死神

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投稿者投稿者matthew いいね0お気に入り登録
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(おかねのさんだんもできず、)

お金の算段も出来ず、

(にょうぼうにあくたいをつかれていえをとびだしてきた。)

女房に悪態をつかれて家を飛び出してきた。

(にょうぼうにいわれたとおり、)

女房に言われたとおり、

(「しんじゃおうか」とおもいはじめていた。)

「死んじゃおうか」と思い始めていた。

(「しにかたをおしえてあげようか」としにがみがあらわれた。)

「死に方を教えてあげようか」と死神が現れた。

(むかしからのいんねんがあるので、かねもうけのほうほうをおしえてやる、という。 )

昔からの因縁があるので、金儲けの方法を教えてやる、と言う。

(いしゃになって、びょうにんをみればかならずしにがみがついている。)

医者になって、病人を診れば必ず死神が付いている。

(しにがみをみえるようにしておいたから、)

死神を見えるようにしておいたから、

(そのしにがみがびょうにんのあしもとについていればたすかる、)

その死神が病人の足元に付いていれば助かる、

(まくらもとにすわっていたらじゅみょうだからたすからない。)

枕元に座っていたら寿命だから助からない。

(あしもとのしにがみはじゅもんをとなえればきえていなくなり、)

足元の死神は呪文を唱えれば消えて居なくなり、

(びょうにんはたすかる。そのじゅもんをおしえてもらって、)

病人は助かる。その呪文を教えてもらって、

(じたくにかまぼこいたに「いしゃ」のかんばんをだした。)

自宅に蒲鉾板に『いしゃ』の看板を出した。

(まもなく、にほんばしえちぜんやからつかいがきてびょうにんをみてほしいとたのまれた。)

まもなく、日本橋越前屋から使いが来て病人を診てほしいと頼まれた。

(あまりにもこぎたなくいしゃらしくないので、びょうにんをみるだけで、)

あまりにも小汚く医者らしくないので、病人を見るだけで、

(さわらせなければいいだろうということで、びょうにんのまえにだされた。)

触らせなければいいだろうと言う事で、病人の前に出された。

(あしもとにしにがみがすわっていたので、じゅもんをとなえてぜんかいとなった。)

足元に死神が座っていたので、呪文を唱えて全快となった。

(このうわさをきいたひとたちがたのみにくると、よいあんばいにしにがみはあしもとにいてなおしてやった)

この噂を聞いた人達が頼みに来ると、良い塩梅に死神は足元にいて治してやった

(あたまのほうにすわっていると「じゅみょうです」といっていえをでると、)

頭の方に座っていると「寿命です」と言って家を出ると、

(なくなるのでいきかみさまではないかとひょうばんがたった。)

亡くなるので生き神様ではないかと評判が立った。

など

(おかげで、うらながやからおもてにでて、せいかつもゆたかになった。)

お陰で、裏長屋から表に出て、生活も豊かになった。

(おんなをかこうようになって、にょうぼう、こどもにかねをつけておいだしてしまった。)

女を囲うようになって、女房、子供に金を付けて追い出してしまった。

(おんなにかみがたをみたいといわれ、いえやしきをしょぶんして、ごうゆうにでた。)

女に上方を見たいと言われ、家屋敷を処分して、豪遊に出た。

(しかし、かねはつかえばなくなるもので、いつのまにかおんなはいなくなってしまった。)

しかし、金は使えば無くなるもので、いつの間にか女は居なくなってしまった。

(ぼんやりもどってきたが、どこからもしんりょうのいらいがこなかった。)

ぼんやり戻ってきたが、どこからも診療の依頼が来なかった。

(いっても、あたまのほうにしにがみがいて、しごとにならなかった。)

行っても、頭の方に死神が居て、仕事にならなかった。

(こうじまちさんちょうめいせやでんうえもんからししゃがきた。)

麹町三丁目伊勢屋伝右衛門から使者が来た。

(いくと、あたまのほうにしにがみがすわっていて、じゅみょうだといった。)

