童話タイピング -鶴の恩返し-

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問題文
(むかしむかし、あるやまざとに、)
むかしむかし、ある山里に、
(こころやさしいおじいさんがすんでいました。)
心優しいお爺さんが住んでいました。
(おじいさんはまずしいくらしでしたが、)
お爺さんは貧しい暮らしでしたが、
(いつもどうぶつたちにやさしくせっしていました。)
いつも動物たちに優しく接していました。
(あるさむいゆきのひ、)
ある寒い雪の日、
(おじいさんがやまみちをあるいていると、)
お爺さんが山道を歩いていると、
(わなにかかってみうごきがとれない)
罠にかかって身動きがとれない
(いちわのつるをみつけました。)
一羽の鶴を見つけました。
(つるはくるしそうにもがいていました。)
鶴は苦しそうにもがいていました。
(おじいさんはかわいそうにおもい、)
お爺さんはかわいそうに思い、
(そっとわなをはずし、つるをたすけてやりました。)
そっと罠を外し、鶴を助けてやりました。
(つるは、きゅるるるとひとこえないて、)
鶴は、キュルルルと一声鳴いて、
(そらたかくとびさっていきました。)
空高く飛び去っていきました。
(すうじつご、ひどいふぶきのよるのことでした。)
数日後、ひどい吹雪の夜のことでした。
(どんどんどん!ととをたたくおとがします。)
ドンドンドン!と戸を叩く音がします。
(こんなよるにだれだろうととをあけると、)
こんな夜に誰だろうと戸を開けると、
(そこにうつくしいむすめさんがたっていました。)
そこに美しい娘さんが立っていました。
(「たびのものですが、みちにまよってしまいました。)
「旅の者ですが、道に迷ってしまいました。
(ひとばんだけとめていただけませんか?」)
一晩だけ泊めていただけませんか?」
(むすめさんはそういいました。)
娘さんはそう言いました。
(おじいさんはひとりぐらしだったので、)
お爺さんは一人暮らしだったので、
(すこしおどろきましたが、むすめさんがかわいそうになり、)
少し驚きましたが、娘さんが可哀想になり、
(「こんなゆきのよるにたいへんじゃったな。)
「こんな雪の夜に大変じゃったな。
(どうぞ、おはいりなさい」)
どうぞ、お入りなさい」
(とあたたかくむかえいれました。)
と温かく迎え入れました。
(むすめさんはおじいさんのいえで、)
娘さんはお爺さんの家で、
(かいがいしくはたらくようになりました。)
甲斐甲斐しく働くようになりました。
(りょうりもじょうずで、おじいさんのからだを)
料理も上手で、お爺さんの体を
(いつもきづかってくれました。)
いつも気遣ってくれました。
(おじいさんは、むすめがじぶんのむすめのようにおもえて、)
お爺さんは、娘が自分の娘のように思えて、
(ふたりはおやこのようになかよくくらしました。)
二人は親子のように仲良く暮らしました。
(あるひ、むすめさんがおじいさんにいいました。)
ある日、娘さんがお爺さんに言いました。
(「おじいさん、わたしにたんものをおらせてください。)
「お爺さん、私に反物を織らせてください。
(でも、わたしがおっているあいだは、)
でも、私が織っている間は、
(けっしてへやをのぞかないでくださいね」)
決して部屋を覗かないでくださいね」
(おじいさんはしょうちしました。)
お爺さんは承知しました。
(むすめさんはとをしめきり、はたおりのおとだけが、)
娘さんは戸を閉め切り、機織りの音だけが、
(しゃっ、しゃっ、ときこえてきます。)
シャッ、シャッ、と聞こえてきます。
(みっかみばん、むすめはのまずくわずでおりつづけ、)
三日三晩、娘は飲まず食わずで織り続け、
(やがてうつくしいたんものがおりあがりました。)
やがて美しい反物が織り上がりました。
(それは、いままでみたこともないほど、)
それは、今まで見たこともないほど、
