魯迅 阿Q正伝その13
(補正)改行部分を打ちやすくしました。よろしければどうぞ
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問題文
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(しなのおとこはほんらい、たいていみなせいけんとなるしかくがあるが、)
支那の男は本来、大抵皆聖賢となる資格があるが、
(おしいかなたいていみなおんなのためにこわされてしまう。)
惜しいかな大抵皆女のために壊されてしまう。
(しょうはだっきのためにそうどうがもちあがった。)
商は妲己のために騒動がもちあがった。
(しゅうはほうじのためにはかいされた?)
周は褒のために破壊された?
(しん、こうぜんれきしにでていないが、)
秦、公然歴史に出ていないが、
(おんなのためにしんははかいされたといってもたいしてまちがいはあるまい。)
女のために秦は破壊されたといっても大して間違いはあるまい。
(そうしてとうたくはてんぜんのためにかくじつにころされた。)
そうして董卓は貂蝉のために確実に殺された。
(あきゅうはほんらいただしいひとだ。)
阿Qは本来正しい人だ。
(われわれはかれがどんなししょうについておしえをうけたかしらないが、)
われわれは彼がどんな師匠に就いて教えを受けたか知らないが、
(かれはふだん「だんじょのくべつ」をげんしゅし、かつまたいたんをはいせきするせいきがあった。)
彼はふだん「男女の区別」を厳守し、かつまた異端を排斥する正気があった。
(たとえばあま、にせけとうのたぐい。かれのがくせつではすべてのあまはおしょうとしつうしている。)
たとえば尼、偽毛唐の類。彼の学説では凡ての尼は和尚と私通している。
(おんながそとへでればかならずおとこをゆうわくしようとおもう。)
女が外へ出れば必ず男を誘惑しようと思う。
(おとことおんなとはなしをすればきっとろくなことはない。)
男と女と話をすればきっと碌なことはない。
(かれはかれらをこらしめるかんがえで、おりおりめをいからせてながめ、)
彼は彼等を懲しめる考えで、おりおり目を怒らせて眺め、
(あるいはおおごえをあげてかれらのまよいをさまし、)
あるいは大声をあげて彼等の迷いを醒し、
(あるいはみっかいじょにこいしをなげこむこともある。)
あるいは密会所に小石を投げ込むこともある。
(ところがかれは30になってついにわかいあまになやまされて、ふらふらになった。)
ところが彼は30になって遂に若い尼になやまされて、ふらふらになった。
(このふらふらのせいしんはれいきょうじょうからいうとけっしてよくないものである。)
このふらふらの精神は礼教上から言うと決してよくないものである。
(だからおんなはしんににくむべきものだ。)
だから女は真に悪むべきものだ。
(もしあまのかおがあぶらぎっていなかったらあきゅうはみせられずにすんだろう。)
もし尼の顔が脂漲っていなかったら阿Qは魅せられずに済んだろう。
など
(もしあまのかおにふくめんがかかっていたらあきゅうはみせられずにすんだろう)
もし尼の顔に覆面が掛っていたら阿Qは魅せられずに済んだろう
(かれは5,6ねんまえ、ぶたいのしたのひとごみのなかで1どあるおんなのまたくらにあしをはさまれたが、)
彼は5,6年前、舞台の下の人混みの中で1度ある女の股倉に足を挟まれたが、
(さいわいずぼんをへだてていたので、ふらふらになるようなことはなかった。)
幸いズボンを隔てていたので、ふらふらになるようなことはなかった。
(ところがこんどのわかいあまはけっしてそうではなかった。)
ところが今度の若い尼は決してそうではなかった。
(これをみてもいかにいたんのにくむべきかをしるべし。)
これを見てもいかに異端の悪むべきかを知るべし。
(かれは「こいつはきっとおとこをつれだすわえ」とおもうようなおんなにたいして)
彼は「こいつはきっと男を連れ出すわえ」と思うような女に対して
(いつもちゅういしてみていたが、かのじょはけっしてかれにむかってわらいもしなかった。)
いつも注意してみていたが、彼女は決して彼に向って笑いもしなかった。
(かれはじぶんとはなしをするおんなのことばをいつもちゅういしてきいていたが、)
彼は自分と話をする女の言葉をいつも注意して聴いていたが、
(かのじょはけっしてつやっぽいはなしをもちださなかった。)
彼女は決して艶ッぽい話を持ち出さなかった。
(おおこれがおんなのにくむべきてんだ。)
おおこれが女の悪むべき点だ。
(かれらはみな「にせどうとく」をきていた。)
彼等は皆「偽道徳」を着ていた。
(そうおもいながらあきゅうは「おんな、おんな!」とおもった。)
そう思いながら阿Qは「女、女!」と想った。
(そのひあqはちょうだんなのいえでいちにちこめをついた。)
その日阿Qは趙太爺の家で一日米を搗いた。
(ばんめしがすんでしまうとだいどころでたばこをすった。)
晩飯が済んでしまうと台所で煙草を吸った。
(これがもしほかのいえならばんめしがすんでしまうと)
これがもしほかの家なら晩飯が済んでしまうと
(すぐにかえるのだがちょうけはばんめしがはやい。)
すぐに帰るのだが趙家は晩飯が早い。
(じょうれいによるとこのばあいてんとうをゆるさず、)
定例に拠るとこの場合点燈を許さず、
(めしがすむとすぐねてしまうのだが、はしなくもまた2,3のれいがいがあった)
飯が済むとすぐ寝てしまうのだが、端無くもまた2,3の例外があった