水無し川

(きたからふいたかぜにおわれて)

北から吹いた風に 追われて

(たびだつぼくをゆるしてくれよ)

旅立つ僕を 許してくれよ

(さむいとかいにゆこうとおもう)

寒い都会に 行こうと思う

(そこでしごとをさがすつもりだ)

そこで仕事を 探すつもりだ

(ふゆしょうぐんのあしおとがする)

冬将軍の 足音がする

(きみをあたためあいせもしない)

君をあたため 愛せもしない

(このこがらしをきりぬけたなら)

この木枯らしを 切り抜けたなら

(いつかふたりでくらすひもくる)

いつか二人で 暮らす日も来る

(いつかふたりでくらすひもくる)

いつか二人で 暮らす日も来る

(みずなしがわもむかしはそうさ)

水無し川も 昔はそうさ

(そらにとどけとさかながはねた)

空に届けと 魚がはねた

(さらばふゆがれやせたはたけよ)

さらば冬枯れ やせた畑よ

(たよりのないはぶじだとおもえ)

便りのないは 無事だと想え

(なけなしのゆめはたいてかけた)

なけなしの夢 はたいて賭けた

(いちかばちかがおとこのかけさ)

いちかばちかが 男の賭けさ

(きみのきしゃちんおくるかわりに)

君の汽車賃 送るかわりに

(さいごのさけにようかもしれぬ)

最後の酒に 酔うかもしれぬ

(さいごのさけにようかもしれぬ)

最後の酒に 酔うかもしれぬ

(りゅうひょうがきえてはるになっても)

流氷が消えて 春になっても

(きみのきもちがかわらないなら)

君の気持ちが 変わらないなら

(そのくろかみをきらないでくれ)

その黒髪を 切らないでくれ

(ぼくはひとめであいをしるだろう)

僕はひと目で 愛を知るだろう

(いまはこらえろいとしいきみよ)

今はこらえろ いとしい君よ

(ああじんせいはまわりぶたいだ)

あゝ人生は 廻り舞台だ

(ふぶきのあとにはるのひざしが)

吹雪のあとに 春の陽射しが

(はなによったらそのときなこう)

花に酔ったら その時泣こう

(はなによったらそのときなこう)

花に酔ったら その時泣こう