(ひかりかがやくすばらしいたんものでした。)
光り輝く素晴らしい反物でした。
(むすめさんはそのたんものをもってまちへいくと、)
娘さんはその反物を持って町へ行くと、
(たちまちひょうばんになり、たかねでうれました。)
たちまち評判になり、高値で売れました。
(おかげで、おじいさんのくらしは)
おかげで、お爺さんの暮らしは
(ゆたかになりました。)
豊かになりました。
(それからむすめは、またたんものをおっては、)
それから娘は、また反物を織っては、
(おじいさんのくらしをたすけました。)
お爺さんの暮らしを助けました。
(しかし、たんものをおるたびに、)
しかし、反物を織るたびに、
(むすめはどんどんやせていき、)
娘はどんどん痩せていき、
(みるかげもなくよわっていくようでした。)
見る影もなく弱っていくようでした。
(おじいさんはむすめのからだがしんぱいでたまりません。)
お爺さんは娘の体が心配でたまりません。
(「いったい、なにがおこっているのだろう?」)
「一体、何が起こっているのだろう?」
(おじいさんはしんぱいのあまり、)
お爺さんは心配のあまり、
(とうとうがまんできなくなり、)
とうとう我慢できなくなり、
(むすめがたんものをおっているへやの)
娘が反物を織っている部屋の
(とのすきまから、そっと)
戸の隙間から、そっと
(なかをのぞいてしまいました。)
中を覗いてしまいました。
(おじいさんがみたものは、)
お爺さんが見たものは、
(しんじられないこうけいでした。)
信じられない光景でした。
(へやにはむすめのすがたはなく、)
部屋には娘の姿はなく、
(そこにはいちわのつるがいました。)
そこには一羽の鶴がいました。
(おじいさんがたすけたつるだったのです。)
お爺さんが助けた鶴だったのです。
(そのつるは、じぶんのはねをぬきとり、)
その鶴は、自分の羽根を抜き取り、
(それをはたおりきにかけて、)
それを機織り機にかけて、
(おりものにかえていたのです。)
織り物に変えていたのです。
(そしてそのつるこそが、あのゆきのひに)
そしてその鶴こそが、あの雪の日に
(おじいさんがたすけたつるだったのです。)
お爺さんが助けた鶴だったのです。
(おじいさんは、じぶんがしてしまったことに)
お爺さんは、自分がしてしまったことに
(こうかいしました。)
後悔しました。
(のぞいてはいけないといわれたのに、)
覗いてはいけないと言われたのに、
(そのやくそくをやぶってしまったからです。)
その約束を破ってしまったからです。
(つるはじぶんのしょうたいをしられたことにきづくと、)
鶴は自分の正体を知られたことに気づくと、
(かなしそうに、そしてすこしさびしそうに、)
悲しそうに、そして少し寂しそうに、
(ゆっくりとたちあがりました。)
ゆっくりと立ち上がりました。
(「おじいさん、わたしをたすけてくださって、)
「お爺さん、私を助けてくださって、
(ほんとうにありがとうございました。でも、)
本当にありがとうございました。でも、
(わたしのしょうたいをしられてしまったからには、)
私の正体を知られてしまったからには、
(もうここにはいられません」)
もうここにはいられません」
(そういうと、つるはゆっくりとまどをあけ、)
そう言うと、鶴はゆっくりと窓を開け、
(よぞらへとまいあがっていきました。)
夜空へと舞い上がっていきました。
(おじいさんは、さっていくつるのすがたを)
お爺さんは、去っていく鶴の姿を
(いつまでもみおくっていました。)
いつまでも見送っていました。
(たすけたつるがすがたをかえて)
助けた鶴が姿を変えて
(おんがえしにきてくれたこと、そして)
恩返しに来てくれたこと、そして
(じぶんのやくそくをやぶってしまったことをおもい、)
自分の約束を破ってしまったことを思い、
(おじいさんはただただなみだをながすばかりでした。)
お爺さんはただただ涙を流すばかりでした。