出口のない部屋に閉じ込められている。
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問題文
(でぐちのないへやにとじこめられている。)
出口のない部屋に閉じ込められている。
(とびらをさがしたわけでもないのに、わたしはそうおもった。)
扉を探した訳でもないのに、私はそう思った。
(おはようもおやすみもなにもかんけいなく、)
「おはよう」も「おやすみ」も何も関係なく、
(じかんだけがすぎていく。)
時間だけが過ぎていく。
(しあわせではないかもしれない、)
幸せではないかも知れない、
(でも、へいわではあった。)
でも、平和ではあった。
(ここにいればだれかをきずつけることも、)
ここにいれば誰かを傷つけることも、
(だれかにきずつけられることもない。)
誰かに傷つけられることもない。
(ゆいいつのまどからみえるそとのせかいは、)
唯一の窓から見える外の景色は、
(きたいはずれのせいかいとじごうじとくのふせいかい。)
期待外れの正解と自業自得の不正解。
(わたしじゃないといえないしょうじょ。)
私じゃないと言えない少女。
(ぼくがやったといわないしょうねん。)
僕がやったと言わない少年。
(くだらないろんそうと、おかねにすべてをかけるおとな。)
くだらない論争と、お金に全てをかける大人。
(がめんごしにいみのないばせいをはなつろうじん。)
画面越しに意味のない罵声を放つ老人。
(そんなせかいをながめているだけのわたし。)
そんな世界を眺めているだけの私。
(こわいんです。)
怖いんです。
(でも、しかたがないでしょ?)
でも、仕方がないでしょ?
(ここからいっぽでもそとにでたら、)
ここから一歩でも外に出たら、
(わたしはきっと、いっしゅんでこのせかいにのみこまれてしまう。)
私はきっと、一瞬でこの世界に飲み込まれてしまう。
(だからわあしはきょうも、)
だから私は今日も、
(なにもいわずにこのへやにとじこめられていた。)
何も言わずにこの部屋に閉じ込められていた。
(とびらはみえない。)
扉は見えない。
(これもうそだ。)
これも嘘だ。
(なぜならわたしは)
なぜなら私は
(とびらをあけて、このへやにはいったのだから。)
扉を開けて、この部屋に入ったのだから。