オオカミ王ロボ 9
偕成社文庫
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問題文
(2)
2
(このろぼのはなしは、かうぼーいからきいただけでは、)
このロボの話は、カウボーイから聞いただけでは、
(わたしにはとてもしんじられなかった。)
私にはとても信じられなかった。
(ところが1893ねんのあきのこと、)
ところが1893年の秋のこと、
(わたしはふとしたことから、このわるがしこいころしやとしりあうことになった。)
私はふとしたことから、この悪賢い殺し屋と知り合うことになった。
(いや、さいごにははらのそこまでしるなかとなった。)
いや、最後には腹の底まで知る仲となった。
(なんねんかまえ、まだあいけんびんごがいたころは、わたしもおおかみがりをやっていた。)
何年か前、まだ愛犬ビンゴがいた頃は、私もオオカミ狩りをやっていた。
(ところがそのご、しごとがかわって、つくえといすにしばりつけられることになり、)
ところがその後、仕事が変わって、机と椅子に縛り付けられることになり、
(なんとかきぶんをかえたいものとおもっていた。)
なんとか気分を変えたいものと思っていた。
(ちょうどそのやさきだった。)
ちょうどその矢先だった。
(からんぽーでぼくじょうをやっているともだちからてがみがとどいた。)
カランポーで牧場をやっている友だちから手紙が届いた。
(にゅーめきしこへこないか。)
ニューメキシコへ来ないか。
(そして、このうしぬすっとどもとひとしょうぶしてみるきはないかね・・・というのだ。)
そして、この牛盗人どもと一勝負してみる気はないかね・・・というのだ。
(わたしはおおよろこびでこれにとびつき、)
私は大喜びでこれに飛びつき、
(もうこのおおかみおうがしりたくてしりたくてならず、)
もうこのオオカミ王が知りたくて知りたくてならず、
(おおいそぎでこのだいちへやってきた。)
大急ぎでこの台地へやってきた。
(ついてしばらくは、ちけいのようすをしるために、うまにのってあるいた。)
着いてしばらくは、地形の様子を知るために、馬に乗って歩いた。
(すると、あんないをしてくれたおとこがときどき、)
すると、案内をしてくれた男がときどき、
(まだかわがのこっているうしのほねをゆびさしては、いったものだ。)
まだ皮が残っている牛の骨を指さしては、言ったものだ。
(「これも、やつのしわざでさあ。」)
「これも、やつのしわざでさあ。」
(こうしてしらべてみてわかったのだが、でこぼこのはげしいこのとちでは、)
こうして調べてみてわかったのだが、でこぼこの激しいこの土地では、
(いぬやうまをつかってろぼをつかまえることなど、はじめからもんだいにならない。)
犬や馬を使ってロボを捕まえることなど、はじめから問題にならない。
(だから、どくやくとわなをつかうしかないのだが、)
だから、毒薬と罠を使うしかないのだが、
(さしあたりおおきなわながたりなかったので、まずどくやくからはじめることにした。)
さしあたり大きな罠が足りなかったので、まず毒薬から始めることにした。
(このひとおおかみのうらをかいてやろうとして、わたしがどんなにくふうをこらしたか、)
この人オオカミの裏をかいてやろうとして、私がどんなに工夫をこらしたか、
(いまさらいちいちはなすまでのこともあるまい。)
今更いちいち話すまでのこともあるまい。
(すとりきにーね、ひそ、しあんかぶつ、せいさんなど、)
ストリキニーネ、ヒ素、シアン化物、青酸など、
(どくというどくのあらゆるくみあわせをやってみた。)
毒という毒のあらゆる組み合わせをやってみた。
(えさにするにくだって、あらゆるものをつかってみた。)
エサにする肉だって、あらゆるものを使ってみた。
(ところがくるひもくるひも、あさになってしらべにいってみると、)
ところが来る日も来る日も、朝になって調べに行ってみると、
(まったくのむだぼねとわかるだけだ。)
まったくの無駄骨とわかるだけだ。
(とにかく、このろうおうはしたたかすぎて、とてもわたしのてにおえない。)
とにかく、この老王はしたたかすぎて、とても私の手に負えない。
(そのたまげるばかりのりこうさは、)
そのたまげるばかりの利口さは、
(れいをひとつあげただけでじゅうぶんおわかりいただけるとおもう。)
例を一つ上げただけで十分おわかりいただけると思う。