夢の記録①

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(おおきなそらまめだった。むすうにある、しかいいちめんのおおきなそらまめ。)

大きなそら豆だった。無数にある、視界一面の大きなそら豆。

(どこか、ひろいぐらうんどのようなばしょに、はれたそらのした、)

どこか、広いグラウンドのような場所に、晴れた空の下、

(にんげんのあたまほどのおおきさもある、たいりょうのそらまめがあふれかえっている。)

人間の頭ほどの大きさもある、大量のそら豆が溢れ返っている。

(そらまめのかららしきくろっぽいものと、ちゃかっしょくのそらまめが、どういうしくみか)

そら豆の殻らしき黒っぽいものと、茶褐色のそら豆が、どういう仕組みか

(つぎからつぎへとわきみずのごとくあふれでてくる。おおぜいのにんげんがそらまめのはっせいをくいとめ)

次から次へと湧き水の如く溢れ出てくる。大勢の人間がそら豆の発生を食い止め

(ようとふんとうするも、そのいきおいがおさまるようすはない。だれかのくちから)

ようと奮闘するも、その勢いが収まる様子はない。誰かの口から

(「もうだめだろう。どうしようもないよ。」ということばがもれる。)

「もう駄目だろう。どうしようもないよ。」という言葉が漏れる。

(かべにぶつかってはねかえってきたそらまめは、はじかれたようにへんけいし、ちょうど)

壁にぶつかって跳ね返ってきたそら豆は、弾かれたように変形し、ちょうど

(らぐびーぼーるじょうのそのひょうめんには、おおきなめのもようがこちらをぎらりとにらんで)

ラグビーボール状のその表面には、大きな目の模様がこちらをギラリと睨んで

(いる。ころがってきたそれをてにとり、ちからいっぱいけりあげると、そらまめは)

いる。転がってきたそれを手に取り、力いっぱい蹴り上げると、そら豆は

(そらのかなたへきえていった。ひとりのおじさんがちかづいてくると、わたしにむかって)

空の彼方へ消えていった。一人のおじさんが近づいてくると、私に向かって

(こういった。「いまによのなかがかわるよ。れきしがかわるんだ。いままでみていた)

こう言った。「今に世の中が変わるよ。歴史が変わるんだ。今まで見ていた

(ものも、きっとまもなくかたちをかえる。」)

ものも、きっと間もなく形を変える。」

(こうしゅうのといれへいくと、こうこうじだいのゆうじんがふたり、ながいれつのさいこうびにならんでいた。)

公衆のトイレへ行くと、高校時代の友人が二人、長い列の最後尾に並んでいた。

(てまえにみんながさけてはいろうとしないといれのはこが、なんれつかならんでいる。そこへ)

手前にみんなが避けて入ろうとしないトイレの箱が、何列か並んでいる。そこへ

(はいる。なるほどみんながさけたがるはずで、とびらはかんいなぼたんとまじっくてーぷで)

入る。なるほどみんなが避けたがるはずで、扉は簡易な釦とマジックテープで

(とめるぬのせいのもの。こころもとない。しかも、べんきのようなものは、ふろかとみまがうほど)

留める布製のもの。心許ない。しかも、便器のようなものは、風呂かと見紛う程

(おおきい。そればかりかつるつるとよくすべる。が、うまくあしばをみつけてようをたし)

大きい。そればかりかツルツルとよく滑る。が、うまく足場を見つけて用を足し

(みずをながすと、べんきからおすいがあふれでてくる。あわててまじっくてーぷをはずし)

水を流すと、便器から汚水が溢れ出てくる。慌ててマジックテープを外し

(とびらをあけてそとへでた。たてもののそとへでたいりぐちのじめんで、なにやらちろちろ)

扉を開けて外へ出た。建物の外へ出た入り口の地面で、何やらちろちろ

など

(うごめいている。むかでのようなさそりのようないきもの。からだはいくふしかにわかれており)

蠢いている。ムカデのようなサソリのような生き物。体は幾節かに分かれており

(かたそうなこうかくにつつまれていて、あたまにはいっついのおおきなめだまがとっしゅつしている。)

