バベルの塔

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問題文
(かつてにんげんは、)
かつて人間は、
(みなひとつのおなじことばをつかい、おなじようにはなしをしていた。)
皆一つの同じ言葉を使い、同じように話をしていた。
(かれらはとうほうにいどうし、みなみめそぽたにあちほうのしんあるのちにへいやをみつけて、)
彼らは東方に移動し、南メソポタニア地方のシンアルの地に平野を見つけて、
(そこにすみついた。)
そこに住みついた。
(かれらはいしのかわりにれんがを、)
彼らは石の代わりにレンガを、
(しっくいのかわりにあすふぁるとをもちいることができるようになった。)
漆喰の代わりにアスファルトを用いることが出来るようになった。
(かれらはいった。)
彼らは言った。
(「さあ、てんまでとどくとうのあるまちをたて、ゆうめいになろう。)
「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。
(そして、ぜんちにちらされることのないようにしよう」)
そして、全地に散らされることのないようにしよう」
(こうしてひとびとは、てんまでとどく、たかくておおきなとうのけんせつにちゃくしゅした。)
こうして人々は、天まで届く、高くて大きな塔の建設に着手した。
(だが、このようなにんげんのくわだてをかみがみすごすはずがなかった。)
だが、このような人間の企てを神が見過ごすはずがなかった。
(かみはくだってきて、にんげんがたてたとうのあるこのまちをみていった。)
神は下ってきて、人間が建てた塔のあるこの町を見て言った。
(「かれらはひとつのたみで、みなひとつのことばをはなしているから)
「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから
(このようなことをはじめたのだ。)
このようなことをはじめたのだ。
(これでは、かれらがなにをくわだててもさまたげられない。)
これでは、彼らが何を企てても妨げられない。
(ただちにかれらのことばをこんらんさせ、)
ただちに彼らの言葉を混乱させ、
(たがいのことばがききわけられぬようにしてしまおう」)
互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう」
(このかみのけつだんによって、ひとびとはおなじことばではなせず、)
この神の決断によって、人々は同じ言葉で話せず、
(そうごにいしそつうをはかることができなくなってしまった。)
相互に意思疎通を図ることが出来なくなってしまった。
(げんごによるひとびとのとうせいもふかのうになった。そのけっか、)
言語による人々の統制も不可能になった。その結果、
(ひとびとはぜんちにちっていかざるをえなくなった。)
人々は全地に散っていかざるを得なくなった。
(こうしてひとびとは、このまちのけんせつをやめたという。)
こうして人々は、この町の建設をやめたという。
((とうのけんせつをくわだて、かみのいかりをかったこのまちは、ばべるとよばれた。)
(塔の建設を企て、神の怒りを買ったこの町は、バベルと呼ばれた。
(かみがそこでことばをこんらんさせ、そこからひとびとをぜんちにちらした。)
神がそこで言葉を混乱させ、そこから人々を全地に散らした。
(このものがたりは、ばべるのとうをたてようとしたにんげんのおごりにたいして、)
この物語は、バベルの塔を建てようとした人間のおごりに対して、
(かみがしんぱんをくだしたけっかであり、せかいじゅうにおおくのことばがそんざいすることのりゆうとして)
神が審判を下した結果であり、世界中に多くの言葉が存在することの理由として
(しばしばかたられている))
しばしば語られている)