オオカミ王ロボ 19

偕成社文庫
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問題文
(まずわたしは、てにはいるかぎりのわなをあつめた。)
まず私は、手に入る限りの罠を集めた。
(ひゃくさんじゅっこのきょうりょくなこうてつせいのおおかみわなだ。)
百三十個の強力な鋼鉄製のオオカミ罠だ。
(つぎにこれをよんこをひとくみとして、ろぼのきょうこくにむかう、みちというみちにしかけた。)
次にこれを四個を一組として、ロボの峡谷に向かう、道という道に仕掛けた。
(どのわなもしっかりとまるたにむすびつけ、そのまるたをいっこずつちにうめるのだが、)
どの罠もしっかりと丸太に結びつけ、その丸太を一個ずつ地に埋めるのだが、
(じめんをほるときにはとくべつきをくばった。)
地面を掘るときには特別気を配った。
(くさをねごとほりとってから、あなのつちはひとつぶものこさずもうふにあげる。)
草を根ごと掘りとってから、穴の土は一粒も残さず毛布に上げる。
(だから、しごとがおわってさいごにくさをもどすと、)
だから、仕事が終わって最後に草を戻すと、
(にんげんがてをつけたあとはすこしものこらなかった。)
人間が手を付けた跡は少しも残らなかった。
(わなをうめおわると、あわれなぶらんかのしがいを、)
罠を埋め終わると、あわれなブランカの死骸を、
(そのいちいちのばしょにひっぱってあるいた。)
そのいちいちの場所にひっぱって歩いた。
(それからこやのまわりをひとまわりひっぱってあるき、)
それから小屋の周りをひとまわり引っ張って歩き、
(さいごにぶらんかのあしをいっぽんきりとって、わなからわなにあしあとをつけてあるいた。)
最後にブランカの足を一本切り取って、罠から罠に足跡をつけて歩いた。
(つまり、おもいつくかぎりのようじんとくふうをこらしたわけである。)
つまり、思いつく限りの用心と工夫を凝らしたわけである。
(こうしてよるおそくいえにもどり、あしたのけっかをまつことにした。)
こうして夜遅く家に戻り、明日の結果を待つことにした。
(よなかにろぼにこえをきいたようなきがしたが、はっきりしなかった。)
夜中にロボに声を聞いたような気がしたが、はっきりしなかった。
(さてよくじつ、わたしはうまにのってまわったが、)
さて翌日、私は馬に乗って周ったが、
(きたのきょうこくをまわりきらないうちにくらくなってしまった。)
北の峡谷を周りきらないうちに暗くなってしまった。
(そしてなんのせいかもなくこやにもどった。)
そしてなんの成果もなく小屋に戻った。
(ところがゆうしょくのとき、ひとりのかうぼーいがこんなことをいった。)
ところが夕食のとき、一人のカウボーイがこんな事を言った。
(「けさ、きたきょうこくのうしがばかにさわいでいたな。)
「けさ、北峡谷の牛が馬鹿に騒いでいたな。
(なにかが、わなにかかったのかもしれませんぜ。」)
何かが、罠にかかったのかもしれませんぜ。」
(わたしがそのばしょへいったのは、よくじつのごごになってからである。)
私がその場所へ行ったのは、翌日の午後になってからである。
(ちかづくと、なにかおおきなはいいろのものが、じめんからおきあがった。)
近づくと、なにか大きな灰色のものが、地面から起き上がった。
(にげようとしてにげられず、もがきながらわたしのまえにたちあがったすがたは、)
逃げようとして逃げられず、もがきながら私の前に立ち上がった姿は、
(まさしくろぼだ。)
まさしくロボだ。
(からんぽーのおうさまは、とうとうわなにかかったのだった。)
カランポーの王さまは、とうとう罠にかかったのだった。