硬そうな甲殻に包まれていて、頭には一対の大きな目玉が突出している。

(とてもきょうぼうで、せいちょうがはやく、あるていどまでそだつとこどもをうむようにぶんりする。)

とても凶暴で、成長が早く、ある程度まで育つと子供を産むように分離する。

(ふだんはしっけのおおいばしょをこのみ、じめじめとおいしげったくさむらのくらやみから、すばやく)

普段は湿気の多い場所を好み、じめじめと生い茂った草むらの暗闇から、素早く

(とびかかってくる。とてもきけんだ。ねこのそれとおなじくしゃーっといかくのおとをだす)

飛びかかってくる。とても危険だ。猫のそれと同じくシャーッと威嚇の音を出す

(が、それがくちからでているのか、からだからはっしているのかははんぜんとしない。)

が、それが口から出ているのか、体から発しているのかは判然としない。

(ところで、たばこをすいにとあるへやへはいった。いくつかのひざたけほどのたかさのほそながい)

ところで、煙草を吸いにとある部屋へ入った。幾つかの膝丈程の高さの細長い

(てーぶるがこのじがたにならんでいて、そのまわりにすわりごこちのよさそうなそふぁが)

テーブルがコの字型に並んでいて、その周りに座り心地の良さそうなソファが

(おかれてある。ひとつのそふぁをじんどり、おさななじみとたばこをすっていると、そこへ)

置かれてある。一つのソファを陣取り、幼馴染と煙草を吸っていると、そこへ

(どやどやといくにんかのくっきょうそうなおとこたちがはいってきた。なにげなしにふとよこにめを)

どやどやと幾人かの屈強そうな男たちが入ってきた。何気なしにふと横に目を

(やると、となりにきいろいへるめっとをかぶったしょうがっこうじだいのどうきゅうせいのkがたっていた。)

やると、隣に黄色いヘルメットを被った小学校時代の同級生のKが立っていた。

(ひどくあせをかいている。「あさからばんまであせだくでたいへんね。」とこえをかけると、)

酷く汗をかいている。「朝から晩まで汗だくで大変ね。」と声を掛けると、

(kは、はにかむようにわらった。いくらかことばをかわしたのち、kはぽけっとをさぐり)

Kは、はにかむように笑った。幾らか言葉を交わした後、Kはポケットを探り

(はじめた。どうやらたばこをきらしてしまっていたらしい。「わたしのでよければ。」)

始めた。どうやら煙草を切らしてしまっていたらしい。「私ので良ければ。」

(そういってたばこのはこをさしだすと、kはおもむろに、わたしのすっていたたばこをとりあげ、)

そう言って煙草の箱を差し出すと、Kは徐に、私の吸っていた煙草を取り上げ、

(なんくちかすうと、そのたばこをむしゃむしゃとたべはじめた。わたしはすこしびっくりしたが、)

何口か吸うと、その煙草をむしゃむしゃと食べ始めた。私は少し吃驚したが、

(それをとめることはしなかった。kとはなすうちに、わたしはkにこいごころをいだく)

それを止めることはしなかった。Kと話すうちに、わたしはKに恋心を抱く

(ようなかんかくをおぼえた。わたしはそのときあるつまのあるだんせいとこいなかにあったようだが、)

ような感覚を覚えた。私はその時ある妻のある男性と恋仲にあったようだが、

(こころのどこかで、わたしはkとであうためにいままでひとりぼっちだったのだと、そんな)

心のどこかで、私はKと出会うためにいままで独りぼっちだったのだと、そんな

(ことさえおもった。しばらくのち、kはうしろがみをひかれるようにへやをでていった。)

ことさえ思った。しばらく後、Kは後ろ髪を引かれるように部屋を出て行った。

(いれかわりにはいってきたひとが、「kから」といい、ちいさなあなのふたつあいた)

入れ替わりに入ってきた人が、「Kから」と言い、小さな穴のふたつ開いた

(いちまいのでんしゃのきっぷをわたしにてわたした。これはなにかとたずねると、しあわせのきっぷ)

