慈円「賀茂百首」

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プレイ回数401難易度(4.0) 90秒 長文 かな
『新古今集』を代表する歌人の一人、慈円の和歌のタイピングです。
歴史的仮名遣い、濁点ありです。
「問答」→「もんだふ」のように入力してください。
ただ、「ゑ」は「え」になってしまうようですのでご注意ください。

慈円の数々の作品のうち、「賀茂百首」から30首を選びました。
賀茂社に奉納された百首歌「賀茂百首」は、庶民や動物たちへ目を向けつつ、神仏へ祈りをささげた作品です。その性格上、和歌には通常詠まれない、変わった内容や表現の歌が多くなっています。
ちょっと難し目かもしれません。

本文は和歌文学大系『拾玉集』によっていますが、一部表記を改めたところがあります。
ほとんど自分用に作ったものですが、公開しておきます。

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問題文

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(はなのえだにかけてかずそふまりのねのなづまぬほどにあめそそぐなり)

花の枝にかけて数そふ鞠の音の なづまぬほどに雨そそぐなり

(たにかけていはねきびしきおくやまにおそくさくらをみるひとやたれ)

谷かけて岩根きびしき奥山に おそく桜を見る人や誰

(このころはいせにしるひとおとづれてたよりうれしきはなかうじかな)

この頃は伊勢に知る人訪れて たよりうれしき花柑子かな

(なつこだちにはののすぢのいしのうへにみちていろこきふかみぐさかな)

夏木立庭の野筋の石の上に 満ちて色濃き深見草かな

(ならとよりきこゆるうりをやまとぢやいかでもちぶにすこしゆるさん)

奈良とよりきこゆる瓜を大和路や いかで持ち夫にすこし許さん

(やまとぢやげぶみをしのぶうりのぶはつをのみひきてあせぞながるる)

大和路や解文をしのぶ瓜の夫は 唾をのみ引きて汗ぞ流るる

(しづのめもおほぢいづつにゆふすずみふるかたびらのあしあらひして)

賎の女も大道井筒に夕涼み 古帷子の足洗ひして

(けふよりはかぜにいろあるころもでにひとのこころのうらをみるかな)

今日よりは風に色ある衣手に 人の心のうらをみるかな

(つちかべにまどぬりのこすいほまでもすさめずやどるあきのよのつき)

土壁に窓塗り残す庵までも すさめず宿る秋の夜の月

(たれかみんあきふきあげのうらかぜにつきかげくだくはまのまさごを)

誰か見ん秋吹上の浦風に 月影くだく浜の真砂を

(にしのやまにつきはいりぬるあかつきにたがあみだぶのこえぞのこれる)

西の山に月は入りぬる暁に 誰が阿弥陀仏の声ぞのこれる

(かしのはのもみぢぬからにちりつもるおくやまでらのみちぞさびしき)

樫の葉のもみぢぬからに散り積もる 奥山寺の路ぞさびしき

(はつゆきのふりすさみたるくもまよりおがむかひあるみかづきのかげ)

初雪のふりすさみたる雲間より 拝むかひある三日月の影

(ふゆのきてはむにものなきうしのこのやせゆくさとのころのさびしさ)

冬のきて食むに物なき牛の子の やせゆく里のころのさびしさ

(おほはらのすみをいただくしづのめははばきばかりやなさけなるらむ)

大原の炭をいただく賎の女は 脛巾ばかりや情けなるらむ

(いつはりのしたのさきこそかなしけれただすのみやはおはしまさぬか)

偽りの舌の先こそ悲しけれ ただすの宮はおはしまさぬか

(つきもほしもさやかにてらすかひぞなきこのよのひとのうはのそらごと)

月も星もさやかに照らすかひぞなき この世の人の上の空言

(わがこひよさしもかはかぬたもとかななかばあはむといひしひとかは)

わが恋よさしも乾かぬ袂かな 泣かば逢はむと言ひし人かは

(おもひしるこころのつなをよもにひきておいのねざめのみだれゆくかな)

思ひ知る心の綱を四方にひきて 老いの寝覚めの乱れゆくかな

(まづしきはたがとがなれやものをもたばひとにのみこそとらせたきみの)

貧しきは誰が咎なれや物を持たば 人にのみこそ取らせたき身の

など

(あらせばやとおもふひとのみうせはててあらざれかしとおもふひとのみ)

あらせばやと思ふ人のみうせはてて あらざれかしと思ふ人のみ

(をりをりにいとふものからなさけあるははなさそふかぜつきにうきぐも)

折々にいとふ物から情けあるは 花さそふ風月に浮雲

(おもひぐまのひとはなかなかなきものをあはれにいぬのぬしをしるらん)

思ひぐまの人はなかなかなきものを あはれに犬の主を知るらん

(なにとなくかよふうさぎもあはれなりかたをかやまのいほのかきねに)

何となく通ふ兎もあはれなり 片岡山の庵の垣根に

(みまきよりくさおふうまのくちのこをみるもかなしきよのならひかな)

御牧より草負ふ馬の口の子を 見るもかなしき世のならひかな

(まちくだりよろぼひゆきてよをみればもののことわりみなしられけり)

町下りよろぼひ行きて世を見れば 物のことわりみな知られけり

(たれならむめおしのごひてたてるひとひとのよわたるみちのほとりに)

誰ならむ目押し拭ひて立てる人 ひとの世渡る道のほとりに

(あるかなきかあなはかなやのためしかなほごやくはひのかぜにふかれて)

あるかなきかあなはかなやのためしかな 反故焼く灰の風に吹かれて

(ひえのやまのりふぎやちかくなりぬらむよはにさえたるもんだふのこえ)

比叡の山の竪義や近くなりぬらむ 夜半に冴えたる問答の声

(ひとをみるもわがみをみるもこはいかになむあみだぶつなむあみだぶつ)

人を見るも我が身を見るもこはいかに 南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏

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