彼女なりの正義(正義の正位置)

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投稿者投稿者死神の嫁いいね0お気に入り登録
プレイ回数559難易度(4.7) 2971打 長文 長文モードのみ
タロットカードを題材にした、オリジナル小説です
別サイトにて投稿している小説をタイピングにしてみました!
12枚目のカード、正義の正位置との話です。
面白いと思ってもらえたり、カードのことを知っていただけると嬉しいです!

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問題文

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(「して、あるじよ。いかのてんからさっするに、あるじはこのことをどうとらえる?」)

「して、主よ。以下の点から察するに、主はこのことをどう捉える?」

(「えっと、ほんらいのいみをこうりょするとこうなるけど・・・・・・」)

「えっと、本来の意味を考慮するとこうなるけど」

(かのじょのこえをきくと、りんりてきにものごとをかんがえられるのはきのせいではないのだろう。)

彼女の声を聴くと、倫理的に物事を考えられるのは気のせいではないのだろう。

(かのじょのなは「せいぎ」のせいいち、かーどばんごうは11で)

彼女の名は『正義』の正位置、カード番号は11で

(おもないみは「ただしいはんだん・せいじつなあいて・りちぎ」である。)

主な意味は『正しい判断・誠実な相手・律儀』である。

(かのじょにはときどき、うらないをしたさいのそれぞれのかーどのかいしゃくについて)

彼女には時々、占いをした際のそれぞれのカードの解釈について

(いけんをもとめるときがある。)

意見を求める時がある。

(つねにりんりてきにものごとをかんがえ、いけんをのべてくれるかのじょは)

常に倫理的に物事を考え、意見を述べてくれる彼女は

(いやなかおひとつせずにいつもおしえてくれるのだ。)

嫌な顔一つせずにいつも教えてくれるのだ。

(「こんかいのぎだいをもういちどかんがえなおしてみるといい。)

「今回の議題をもう一度考え直してみるといい。

(ほんらいのいみでかいしゃくするといわかんがしょうじるだろう。)

本来の意味で解釈すると違和感が生じるだろう。

(ここではほんらいのいみにつかまわれず)

ここでは本来の意味に捉われず

(べつのいみでかいしゃくするとまとまりがでる」)

別の意味で解釈するとまとまりが出る」

(「べつのいみって、そうかいしゃくしてしまってもいいものなの?」)

「別の意味って、そう解釈してしまってもいいものなの?」

(「ならばきくが、あるじは「せいぎ」とはどういったものだとおもう?」)

「ならば聞くが、主は『正義』とはどういったものだと思う?」

(「せいぎ・・・・・・ただしいおこない、とかかな?」)

「正義・・・・・・正しい行い、とかかな?」

(わたしのかいとうにうなずきながら、かのじょはつづける。)

私の解答に頷きながら、彼女は続ける。

(「そのあるじがおもうせいぎは、ほかのものもおなじようにとらえているとおもうか?」)

「その主が思う正義は、他の者も同じように捉えていると思うか?」

(「おなじように・・・・・・とはかぎらないかも。)

「同じようにとは限らないかも。

(ひとによってかいしゃくはさまざまだし、)

人によって解釈は様々だし、

など

(じぶんがおもうせいぎがひとにとってはあくになりうることもあるだろうから。)

自分が思う正義が人にとっては悪になりうることもあるだろうから。

(・・・・・・もしかして、そういうこと?」)

・・・・・・もしかして、そういうこと?」

(わたしのことばにまんぞくそうにしながら、かのじょはすこしだけけわしいかおをしながらいった。)

私の言葉に満足そうにしながら、彼女は少しだけ険しい顔をしながら言った。

(「そうだ。きほんとなるいみはそんざいするが、)

「そうだ。基本となる意味は存在するが、

(それがいつもあてはまるとはかぎらない。)

それがいつも当てはまるとは限らない。

(うらないにおなじかいしゃくがないのもそのいっかんだな。)

占いに同じ解釈がないのもその一環だな。

(わたしたちかーどは、うらなわれるがわのこころをよみとき)

私たちカードは、占われる側の心を読み解き

(それにあわせてこたえをみちびきだす。)

それに合わせて答えを導き出す。

(ここでだすこたえは、そのうらなわれるがわにとってのこたえであり)

ここで出す答えは、その占われる側にとっての答えであり

(すべてのものにたいするこたえではない。)

全ての者に対する答えではない。

(わたしもそうだ、せいぎというなをしょってはいるが)

私もそうだ、正義という名を背負ってはいるが

(わたしのおもうせいぎとおさたちがおもうせいぎとはことなるだろう。)

私の思う正義と主たちが思う正義とは異なるだろう。

(わたしのなをもってなにをしょうめいすればいい?)

