間助けた狸がやって来た
(「たすけてくれてありがとうございました。あなにかえっておやたぬきにはなしたら、)
「助けてくれてアリガトウございました。穴に帰って親狸に話したら、
(「にんげんにしておくのはおしい」と)
『人間にしておくのは惜しい』と
(おんがえしにきました。ぜひこまごましたところからはたらかせてください」)
恩返しに来ました。是非細々したところから働かせて下さい」
(「いいからかえれ」)
「イイから帰れ」
(「そんなこといわないでください)
「そんな事言わないで下さい
(おやじに「にんげんにもおとるやつだ」としかられます。そのうえかんどうされてしまいます」)
親父に『人間にも劣る奴だ』と叱られます。その上勘当されてしまいます」
(「かんどうはかわいそうだな。じゃ~、ひるまはくちのわるいれんちゅうがいるから)
「勘当は可哀相だな。じゃ~、昼間は口の悪い連中がいるから
(よるだけきてくれ。こんばんはここにいてもいいよ」)
夜だけ来てくれ。今晩はここにいてもイイよ」
(「ではおやすみなさい」)
「ではおやすみなさい」
(「はやいなもういびきかいてねてしまった)
「早いなもうイビキかいて寝てしまった
(・・・なんだめをあけてねている」)
・・・なんだ目を開けて寝ている」
(「たぬきねいりです」)
「狸寝入りです」
(よくあさ、たぬきははやくおきておやかたをおこした)
翌朝、狸は早く起きて親方を起こした
(こぞうになってちょうしょくまでよういしていた)
小僧になって朝食まで用意していた
(どうぞかおをあらってしょくじをといわれたが、)
どうぞ顔を洗って食事をと言われたが、
(うどんがみみずで、まんじゅうがばふんだとけいかいしている)
うどんがミミズで、饅頭が馬糞だと警戒している
(「だいじょうぶです。ひばちのひきだしをあけたらはがきがあるので)
「大丈夫です。火鉢の引き出しを開けたら葉書があるので
(それをおさつにかえてかってきました」)
それをお札に替えて買ってきました」
(「え!べんりだな。びんぼうにんはかかあもらうより)
「え!便利だな。貧乏人はカカア貰うより
(たぬきかっておくほうがよいな。じゃぁ~いただくよ」)
狸飼っておく方が良いな。じゃぁ~いただくよ」
(「おやかたはのめるとおもいましたので、おさけも5ごうよういしてあります」)
「親方は飲めると思いましたので、お酒も5合用意してあります」
(「ところで、たのみがあるんだがなぁ~。おれはびんぼうしているからへやになんにもない)
「ところで、頼みがあるんだがなぁ~。俺は貧乏しているから部屋に何にも無い
(しゃっきんだらけなんだ。そのひきだしをあけるとまだはがきがあるから)
借金だらけなんだ。その引き出しを開けるとまだ葉書があるから
(それをかねにかえてほしいんだ」)
それを金に換えて欲しいんだ」
(「それはだめです。あいてにわたるとはがきにもどってしまいます。けさも、みせによって)
「それはダメです。相手に渡ると葉書に戻ってしまいます。今朝も、店によって
(こぞうになったり、おかみさんやおばあさんになってかってきました。)
小僧になったり、おかみさんやお婆さんになって買ってきました。
(ここからでたおかねがはがきになったらつかまってしまいます」)
ここから出たお金が葉書になったら捕まってしまいます」
(「これから、えちごからきたるちぢみやがあるんだが)
「これから、越後から来る縮屋があるんだが
(きもののだいきん、それがすめばきれいになるんだが・・・)
着物の代金、それが済めば綺麗になるんだが・・・
(5えんあればよいので)
5円有れば良いので
(「おやかたのおかねがはいればくににかえれるのですが」と、うるさいんだ」)
『親方のお金が入れば国に帰れるのですが』と、うるさいんだ」
(「それでは、わたしがおさつになるからおつかいなさい)
「それでは、私がオサツになるからお使いなさい
(ではばけますから、めをつぶっててびょうしを・・・」)
では化けますから、目をつぶって手拍子を・・・」
(あしもとに5えんさつがころがっていた)
足元に5円札が転がっていた
(「めかたまでかるくなったな。だめだよ、うらにけがはえているよ。けをとれ)
「目方まで軽くなったな。ダメだよ、裏に毛が生えているよ。毛を取れ
(けがとれたら、のみがはいだしてきた)
毛が取れたら、ノミが這い出してきた
(おれはさつののみをとったのははじめてだ。これならだいじょうぶだ)
俺は札のノミを取ったのは初めてだ。これなら大丈夫だ
(「まわしちゃだめです」、めがまわるか」)
『回しちゃ駄目です』、目が回るか」
(「たたんじゃだめです。はらをおされてしょうべんがでちゃう)
「畳んじゃダメです。腹を押されて小便が出ちゃう
(さかさにもったら、ちがさがります」)
逆さに持ったら、血が下がります」
(「じゃ~、このまましずかにおくよ」)
「じゃ~、このまま静かに置くよ」
(「おやかた、おはようございます」)
「親方、おはようございます」
(ちぢみやがやってきた)
縮屋がやって来た
(「まってたんだ。ここに5えんさつがある。うけとりをくれないか)
「待ってたんだ。ここに5円札がある。受け取りをくれないか
(4えん30せんだな。このさつはまわしたらめをまわすからな」)
4円30銭だな。この札は回したら目を回すからな」
(「てのきれるようなおさつですね」)
「手の切れるようなオサツですね」
(「できたてだ。てなんかきれない、ひっかくぞ)
「出来立てだ。手なんか切れない、引っ掻くぞ
(おつりもいらないからもっていきな」)
お釣りもいらないから持って行きな」
(「ではまた・・・」)
「ではまた・・・」
(「だめだ、おっちゃ。そのままもっていきな。はい、ごくろうさま」)
「ダメだ、折っちゃ。そのまま持って行きな。はい、ご苦労様」
(「たぬきはのんきだから、そのままあたたかいふところでねちゃうんじゃないか・・・」)
「狸はのんきだから、そのまま温かい懐で寝ちゃうんじゃないか・・・」
(「おやかたぁ~、ただいま。あんまりおかしなことをいうもんで)
「親方ァ~、ただいま。あんまりおかしな事を言うもんで
(いえをでるとてんぴにすかしたり、ひっぱったり)
家を出ると天日に透かしたり、引っ張ったり
(ちいさくたたんでがまぐちにぱちんといれられてしまったんです)
小さく畳んでがま口にパチンと入れられてしまったんです
(あたしねぇ、くるしくなってしょうべんやっちゃった」)
あたしねぇ、苦しくなって小便やっちゃった」
(「しちゃったのか」)
「しちゃったのか」
(「えぇ、もういられませんから、ばりばり、よこっぱらくいやぶってにげてきまして)
「えぇ、もういられませんから、バリバリ、横っ腹食い破って逃げてきまして
(ひょいとわきをみましたらね、1えんさつが3まいばかりありましたんで)
ひょいと脇を見ましたらね、1円札が3枚ばかりありましたんで
(おこづかいにくわえてきました」)
お小遣いに咥えてきました」
(「おーい、さつがさつもってきちゃいけねぇ」)
「おーい、札が札持ってきちゃいけねぇ」