一枚の電車の切符を私に手渡した。これは何かと尋ねると、幸せの切符

(だという。すうじにかくされたいみをもつしあわせのきっぷ。どこかでそんなものが)

だと言う。数字に隠された意味を持つ幸せの切符。どこかでそんなものが

(あるらしいといううわさをみみにしていたわたしは、それをだいじにぽけっとへしまった。)

あるらしいという噂を耳にしていた私は、それを大事にポケットへ仕舞った。

(そとへでると、なにやらあたりのようすがおかしい。めのまえにあるおしろが、ぴんくいろを)

外へ出ると、何やら辺りの様子がおかしい。目の前にあるお城が、ピンク色を

(しているばかりか、きらきらとかがやいている。よくよくみるとそれは、ぴんくいろの)

しているばかりか、キラキラと輝いている。よくよく見るとそれは、ピンク色の

(ほうせきでできているらしい。あわいいろやこいいろのぴんくのしゅうごうたいのおしろが、)

宝石で出来ているらしい。淡い色や濃い色のピンクの集合体のお城が、

(ひのひかりをあびてきらきらとかがやいているのだ。きおくのなかではみちであったばしょが)

陽の光を浴びてキラキラと輝いているのだ。記憶の中では道であった場所が

(かわになっている。それもただのかわではない。えめらるどのかわ。むこうぎしのどての)

川になっている。それもただの川ではない。エメラルドの川。向う岸の土手の

(うえからようがんのようなはっこうしたおれんじのたきがおちている。そらはあわくうすくみずいろで、)

上から溶岩のような発光したオレンジの滝が落ちている。空は淡く薄く水色で、

(そのなかを、なないろのはだのひりゅうのようないきものがとびかっている。)

その中を、七色の肌の飛竜のような生き物が飛び交っている。

(なないろといってもいろあざやかないろではなく、そうじてこうたくのないくろっぽいかっしょくのはだだ。)

七色といっても色鮮やかな色ではなく、総じて光沢のない黒っぽい褐色の肌だ。

(とおくのけしきにのぞむりょうせんは、ぎざぎざととがっていて、やまかげはにびいろをしている。)

遠くの景色に臨む稜線は、ギザギザと尖っていて、山影は鈍色をしている。

(さまざまないこくのみんぞくいしょうのようなふくをきた、おうらいをいきかうひとびとは、かおに)

様々な異国の民族衣装のような服を着た、往来を行きかう人々は、顔に

(ねこやきつねのおめんをかぶっている。どこか、いせかいにまよいこんだのかとおもうような)

猫や狐のお面を被っている。どこか、異世界に迷い込んだのかと思うような

(いようなけしき。ーーかとおもえば、すこしめをてんじると、きんもじで「へいせいーー」と)

異様な景色。ーーかと思えば、少し目を転じると、金文字で「平成ーー」と

(かかげられたみなれたかいしゃのせのたかいしろいびるや、あおやちゃいろのにかいだてのかわらやねの)

掲げられた見慣れた会社の背の高い白いビルや、青や茶色の二階建ての瓦屋根の

(じゅうきょもみえる。えめらるどのかわのどてのうえをひとりあるきながら、ーーああ、これが)

住居も見える。エメラルドの川の土手の上を一人歩きながら、ーーああ、これが

(いつかのおじさんがいっていた「よのなかがかわる」ということなんだな、と)

いつかのおじさんが言っていた「世の中が変わる」ということなんだな、と

(おもった。だれかのてでつくられたそうだいなえいがのえんでぃんぐのようだとおもった。)

思った。誰かの手で造られた壮大な映画のエンディングのようだと思った。

(わたしにはこんなそうぞうりょくもなければ、そうぞうりょくもない。きっと、だれかのつくったえいがの)

私にはこんな想像力もなければ、創造力もない。きっと、誰かの造った映画の

(すたっふろーるのながれるえんでぃんぐなのだ。ーーえんでぃんぐ。)

スタッフロールの流れるエンディングなのだ。ーーエンディング。

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