私の名を持って何を証明すればいい?

(じんによってかわるかちかんやただしさは)

人によって変わる価値観や正しさは

(じんそれぞれがもちあわせるからこそいみをなすものだ。)

人それぞれが持ち合わせるからこそ意味を成すものだ。

(それをわたしのもつ「がいねん」だけで)

それを私の持つ『概念』だけで

(かえてしまってよいものなのか?」)

変えてしまってよいものなのか?」

(かーどたちのなかには、かのじょのように)

カードたちの中には、彼女のように

(じぶんのもちあわせるいみをしゅちょうせず、)

自分の持ち合わせる意味を主張せず、

(わたしたちによりそい、おなじようにかんがえてくれるこもいる。)

私たちに寄り添い、同じように考えてくれる子もいる。

(とくにかのじょは、いけんのおしつけをせず)

特に彼女は、意見の押し付けをせず

(まずはなしをききだしてからゆっくりとしょうかしてくれる。)

先ず話を聞きだしてからゆっくりと消化してくれる。

(こんらんしていることがらをせいりし、ひとつひとつにくぎってから)

混乱している事柄を整理し、一つ一つに区切ってから

(むきあわせてくれるのだ。)

向き合わせてくれるのだ。

(それがひじょうにありがたくもあり、ときどきもうしわけなくおもう。)

それが非常に有り難くもあり、時々申し訳なく思う。

(かのじょのほんらいのしごとにそっていないんじゃないかと、)

彼女の本来の仕事に沿っていないんじゃないかと、

(かのじょにきをつかわせているのではないかと・・・・・・)

彼女に気を遣わせているのではないかと・・・・・・

(「なにをきにしている、わたしがのぞんでしていることだ。)

「何を気にしている、私が望んでしていることだ。

(あるじのちからになることが、わたしのほんもうだからな」)

主の力になることが、私の本望だからな」

(「せいぎさん・・・・・・ありがとう。)

「正義さん・・・・・・ありがとう。

(わたしね、まさよしさんがかかげる「せいぎ」のいみは)

私ね、正義さんが掲げる『正義』の意味は

(つねにひとにたいしてせいじつでやさしさとつよさをもってせっする)

常に人に対して誠実で優しさと強さを持って接する

(ってことだとおもう。)

ってことだと思う。

(せいぎさんがいてくれるから、わたしはかーどさんたちのことを)

正義さんがいてくれるから、私はカードさんたちのことを

(わたしなりのかいしゃくではあるけれどりかいできるんだとおもう。)

私なりの解釈ではあるけれど理解できるんだと思う。

(さいしょにせいぎさんがいってくれたでしょ?)

最初に正義さんが言ってくれたでしょ?

(「さんこうしょはかうな、おのれのめでかんじたものをしんようしろ」)

『参考書は買うな、己の目で感じたものを信用しろ』

(あのことばがすごくうれしかった。)

あの言葉がすごく嬉しかった。

(わたしなりでいいんだって、そのときはじめておもえたから」)

私なりでいいんだって、その時初めて思えたから」

(かのじょのあらわすいみは、ただしさだけではない。)

彼女の表す意味は、正しさだけではない。

(だれよりもじょうにあふれ、こをだいじにしてくれる。)

誰よりも情に溢れ、個を大事にしてくれる。

(なによりも、やさしさがいっぱいつまったあいじょうをもって、)

何よりも、優しさがいっぱい詰まった愛情を持って、

(せっしどきにはしかってもくれる。そんなやさしくつよい、おねえさんだ。)

接し時には叱ってもくれる。そんな優しく強い、お姉さんだ。

(「あ、あまりほめるでない・・・・・・つぎのぎだいにいくぞ!」)

「あ、あまり褒めるでない・・・・・・次の議題に行くぞ!」

(ていせい、やさしくつよく、てれやさんでかわいいおねえさんだ。)

訂正、優しく強く、照れ屋さんで可愛いお姉さんだ。

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