星の王子さま 26③ (31/32)
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問題文
(「ぼく、こんなこというの・・・ へびのこともあるからだよ。)
「ぼく、こんなこというの・・・ ヘビのこともあるからだよ。
(きみにかみついちゃいけないからさ・・・。)
きみにかみついちゃいけないからさ・・・。
(へびのやつ、いじわるなんだから、)
ヘビのやつ、いじわるなんだから、
(おもしろがって、かみつくかもしれないんだよ・・・」)
おもしろがって、かみつくかもしれないんだよ・・・」
(「ぼく、きみのそば、はなれないよ」)
「ぼく、きみのそば、はなれないよ」
(おうじさまは、なにかしらおもいついて、あんしんしたようにもみえました。)
王子さまは、なにかしら思いついて、安心したようにも見えました。
(「そうだ。へびのやつ、にどめにかみつくときには、)
「そうだ。ヘビのやつ、二度目にかみつくときには、
(もう、どくがないんだっけ・・・」)
もう、毒がないんだっけ・・・」
(そのよる、おうじさまがでかけたのを、ぼくはきがつきませんでした。)
その夜、王子さまが出かけたのを、ぼくは気が付きませんでした。
(あしおとひとつたてずに、すがたをかくしたのです。)
足音一つたてずに、すがたをかくしたのです。
(あとをおって、しゅびよくおいつきますと、)
あとをおって、首尾よくおいつきますと、
(おうじさまは、もう、はらをきめたらしく、あしばやにあるいていました。)
王子さまは、もう、腹を決めたらしく、あしばやに歩いていました。
(そして、こういっただけでした。)
そして、こういっただけでした。
(「ああ、きみか・・・」)
「ああ、きみか・・・」
(おうじさまは、ぼくのてをとりましたが、)
王子さまは、ぼくの手をとりましたが、
(また、しんぱいでたまらなそうにいいました。)
また、心配でたまらなそうにいいました。
(「こないほうがよかったのに。 それじゃつらいおもいをするよ。)
「こないほうがよかったのに。 それじゃつらい思いをするよ。
(ぼく、もうしんだようになるんだけどね、それ、ほんとじゃないんだ・・・」)
ぼく、もう死んだようになるんだけどね、それ、ほんとじゃないんだ・・・」
(ぼくは、だまっていました。)
ぼくは、だまっていました。
(「ね、とおすぎるんだよ。 ぼく、とてもこのからだ、もってけないの。)
「ね、遠すぎるんだよ。 ぼく、とてもこのからだ、持ってけないの。
(おもすぎるんだもの」)
重すぎるんだもの」
(ぼくはだまっていました。)
ぼくはだまっていました。
(「でも、それ、そこらにほうりだされたふるいぬけがらとおんなじなんだ。)
「でも、それ、そこらに放り出された古いぬけがらとおんなじなんだ。
(かなしかないよ、ふるいぬけがらなんて・・・」)
かなしかないよ、古いぬけがらなんて・・・」
(ぼくはだまっていました。)
ぼくはだまっていました。
(おうじさまは、すこし、きがくじけたようでしたが、)
王子さまは、すこし、気がくじけたようでしたが、
(また、きもちをひきたてて、いいました。)
また、気持ちをひきたてて、いいました。
(「ね、とてもいいことなんだよ。 ぼくもほしをながめるんだ。)
「ね、とてもいいことなんだよ。 ぼくも星をながめるんだ。
(ほしがみんな、いどになって、さびついたくるまがついてるんだ。)
星がみんな、井戸になって、さびついた車がついてるんだ。
(そして、ぼくにいくらでも、みずをのましてくれるんだ」)
そして、ぼくにいくらでも、水をのましてくれるんだ」
(ぼくはだまっていました。)
ぼくはだまっていました。
(「ほんとにおもしろいだろうなあ!)
「ほんとにおもしろいだろうなあ!
(きみは、ごおくもすずをもつだろうし、)
きみは、五億も鈴をもつだろうし、
(ぼくは、ごおくも、いずみをもつことになるからねえ・・・」)
ぼくは、五億も、泉をもつことになるからねえ・・・」
(そして、こんどはおうじさまもだまってしまいました。)
そして、こんどは王子さまもだまってしまいました。
(ないていたからです・・・)
泣いていたからです・・・
(「だからね、かまわず、ぼくをひとりでいかせてね」)
「だからね、かまわず、ぼくをひとりでいかせてね」
(といって、おうじさまは、こしをおろしました。)
といって、王子さまは、腰をおろしました。
(こわかったからです。)
こわかったからです。
(それからまた、こういいました。)
それからまた、こういいました。
(「ねえ、ぼくのはな・・・)
「ねえ、ぼくの花・・・
(ぼく、あのはなにしてやらなくちゃならないことがあるんだ。)
ぼく、あの花にしてやらなくちゃならないことがあるんだ。
(ほんとによわいはななんだよ。 ほんとにむじゃきなはななんだよ。)
ほんとに弱い花なんだよ。 ほんとにむじゃきな花なんだよ。
(みのまもりといったら、)
身の守りといったら、
(よっつのちっぽけなとげしか、もっていないはななんだよ・・・」)
四つのちっぽけなトゲしか、もっていない花なんだよ・・・」
(ぼくもこしをおろしました。)
ぼくも腰をおろしました。
(たっていられなくなったのです。)
立っていられなくなったのです。
(おうじさまはいいました。)
王子さまはいいました。
(「さあ・・・もう、なんにもいうことはない・・・」)
「さあ・・・もう、なんにもいうことはない・・・」
(おうじさまは、まだ、なにか、もじもじしていましたが、)
王子さまは、まだ、なにか、もじもじしていましたが、
(やがてたちあがりました。)
やがて立ち上がりました。
(そして、ひとあし、あるきました。)
そして、ひとあし、歩きました。
(ぼくは、うごけませんでした。)
ぼくは、動けませんでした。
(おうじさまのあしくびのそばには、きいろいひかりが、きらっとひかっただけでした。)
王子さまの足首のそばには、黄いろい光が、キラっと光っただけでした。
(おうじさまは、ちょっとのあいだ、みうごきもしないでいました。)
王子さまは、ちょっとのあいだ、身動きもしないでいました。
(こえひとつ、たてませんでした。)
声ひとつ、たてませんでした。
(そして、いっぽんのきがたおれでもするように、しずかにたおれました。)
そして、一本の木が倒れでもするように、静かに倒れました。
(おとひとつ、しませんでした。)
音ひとつ、しませんでした。
(あたりが、すなだったものですから。)
あたりが、砂だったものですから。