KING KNIGHT

(はるかなとおいむかしこのてはつばさでなく)

はるかな遠い昔　この手は翼でなく

(ふたつのつるぎで)

双つの剣で

(くさいきれのしとねでぼくらはけもののように)

草いきれの褥で　僕らは獣のように

(いきをころしてた)

息を殺してた

(いまこどくときょむのなかでさわぎたぎるちをいかにしよう)

いま孤独と虚無の中で　騒ぎ滾る血をいかにしよう

(ほんとうのつよさほしいとねがえばみちびかれるのか)

本当の強さ欲しいと願えば　導かれるのか

(いざゆかんかっちゅうのはがねをてりかえし)

いざ行かん　甲冑の鋼を照り返し

(つわものどもがゆめのあとを)

つわものどもが夢の跡を

(こころをおおいつくすたてをとりはらえよ)

心を覆い尽くす　盾を取り払えよ

(みえないこっきょうはすぐそこに)

見えない国境はすぐそこに

(じごくのそこからこえがきこえても)

地獄の底から　声がきこえても

(まだまだよあけはとおかろう)

「まだまだ夜明けは遠かろう」

(ふれえぬほしのくずきぼうのかがやきは)

触れ得ぬ星の屑　希望の輝きは

(ひとよにきえども)

一夜に消えども

(とわなるあすはいづこしゅんかんせつなのとき)

永久(とわ)なる明日はいづこ　瞬間刹那の時

(つなぎえいごうを)

つなぎ永劫を

(どこにいふもいけいもなく)

どこに畏怖も畏敬もなく

(いきるむなしさをなんとしよう)

生きる空しさをなんとしよう

(しんのやさしさあんいつのゆりかごにそだちはしない)

真の優しさ　安逸の揺り籠に　育ちはしない

(いざかけよしっこくのあらうまいなないて)

いざ駆けよ　漆黒の荒馬嘶いて

(おおしきくにのまつえいたち)

雄々しき國の末裔たち

(はりめぐらされたたかきさくをとびこえよ)

張り巡らされた　高き柵を飛び越えよ

(まだみぬせかいははてしない)

まだ見ぬ世界は果てしない

(てんのかなたからうたがふりそそぐ)

天の彼方から　歌が降り注ぐ

(かみのおんけいをそのせに)

帝(かみ)の恩恵をその背に

(いざゆかんかっちゅうのはがねをてりかえし)

いざ行かん　甲冑の鋼を照り返し

(もののふたちがたどりしみち)

もののふたちが辿りし道

(そのおもいふうじこめるくさびをはずせよ)

その想い封じ込める　楔を外せよ

(ぬかるあしあともかわくだろう)

ぬかる足跡も乾くだろう

(いざかけよしっこくのあらうまいなないて)

いざ駆けよ　漆黒の荒馬嘶いて

(うるわしきくにのせんくしゃたち)

麗しき國の先駆者たち

(おわりなきたたかいにとうじるおんみへと)

終わりなき戦いに　投じる御身へと

(まことのたましいやどるまで)

誠の魂　宿るまで

(もうひとりのじぶんがぼくにこえかける)

もうひとりの自分が　僕に声かける

(ここからすべてがはじまる)

「ここからすべてが始まる」