行くと、頭の方に死神が座っていて、寿命だと言った。

(そこを、さんぜんりょうだすからなんとか・・・。)

そこを、三千両出すからなんとか・・・。

(では、いっかげつだけでもなんとかなればいちまんりょうだす、といわれてかんがえこんでしまった)

では、一カ月だけでもなんとかなれば一万両出す、と言われて考え込んでしまっ

(きがきいてちからもちのわかもの4にんをねどこのよすみにすわらせた。)

気が利いて力持ちの若者4人を寝床の四隅に座らせた。

(あいずをしたらふとんをくるっとまわして、)

合図をしたら布団をくるっと回して、

(あたまはあしもとに、あしはまくらもとになるようにしてくれとたのんだ。)

頭は足元に、足は枕元になるようにしてくれと頼んだ。

(よるになるとしにがみはめをらんらんとかがやかせかつどうしていたが、)

夜になると死神は目をランランと輝かせ活動していたが、

(ひがのぼりしにがみもつかれたとみえて、こっくりをしはじめた。)

陽が昇り死神も疲れたとみえて、コックリをし始めた。

(ここぞとばかりあいずをおくり、ふとんをまわしじゅもんをとなえた。)

ここぞとばかり合図を送り、布団を回し呪文を唱えた。

(おどろいたしにがみはとびあがってきえてしまった。)

驚いた死神は飛び上がって消えてしまった。

(びょうにんはうそのようにぜんかいして、おかねをもらってかえってきた。)

病人はウソのように全快して、お金を貰って帰ってきた。

(ひさしぶりにいっぱいひっかけて、じょうきげんであるいているとしにがみがこえをかけた。)

久しぶりに一杯引っかけて、上機嫌で歩いていると死神が声を掛けた。

(しにがみはおとこといっしょにどうくつのようなところにつれていった。)

死神は男と一緒に洞窟のような所に連れて行った。

(そこにはもえているろうそくがたくさんあった。ろうそく1ぽん1ぽんがにんげんのじゅみょうで、)

そこには燃えている蝋燭が沢山あった。蝋燭1本1本が人間の寿命で、

(くすぶっているのはびょうにん、ながいのはじゅみょうがあり、みじかいのはじゅみょうがみじかいのだという)

くすぶっているのは病人、長いのは寿命があり、短いのは寿命が短いのだと言う

(ながくてげんきにもえているのはむすこで、はんぶんのながさはまえのにょうぼうであった。)

長くて元気に燃えているのは息子で、半分の長さは前の女房であった。

(となりにあるろうそくはいまにもきえそうであった。きくとじぶんのじゅみょうだという。)

隣にある蝋燭は今にも消えそうであった。聞くと自分の寿命だという。

(しにがみはおとこのじゅみょうがまだまだあるといったが、)

死神は男の寿命がまだまだ有ると言ったが、

(それは、おかねにめがくらんでかんじゃとろうそくをこうかんしてしまったためだという。)

それは、お金に目がくらんで患者と蝋燭を交換してしまった為だと言う。

(「かねをかえすからなんとかして」とこんがんしたが)

「金を返すから何とかして」と懇願したが

(「いちどこうかんしたものはできない」とつれないへんじであった。)

「一度交換したものは出来ない」とつれない返事であった。

(「むかし、いんねんがあったのでしょう、だったらなんとかして・・・」)

「昔、因縁があったのでしょう、だったら何とかして・・・」

(「では、もえさしがあるから、これをつないでみな」)

「では、燃えさしがあるから、これを繋いでみな」

(うまくつながればいのちがのびるという。)

上手く繋がれば命が延びるという。

(「なんでそんなにふるえているんだ。ふるえるときぇるよ。きぇるとしぬよ」)

「何でそんなに震えて居るんだ。震えると消ぇるよ。消ぇると死ぬよ」

(「そんなこといわないで~」)

「そんな事言わないで~」

(「ふるえるときぇるよ。へへへ・・きぇるよ・・きぇるよ・・ほらほら・きぇた」)

「震えると消ぇるよ。へへへ・・消ぇるよ・・消ぇるよ・・ほらほら・消ぇた」

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